すべてのおすすめ
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って
生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
くさなぎ君が怒られるのは
やっちゃたから
くさなぎ君が庇われるのも
やっちゃたから
やっちゃたね
くさなぎ君
和を乱しちゃった
裸になって何が悪い?
なんも ....
母へと語られる
おもいは
いつもことば少なで
ずいぶんと幼い頃
学校へ行きたがらなかったわたしを
ぴしゃりとしかりつけた
あなたの手のひら
たった一度
手を上げたのはその一度
....
予報どおりに
夜半から雨
街灯に照らされた水滴の連なりは、
白く
夜の一部をかたちにしてみせる
舗道の片隅ムスカリは
秘密を蓄え
雨に味方する
さわ、わ
さわさわ風に
雨糸揺れて
....
お互い相手にはバレてないつもり。
ホントはそんなことないけど。
言葉の端々、何気ない仕草をチェックし合う。
勝手に深読み
膨らむ想像
この子には負けたくない。
....
綺麗ごとが染みに見えてしまうのならば
綺麗なもので世界中を埋め尽くせばいい
それが当たり前になるように
両手を広げられることを
抱きしめるべきものがあることを
美しいものを認めるこ ....
早い朝の
透明な風と
柔らかな
乳白色の
朝日の中で
眠っているひとへ
もう 夢の終り近く
名残惜しむような
やさしい寝息と
微かな頬のさくら色
起こさなくっちゃ
いけないけど
....
弦が弾かれて
その指先を求める
懸命身をやつして
華は昇りたいのか
姉と呼ばれる人たちの風船が
大気圏の向こうに焦がれる頃
妹と呼ばれる人たちの噴水が
地殻の感触を求める
....
どこから
ともなく
流れてくる
なつかしい調べ
さえずる小鳥も
枝の上で目を閉じ
一匹のシマリスは
頬を膨らまして
....
死ぬのが怖いなんて錯覚だ
誰かに死なれることの方が
よっぽど怖いじゃない
ブランコに腰をおろした
背もたれのない背によりかかり
ブランコはあたしごとひっくり返る
....
闇のなかを 群れがすぎる
音は光り 見えなくなる
低い午後に
指ひとつ残る
二色の霧
陽の渦の橋
冷えた片目
手のひらに隠す
白い花の背
浴びては ....
わたし
これから布団にくるまりますから
そのあと縛ってもらえますか
バスに乗って既に三十分
バスはいよいよ山岳地帯に入り
蛇行する未舗装の道を
弾みながら進んでいた
バスには僕とあの娘だ ....
仄ぐらい
図書館の書庫で
あまた題名たち灯りなさい
抜け出して来たりしなくていいから
背表紙に身をあずけたまま
そこで瞬きなさい
かつて星々を
幾つもの星座につないだように
ひ ....
傾いた傘はあんまりにも遠くて、わたしは濡れていた。ふたりとも濡れていた、の。つまり傘なんて役たたずで、わたしはあんまりにもしあわせで、しあわせな濡れかた。の、降りしきる、雨がさくらを散らすのです。零れ ....
青空が、うかんで消えた吐息の記念に
ぼくは、ヴァーミリオンのツツジを植えた。
妻は、ヴァーミリオンが大好きなおんなだけれど
それを見て黙ってしまった。
妻の魅力的な尻のほんの一部にオム ....
夕暮れ
橙
さびしんぼう
だあれもいない公園で
影踏み
かけっこ
かくれんぼう
風といっしょに遊ぼうよ
いつも泣いてる
あの子とふたり
遊びにおいで
またおいで
....
箱庭の中に
ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり
松の木の葉の先の
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨
小鳥が
木の下で雨やみを ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした
水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
切ない夜を波濤の数だけこえて
やおら滅びゆく貌(かたち)のように虚しく、
何処までも果てのない君とともに
歌うべき僕たちの言葉が見つからない
伏せた漆黒の虚しさは朝日を浴びて
いつしか濡 ....
もうずいぶんとむかし
あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた
きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
090420
じっくりことことと
煮詰めるのですと
テレビの中の先生が
無感動に説明しています
感動するのはアシスタント役の
アナウンサー
お客さんの聴 ....
春の川のほとりには
ようかいももあらい侍が
やさしい男が
ひとり
きせつを憂いていました
そこでは
なにもしらないだけの
赤ちゃんももばかり
むじゃきに
きゅっきゅとながれて
ゆき ....
結局
無いものは流せないのだ
光る丘で寝転ぶような、広がりを
繋ぎ止めておくことは、
思い出に縋るようにして歩き
引き摺るようにして、眠る
東京は優しかったよ、と言ったあの人は ....
柔らかな光の筆先で
なぞられた街並は
おぼつかない輪郭から
あどけなくはみ出す
水彩絵具の色合い
目の前を行き交う人々の
心なしか和らいだ眼差しは
古いアルバムの内側で
セピア ....
わたしとあなたで
せかいを延ばそう
ーーーーーーーーーーーーーーーー(ノバシボウでも構わない)
熱めのおふろ に
つかるとき ちょっと
ドキドキする
そんなかんじ
守ってるいつも ....
そうして
いつのまにか
遊園地に入ってしまった
空は青い
コンクリートは白い
わたしはピンクのワンピースを着て
風船を持ってる
歪んだ観覧車
戻って来ないジェットコースター
馬の首が ....
悲しくないように、パンを食べて
悲しくないように、体をよく洗い
悲しくないように、朝になると起き上がる
焦がしてしまった情熱の抜け殻
いつかを通して言葉が落っこちる
....
庭の片隅に一本
忘れ去られたようなびわの木が
何の感情もなく立っていて
鮮やかなはずの橙色が
あまりにも風景に溶け込みすぎていて
目立つことも主張もすることなく
素っ気無くその実を揺ら ....
部屋の灯りを落として
一番好きな色を
描いてみる
君は似ている
遠くで暮らす
あの娘の色に
パステルカラーの
闇に溶け込む桜色
間違っているのは
....
なけない夜にため息
まだ言えない言葉がある
たくさん笑ったこと
まちあわせた駅前
ごほんの指の温かさ
かえらない想いを温め続ける熱
さよならって言えなくてご ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152