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二週間前と同じように
針金ハンガーが
屋上のフェンスにひっかかってる
そこにあってももう誰も気にしない

隣の棟の四階の事務室で
女性が端末を入力しているのが見える
その下の ....
   {引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
 
 
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた

買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」

ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
冷たさで奥歯のキンとする痛み
あなたのひたいのしわ
氷を吹きだしそうになる
もっといろんなしわを
そばで見ることができたら
あたしはいつもこうして涙目で笑っていられるのに

傾いた陽から ....
これから
あのおも苦しくて
食欲のない時に食べなさいといわれても箸がすすまずに
高い熱があるときに自力で病院まで這って歩くときのように
とんでもない大雨で身動きのとれないひとりの空間
エレベ ....
夢みればいつも
きみは風になっていた

ぼくの右腕をまくらに
くうくう眠っていたきみは
もう、そこに吹くことをやめ
だれも頼りにできない
だれも近づけない青空へ
鎖を断ち切り
安らか ....
あなたが始めたわたしを
あなたが終わらせてくれる。と
どこかわかっているわたしの夜は
静かだ


夏よ、あなたが
夜に満ちているよ
夜にこそ誰にも触れられずに
(ひそ ....
 
 
コップを割ってしまった
深夜ひとりで
お寿司をにぎっていただけなのに
お刺身はさくのものをスーパーで買ってきた
赤くて二割引できれいだった
酢飯は作り方がよくわからないので
知 ....
マニキュアっちゅうもんについて考えてみた

おまえは出かける前の日に丁寧にマニキュアを塗る
そりゃもう手といい足といい、これでもかっちゅうくらい丁寧に塗りたくる
しかもキズがついたやの剥がれた ....
毎日
夕暮れ時になると
必ずスーパーマーケットへ行ってしまう
何か買うべきものがあるように思うのだ
冷蔵庫の中には
肉も野菜もそろっているのに
心の片隅がすうすうして
それを埋めるものを ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
  
水槽を抱えて
列車を待ってる
水槽の中には
やはり駅とホームがあって
幼いわたしがひとり
帽子を被って立っている
ある長い夏の休みの間
ずっと被っていた帽子だった
水の中もやは ....
わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
 
 
よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
ざあ〜けるんじゃねえ
遊ぶんじゃねえ
てめえらは
資本主義のアメリカめかけ日本に
どっぷりつかって
ちっぽけな日本語で観念的に
ただ遊んでいるだけじゃね〜か

結構
どこにゆく術も ....
涼やかな
きみの眸が
語りかける夜
きみの中の空を見ている
刺すような光と
菩薩の優しさと
言葉にできない全てを
涼やかな
きみの眸が
語りかける夜に
それは、背中で引戸をしめて
出て行きました
それを、見送った
濃紫している縁の眼鏡に映る
グラスと氷水を
小刻みにゆらします、と
氷たちの涼しくかろやかな音
生ぬるい空気を透過します
 ....

愛してる
と誰かが呟いたので
ふと思った
愛とは する ものなんだろうか
だとしたら
動詞なんだろうか
いやそれとも形容詞かな

調べてみたけれど
動詞とも
助動詞とも
形 ....
操作されるのは

コントローラーがついているから

敵はどこだ味方はまだかと

そんなこんなしている内に

独りきりになっていた

可愛く写真に写ろうとしても

いつも笑顔には ....
遠く
海はもう
燃やされてしまって


夜半、満水しつつある部屋で
あなたとくりかえしたのは
みにくい突起を擦る、あそび


皮膚をわずかに覆う
半透明のセロファンを ....
なるようにしかならない
というのは
都合のいいもので
ときには放り出された闇へいくためのことば


可愛い名まえをみて
消えてしまいたいと願ってしまう
手をついて
ショーウィンドーを ....

夜の間
やわらかく曲がりくねって
遠いお伽の国へと繋がっていたレールは
朝の光を浴びた時にはもう
冷たく固まって
駅と駅とを繋ぐ
当り前の鉄の路へと戻っている
包装紙から出したての ....
名前は?
いちおうクサノダイゴという記号はある。

住所は?
あの空のむこう。

歳は?
知らない。

仕事は?
ささくれ屋本舗

ん??
心も体もぼろぼろに壊れてゆく職業
 ....
 真実という字全体にニンベンをつけて、
 あまった勢いで。
 どんなスプーンよりも
 甘いささやきよりも、深く、えぐって。
 そのささやかな穴に、
 あたしのまんなかに空いた、へこんだ乳 ....
「見て、B-29よ。」

一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。

終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別 ....

目を開けなくとも蝉が鳴いている
目を開けなくともあなたの部屋にわたしがいる
けれど、目を開けて
眠るこの部屋のあなたを確かめる


蝉が蝉が鳴いている、ああ、夏なのだ
翅の ....
 
 
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど

あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ....
夜の電車の窓の中の無数の顔色から、ぶらり、色がくだり
腸まで青ざめたわたしたちはひとりでに、ぶらり、垂れるけれど
さびしくないよ。
うまれたままのやわらかさを患い続ける腕と胴体の林の中
夏 ....
血が皆既日食のようにやさしく恥じらう今日
思いっきり、おれら
狂ってみようか

そう言えば、狂児という名の詩人がいたよナ
それは、ほとんど、だれにも相手にされない狂気ではあったケレド
奴は ....
佐野権太さんの自由詩おすすめリスト(4554)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
針金ハンガー- たもつ自由詩909-8-11
孕む、風を、未来を- 望月 ゆ ...自由詩24*09-8-11
愛鍵- 小川 葉自由詩709-8-11
はなびたいかいのよる- たりぽん ...自由詩609-8-10
境界- ku-mi自由詩2*09-8-9
1102- 唐草フウ自由詩5*09-8-9
夢みればいつも〜満月とスバルがなかよく散歩する深夜- 草野大悟自由詩8*09-8-8
甲虫の沈黙- A道化自由詩709-8-8
破片- たもつ自由詩909-8-7
ネイルケア事情- 智哉自由詩309-8-6
スーパーへ行く人- 吉田ぐん ...自由詩2409-8-5
かげのけいれい- たりぽん ...自由詩7*09-8-5
夏帽子- たもつ自由詩2009-8-4
わたしが無職だったころ- 吉田ぐん ...自由詩49*09-8-4
よちぼ- 小川 葉自由詩409-8-3
焼き尽くす明日- 草野大悟自由詩309-8-3
涼やかなきみの眸が- 草野大悟自由詩309-8-2
ある夏の背中- こしごえ自由詩5*09-8-1
愛とは- 吉田ぐん ...自由詩1109-7-31
罪な奴ほど可愛いらしかった- こめ自由詩1409-7-31
偏熱_−GREEN_LIGHT−_- ねことら自由詩409-7-30
_- 唐草フウ自由詩9*09-7-28
ドア、閉まります- 吉田ぐん ...自由詩1109-7-28
海辺の風景- 草野大悟自由詩2*09-7-26
リームバ- Ohatu自由詩109-7-26
「B-29は頭上を通り過ぎていきました。」〜祖母の記憶- 夏嶋 真 ...自由詩31*09-7-26
蝉としゃれこうべの朝- A道化自由詩609-7-26
草刈り- 小川 葉自由詩609-7-26
果樹園- A道化自由詩709-7-26
狂気- 草野大悟自由詩2*09-7-22

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