すべてのおすすめ
子供の頃
日曜日になると
隣町まで習字の塾へ行った
習字よりも
塾をさぼって
町の本屋で立ち読みしたり
ゲームセンターでゲームしたり
そんな思い出ばかりが残ってる
ある日 ....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが
どうして
美しくないと
思っていたのだろう
みんなの中に居るか
「だれ ....
080903
明日も良い天気
保障する
空約束と信じていたが
少し軽率すぎたようでした
宗谷本線
抜海駅で降りて
歩きだしたときは、よく晴れていて
....
―――いつも雨の音がする
ひんやりと冷たい、鉛の棒で、
心臓をゆっくり刺し貫かれるような違和感で目が覚める、
午前3時、のろのろとベッドを這い出して、
レジ袋から転がっているペ ....
切手って
ペランとした羽根のようなもの
涙の味と似てる、切手って
おてがみにつけるお守り(ちゃんととどきますように)
(鳥がちゃんと見ているのよ)
まなーが凝縮されてるすたんぷ
誰かに ....
黒い雲です空一面
私は黒い傘を持って
駅まで旦那を向かえに行きます
雨が降るだろうと思っていました
天気予報で小娘、憂鬱な芝居をしながら
急な雨にご注意くださいと言いましたから
人 ....
風呂の戸を開けると
いつかの僕が
髪を洗ってる
背中を洗ってあげると
ありがとう
そう言って
妻がしてくれてると思ってる
湯船には
いつかの祖母が入ってる
髪を洗う僕に ....
檻の中に
一匹ずつ
入っていて
「お家に連れて帰ってね。値下げ、半額!」
っていう
カードがついてる
人懐っこいオマエ
大きくなりすぎたね
そういうことってあるんだ
運が良ければいい ....
こ/わ/し/て/
まだ眩しいころ
なつの名残りが
ひざの裏にある目が
後ろにいるあなたをモ、ト。めていた
とぶなら鳥に
はね ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ
晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
080902
ダから
タまで
一瞬のうちに
走り抜く
タ行の音列
−−−−−−−
−−−−
−
−
攻撃する運命
防御する本能
....
遮光瓶をのぞくと
オイルが少しと
後悔がいっぱい見えました
私は窓を開けて
フタをとった瓶を掌にのせ
太陽に差し出しました
ほんのひととき
りんごのような香りが
漂って消えまし ....
明日のことばかり考えている彼女と
昨日のことばかり振りかえる僕
針で突いては
月は破れ
倒れこんだ水のない
手もつなげない花が二輪
カーテンレールの、かららと転ぶ音
風が吹いてる ....
はじめて
家族旅行に行った
夜の宿で
そこは二楽荘というんだけれども
楽しいことは
一つや二つどころではなく
三つも四つも
心配など
なにもなかったから
いくらでも夢中にはしゃ ....
埃のように浮かんでいる
幾多ものかなしさを
君の代わりに受け取ります
郵便受けにはそんな毎日以外は
何も配達されない代わりに
仰ぎ見た夜空には
少なくとも名前を呼べる者達が
いくつか ....
やわらかいものが
やわらかいものに抱かれ
育むものが
育まれたことをよろこびとした
この命の果てにある
未来がまだ懐かしかった頃
時は懐かしく
時はまた経験として
かつて見た ....
そうだ、中三のとき
愛について、いつも考えていた
こころの灯、なんて題名つけて
愛について、ノートまでつけていた
母が死んで整理していたら
耕太郎関係、って書いた段ボール ....
夏のテーブルは渚
水のように陽だまりがゆれる
私の貝殻はここにあります
波間にさすらった熱い砂は
もうゆるくほどけて
あなたの胸に頬を寄せると
潮騒が聞こえます
時折 やさしく
....
二本目のにんじん
細かくくだいてりにゅうしょく
やわらかさとはなんなのですか?
おじいちゃん
せんいをうしなっても
あむことが
もぐもぐ
土を進む
ニュースペーパーは諦めを切り離し ....
日だまりの喪失によみがえる歌声
岸辺に立ち
シャワーを浴びる裸体が
鏡に映っている
流し去ることの出来ない。
視線にでもなぞれない
曲線を水がしたたり
こもれ日へ歩む旋律
お気づき ....
咳をしても一人
分け入っても一人
つるべとられても一人
海に出ても一人
水枕がばりと一人
落ち散ってうち重なって
雪とけても一人
あなたみたいに遠くへは行けない。
ぼくには足があるから。
そういっていいわけを考える。
うまい、うまくないかはべつとして。
とりつくろう、縫う、パッチワーク、みたいに。
きれいかどうかは ....
きちんとした襟の
背の低い男が
背を丸くして立っている
教会の門の前
指先の
薄茶けたしみと
視界のかしいだ
米が落ちている
祝福の
後先に
三本目のつえが
....
それから一年たった
橋から見える
盲腸のような川は
廃虚の「風景」に
なり切れず
何も語らない
どこかで
一人はしゃいでいる
語り過ぎる風景
が過ぎて行く
昼下がり
....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする
水と油
そんな感じで
高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
真っ赤な真っ赤な
たいようの
帽子をかぶって
おんなのこ
白くま探しに
やってきた
すずしさのシズクもらいに
おじょうちゃん
あぶないよ
食べられてしまうよ
赤い帽子の
....
灯台は
海をさがしている
それゆえずっと
船にすくいの
手をのべる
灯台は
自らの眼を
ながらく持たない
おのれを見つめるものたちの
ことばの向こうを
....
まあ 夢の話だ
乗り過ごした成人式を
だいぶ前にすませたやつが
不意に眠り込んでしまって
夢を見て
目が覚めても
こわさからは覚めきれなくて
夕方だったはずが
真っ暗なんだ
消し忘れ ....
もう会わない人たちが
改札を通過する
昨夜知らない人たちと
あんなに
飲んだはずなのに
今朝はやけに顔のない
彼らの名前を
だれも知らない
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