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[202]るるりら[2019 05/18 23:37]
夜ともなく昼ともなく
そこかしこを じっくりとみつめ
ときおり きみのまぶたは さやばねのように
こまかく またたく
あらゆるものに おどろくたびに
黒目がちな瞳の中に うるうると水がたくわえられるものだから
さいわいなことに
きみのふたつのまなこにうつる世界は うるおいを
永遠に そこなわない伝説の泉のようだ
まぶたが だんだんおもくなっても
きみはさらに泣くものだから
そのうちに まぶたのうらがわに星がうまれ
最初は七星だった星は しだいに無数に きらめき
やがて銀河となってながれはじめ
ああ きみは しずかに舟をこぐ
[201]たこ[2019 05/18 22:07]★1
夜のものでも
昼間のものでもなく
天道をめぐる
小さな虫よ
はてしなく、はてなく
上り、昇り
君が銀河をめぐるとき
君のおくり翅が描く軌道は
いつか、もときた
地点に至る
永遠に巡り
繰り返し、たどりつき
君の場所はどこなのか
僕は
空に散らばった
幸せを、拾って集めようと
おもう。
(あめゆじゅとてきてけんじゃ)
あぁ、
きみのさやばねの
水玉模様が
いたるところ
いたるところに。
[200]ハァモニィベル[2019 05/18 04:51]★2
*
《 DEBUGGER 》
赤き太陽虫よ どこ迄も
登れ 黒き斑紋を背負って
蜘蛛や 嘴を 震わし
幸運を這わす 半球体の聖母よ
一際目立つ気高き苦さで
*
[199]たこ[2019 05/18 01:45]★2
てんとうむしよ
君はてんとうむしだから
月のない空を渡るのか
それとも
燃えてしまったのか
水玉模様の羽根にかくした
うすい羽
彗星の尾っぽを
なびかせて
いつかは居なくなって
しまうからね
僕もいなくなって
しまったら
散らばった黒檀を
拾い集め
銀のススキの上を
歩こうか
僕は夜の列車に乗って
君の軌跡を辿ろうと思う
赤く燃える石炭が
ぶつかりあって
小さくはぜる
5月のひかりの
気層の底に
[198]るるりら[2019 05/17 08:00]★1
物体が燃えている感覚が燃えている想いが燃えている行動が燃えて
意志が燃え認識がもえている それぞれの炎がお互いをたぎらせ融合し
散光星雲の光のように燃えている
光の雲の中心にある馬頭の黒い形が わたしの海馬に語りかける
ちいさな二匹の海馬を有する人よ 星にも寿命があるのだよ
首をはげしく横にふり いやいやをしながらも
わたしの指先は燃えている
虹色の明るい影をふりまきながら
わたしのすべてが砂になろうとしている
[197]ハァモニィベル[2019 05/17 02:00]★1
*
細い細い砂山は
伸びでた一頭の獣の首
蹲ることもできず
枯れ果てし{ルビ茅芒=かやすすき}の
散りゆく波打ち際
耳を澄ます月が
寂しさに馴れた門のように
開かずにいた薄眼を
今そっと開く時
にぶく響かせた最後の羽音のように
水煙りのなかへ、突如急激に
傾斜して消えた感情の片影
*
[196]たこ[2019 05/17 00:52]★1
砂をうるおす 一粒の泉は
僕の心の拠り所
うたう心に身をゆだね
リラのサバンナの草の匂い
黄色い砂とわらぼうし
干からびながら
何も残さず
サバンナ心を
手のひらに遺し
僕は砂漠を歩くのか
地平線のはての
地球のうらがわ
飛び立つ虫の
小さな羽音(エフェクト) は
僕の心を震わせる
だから僕は うたおうと思う
小さなうたを 今日も
明日も
[195]るるりら[2019 05/15 17:25]★1
あかいなみだの 天道
ひろげた僕の こころ
あをい空の ミイラ
いかりでびっくり どくろ
黄砂で見えず うたう
まいにち僕は うたう
干からびながら こころ
何にも残こさず うたう
みずみずしい みずを
すがすがしい くもを
おいかけよう ゆめを
てんとうむしよ とべよ
(宮沢賢治の星めぐりの歌のパクリ)
[194]たこ[2019 05/14 01:10]★1
てんとう虫の赤い涙に
僕は心を震わせる
砂ばかりの
毎日だ
忙しかって、干からびて
何にも残っちゃいないんだ
新しく続くこの道
行き先はなにも見えないや
てんとう虫のとまる
あおあおとした葉っぱ
指を伸ばすと
止まってくれた
あぁ、でも
嬉しかったのは
つかの間!
指先を登り尽くしたら
飛んでいってしまったよ。
[193]たこ[2019 04/30 23:18]★1
スイング・フランは魔法の言葉
黄色い帽子をちょこんと被り
てんとう虫を小指に乗せて
いい気分で歩こうか
新しい道を進む時
人の心はいつでもヒヨコ
胸は不安に締め付けられて
反面
期待で膨らんでもいる
スイング・フラン
忙しいもんだ!
[192]るるりら[2018 10/16 15:57]★1
殻を内側からつつくおとにあわせて
親鳥が卵
をつついているよ
親鳥のいうことにゃ
殻を外側からつつけと問われたカラつつくカラね
内側の音と外側の音とが やみくもにたたいていタラね
いつしか ふたつの音がいいかんじにスイングリズム
親鳥が闇しかしらない雛のことばかりおもっていたある日
ほっかりあいた卵の外に出た雛に目もくらむ光の世界
いつしか はじめて歩く人のように
よちよちと黄色の足を踏み出せば
風の音にあわせて 羽根が乾いて
内側の心臓の鼓動と外側の羽根音が
ふたつの音が いい感じスイングしてね
いい感じに羽ばたいていくのは神技だ
ひかりとかげが またたいて喝采だ くわっくわっくわ
[191]たこ[2018 10/04 00:58]★3
殻にこもっていないで
出ておいで
悲しい世界はもう去った
黄色い小さな足で
浜辺を歩こう
さざ波をたてる
風の唄をきけ
生誕の
神話のその先へ
[190]るるりら[2018 10/03 08:32]★2
白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白
白い粉が湿っててさ漂っててさ揺らて照る白
白い巻貝の螺管の陥没はアンモナイトの面白
白い体が全然乾かないんだっていい加減に白
白い謎として掲示された進化は退化か黒か白
白い体のぬじれ異常巻きアンモナイトどう白
白い世界で死んだような臭いがしていたよ白
白い家の夏の浜辺でやけに痛い日焼け跡の白
白い世界で死んだような臭いがしていたよ白
白く狂っているんだよ巻貝は螺旋でないに白
白い手腕はすこし海の匂いをしてまぶしい白
白く自由に動くカーテンの揺らぎの抱擁を白
白い白い、白い世界で、白く白く真っ白い白
白さが全然乾かないんだよチリチリイタイ白
白だわ私。これほど歪むつもりないのにな白
白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白
[189]たこ[2018 10/03 01:21]★2
夏の浜辺で
死んだような臭いがしていたよ
海の匂いだよ
白い家の
カーテンの揺らぎから
漂って
チリチリ
やけに痛くって
油彩の絵の具を
乾くまで
いつまでも、いつまで重ねてさ
全然乾かないんだよ
白い粉が湿っててさ
眩しくって仕方がない。
あゝ
白い、白い世界が、
白い、白い、白い。
白い、白い世界で
白い、白い、白い。
運命の輪が回っていたんだ。
巻貝の螺管が陥没してるのに
狂っているんだ。
おかまいなしに回っている
[188]るるりら[2018 09/22 10:23]★1
遠い記憶の中の
二階への階段を登ると
行く手に 二つの部屋がある
片方の部屋からは えもいわれぬ臭気が漂っている
ふすまをあけると 大きな白いキャンバス
画板にいっぱいに広がる白い粉の平原だ
もう何日も透明な顔料画板塗り重ねられている
角度によって微細の粒子が それぞれ乱反射して
薄暗い部屋の片隅で 深い眠りのように白いのは
白い粉が 貝殻を原料とした顔料だからかもしれない
乾くまでは いつまでもいつまでも死んだ海の匂いがする
死んだ海の匂いの隣は、少女の部屋
カーテンを すこしあけると
あっという間に ひかりがさしこんで
少女の部屋は
なんだか きやきやする...
[187]たこ[2018 09/20 21:23]★1
乳白色の優しさの
内側に満たされた
喜びが
きやきやしている。
びろうどのように
繊細な光沢をはなつ
澱粉を苗床にして
明日、
雨が上がったら
きっと芽を出すのだろう。
朝ぼらけ。青い
玉手箱(エクラン)が
ふくらむ夢に満ちている
それは、
きっとシェイクスピアの
ナッツシェル。
儚く永遠の宇宙を宿す
黒く硬い種
芽生えて出会う
空を夢見つつ
もう、
遠い記憶で
つながりながら。
[186]るるりら[2018 09/14 10:11]
白い朝
ステンレスにこぼれた
黴の匂いのする土から
ほどけるように根が現れた
生き方を露わにするかのような白く太い根 イイね
ふるえた私の指と心が共感してる 蒼い現象です
はじきを手にする人のように孕み膨らむ欲動を
ひとつぶのアボガドの種が湛ています
極彩色の異国で培われた花々の波乱に満ちた強欲を
薄曇りする空を見上げたことのない種が 湛ています
生々しく横たわる根を そっと救い上げ
珈琲の空き瓶に水を張り 慎重に置くと
無心に身を任せること能わずに
先細りする白い触手を
下へ下へ
ふるえるように白い根を
伸ばし、伸ばし、
伸ばしてゆく幾日もいくのです
...
[185]たこ[2018 09/06 01:54]
虹のかかる
白い朝に
湿った古い庭の
ひな壇に植えられた花々は
喪に服される人の祭壇を飾るように見えて
凛と雨露をしたたらせ
薄曇りする空を見上げ
やわらかな花弁を広げ
しずしずと
しずしずと
足元の黴の匂いのする土に
ふるえるように白い根を
先細りする白い触手を
下へ下へ
絶え間なく、絶え間なく
伸ばし、伸ばし、伸ばしてゆく
ちろちろとのぞく
赤いめしべよ
ざらざらとした風に身を委ね
君はじきに孕み膨らみ
ぽとりと下に落ちるのだ
ぱっくりと口をあけて
渾身の力で大気をうけとめ
上にも下にも目一杯に伸び
枯れはじめた草木に
色を添え
孕む命と
空気の重みに耐えきれず
やがて朽ちてしぼんでゆく
僕は時に悲しくなるのだ
鎖に繋がれているということが。
君は根をはり大地を仰ぎ
また地上にあらわれる
わたくしという
鬼火のような蒼き現象は
無心に身を任せること能わずに
だだ怯えている
怯えている。
[184]るるりら[2018 07/20 02:26]★2
いままさに午前が虹になろうとしている
切望するクロッサンドラの花がまっすぐに見上げた満天の空は
カッサンドラの群青の空と繋がっている
生きていますよ
わたしがだれかとお尋ねですか?
ただの草花ですよ
ただいま地下へと根を
より深くより広くと伸ばしているところですよ
大地を
ゆっくりと私の根で動かしているところです
ふかい場所から ゆっくりと
水を吸い上げているのです
コンクリートに覆われた道であっても
わたしたち植物の唯識を探る力をもって進めば
水を掘り当てることができるのです
スコップではだめですね
大地を かっさろうとするのではなく
地球の裏側で咲く花を想像してみてください
全身で大地にくちずけしている花々が
アスファルト舗装をゆるやかに崩壊させていますわ
[183]たこ[2018 07/13 12:08]★2
絶望するカッサンドラの群青の空に
なりっぱなしのカーラジオが
火炎放射器のように喚き立てる午後2時半、
スクランブル交差点のインターセクションで、
僕は乱立するビル群の垂直線と送電線に切り刻まれた空を仰いで叫んでみる
生きていますか?
どこにいますか?
あなたは誰ですか?
地団駄を踏んでも動かない大地。
水は一体どこにあるのか?
コンクリートに覆われた道を
スコップで一生懸命掘ってみたところで湧き出る水はない。
カッサンドラの空を切り取る巨体なLEDのスクリーンから、壊れたように流れる泥水と土砂で潰された家々。
もう、いっぱいだ。石と砂を飲み食わされて、もう、いっぱいだ。
ばかやろう。世界は君に何をした?
僕らは世界に何をした?
隊列を組んだ入道雲の大群が、黙々と空と大地を圧迫し僕らを押しつぶす。
絶望的な群青色の空で蝉がわめきたてる季節がやってくる。
世界は君に何をしたのか?
僕らは世界に何をしたのか。
[182]空丸[2018 07/08 16:07]★3
noiseの嵐 雑音が吹き荒れる
ハエとハトと山が燃えながら
たくましく
交差点を巻き上げる
そうさ
夏は暑いさ
クローンは生きてるのか
動いているのか
さわがしいね
ああ 騒がしいね
あれはドローンだよ
おなかいっぱいだ
雑音でおなかいっぱいだ
そうさ
夏は暑いさ
もうすぐ蝉が大群で押し寄せる
それまで たくましく
[181]たこ[2018 06/16 14:19]★2
けろけろ。
さわがしいね
ああ 騒がしいね
山が焼けてるね
ああ 山がやけてるね
ハエが飛んでるね
あれはドローンだよ
コウモリじゃないのかい?
いや あれは生きていないんだよ
生きてないなら
切なくないね
ああ 腹がないから
腹もへらない
腹をとったら死ぬだろうね
死ぬだろうさ
山に入っても死ぬだろうね
死ぬのはやだな
ああ 死にたかないね
熱いね
ああ 熱いね
[180]るるりら[2018 06/08 08:05]★2
黒髪さん おはよーございます。
ご参加とても嬉しいです。皆で声を合わせましょう。
今朝方 うちの近所で火事がありました。
なので、わたしは今朝の体験を詩に足してみました。
*************************
突然 消防車のサイレンです
山火事です
何台もが赤いランプを回しながら
山道入り口にある私の家の前にとまりました
深夜に急に起こされて
しんじられないと つぶやいた途端に
シンギュラリティと 変換されて
特異点を超えたものと交信がはじまりました
死ぬということにはならないよね
火事っていうけど 大丈夫か
不安は ちょ...
[179]黒髪[2018 06/06 16:47]★2
初参加かもしれません、よろしくお願いします。
****************************
海は待つ
地球の死までをも待つ
マグマが雨をはじいて
開いた海の傷口を
塞ごうとしている
死ぬということをしないなら言葉は
ちょっと粋な霊なんです
霊が目や耳を
あれはいたずらをしているんです
心はマグマなんです
海はその不完全さのため
猛威を振るう時があります
整えることはできなくとも
心を分割してそれぞれの想像に使っても
マグマが冷えて固まるように
人は我に返る
そのとき一人一人が持つ
考えと感情と計算と希望と
何があれば愛と言えるのでしょう
楽しい宴はいつまで続けても怒られません
時という侍従はしっかりものです
それぞれが歌いたい歌を見つけるまで
辛抱強く待っています
マグマと海の歌
完成するでしょう
皆で声を合わせましょう
[177]るるりら[2018 06/05 11:28]★1
鋼鉄に成ろうとしている胎児が
自らの形が さだまらぬままに
ときに人魚のように なまめかしくも
なめらかに溶けつつ 真っ赤に燃えているが
ガス抜きを知らない
マグマだったら いつだって君みたいに怒りに燃えているさ
活火山がある村の川に
炭酸水が湧いていて
笑える
空できいていると
焼けつく鉄の上に うちつける雨音のようだ
光が水の中で泡となるのが垣間見れて
ちょっと いいたくなる
あいしてるよ
[176]ハァモニィベル[2018 05/30 12:27]★2
>>167より
*
鋼鉄の胎児が
溺れている
笑えない世界のような
隔たりの向こうに
垣間見える
光と雲と
雨は,
空耳の混沌に
撃ちつける
愛の告白
重い身体は
なま温かく
まるで
人のよう
ただ
叫べないだけ
かつての
人魚のように
*
[175]ハァモニィベル[2018 05/28 21:15]★1
*
まだすこし目を閉じているカタツムリ
したたる轟音の下で謡ってる
かすかに眠り続ける
曲線のはて
なにげなく
半ば目覚めて
わずかに
震えながら
瞼の視界に 開いた花の
全宇宙の全身を
たったいま に
おごそかに に
据えて
*
[174]るるりら[2018 05/28 08:20]★2
ベルさん おはようございます。日本人が古来 もっていた美を感じさせていただきました。
詩を変えるのは、美しいケーキを食べるときみたいです。もったいないなという感じです。
でも かえてしまいます。
すてきな詩をありがとうございました。
*********************
かたつむりは三年ほど眠り続けることができるそうな
石の上に座る人として三年のはてに 半ば目覚めて
かたほうは まだ目を閉じている
かたつむりの瞼が すこし開いた視界では
すべての自然物がもつ曲線のために
苔が雫を宿して かすかに震え
おごそかに謡っている
なにげなく碧き苔として謡う花々の
ひっそりと したたる わずかな
命
水が集まり滝音になるかのように 多くの命の声
歓喜の轟音が 全身を巡る
坂本乙女のような みまもりの役を 果たしてくれた誰かの隣で
たったいま
竜馬のように たちあがれ
[173]ハァモニィベル[2018 05/24 20:22]★2
*
花でもない なんでもない 碧き苔
土に落ち
ひっそりと咲く
世に咲く何ものであっても
わずかに命をたたえ
一瞬の音が残される
今朝は雨だった
乙女のような爪の軒先に
蜜の曲線が
降る
大和絵の糸を しっとり垂らして
しならせて
ソノ役を 果たそうとして
降る
落ちた今生に
未だ眠り半ばのまま
心のまま
宿した意識の視界から 外れて
外れて じっと 隠されて
秘密の
花芯の音だけが
ここではない場所にだけ
半ば目覚めて
そっと 残されて
降る
[172]たこ[2018 05/24 19:09]★2
るるさん
やほー。今日は晴れました。
ツツジをそんな風に見たことがありませんでした。言葉の端々が素敵でちょっと感動しました。
心を寂しく尖らせる、とかエモい。
??????
あまつゆの音が聞こえてくる
そうか、今日は
雨だった。
軒先に咲くツツジ
落ちた花が
土に落ち
しっとりと碧い
苔を飾る
その大和絵の
視界から外れて
花の芯(めしべ)が
残されていた
鉤爪の曲線に
あまつゆをたたえ
わずかに身をしならせて。
花でもなく、蜜でもなく
ひっそりと
隠されていた秘密
乙女ような心のままに
なにものでも、なんでもない
あの世に咲く
命の糸を
その鉤爪でひっかけて
今生に渡し
土に宿す
あなた。
半ば眠り半ば目覚めた
意識の中で
役目を果たし
ここでもなく
どこでもなく
残されて
いる。
[171]るるりら[2018 05/23 10:56]★2
たこさん、やほー。
こちらは 今現在 あめがふってますよー
*************
まるで レストランのパラソルが風であおられたみたいに
ツツジの花びらが一斉に 空に浮かび上がると
のこされたのは雌蕊です 少女のままのこころです
はなびらを失った代わりに 天女の羽衣を纏う日を
夢見ているのですから 少女でありましょう
あまあと が します
フックのような おとめこごろ
あめで ぬれているのか
なみだ で ぬれているのか
雨の中の つつじの花芯は
寂しく尖り せいいっぱいに 上をみあげています
青年が あまおとのむこうから歩いてくるのを みつめていま...
[170]たこ[2018 05/22 20:10]★2
たこすけさん、べるさん
もう梅雨ですねぇ汗 グローブが臭くなりそうです。
なんていうか、使われてる語彙を眺めてたら、もう大正ロマンしかイメージしかできなくなりました。こんな返しはいかが?
???????-
柔肌の処女の
赤い唇
が
意味慎重な
言葉を
紡
ぐ
美しい言葉に
惑わされる
ことなかれ
ご都合主義の
文学
青年
搾り出される
情熱の咆哮
その気持ちは
よくわかる
さア、
ようこそ幽霊塔
螺旋階段のぼりつめ
お母様を探しましょう
心臓部の歯車を
片目レンズで
奥まで覗き
真実のダイヤルを
キリキリと回...
[169]ハァモニィベル[2018 05/19 02:54]★2
*
唇が羽ばたいて美しい言葉を吐くとき
肺が搾る情熱の{ルビ泡=あぶく}は音を鳴らす
心臓の歯車が描きなぐる視界のそのずっと奥まで
背中を押し続ける真実が、今キリキリと君に発火する
目を開ければ、浮上するきみとぼくだけの風に
足下に沈んでゆく硬くなった生命の声が
喉を詰まらせた咆哮を遠く微かに震わせる
目蓋の裏で溺れ続ける幾つもの
血塗れな機械仕掛けの存在の声すら
片手に勁く握られた炎の重みに加わってゆく
血を流しても
肉を甦らせることがない永遠の街が
掌を返した冷たい底に
後頭部ばかりを撒き散らしている。
*
[167]るるりら[2018 05/18 12:37]★2
胎児の世界のような光との隔たり
なまあたたかな童化の中
そらみみのように遠くに聞こえる成功者の声は
まるで天界の人のよう
蜘蛛の糸のカンダタを笑えない
鋼鉄のように重い身体は警鐘か
昇れ
混沌に溺れている場合じゃない
あぶくよ もっと 告白しろ
雲間の繊維から垣間見える
碧さへの羨望を叫べ
ただ逢いたいだけ
空に出たいだけ
[166]渚鳥[2018 05/16 13:59]★1
静寂からそっと孤独の色を抜き取って
右耳の空洞は潜水音で充たされた
昇るあぶくの告白を遮るように
光の繊維を碧い行間で刻みながら
下層の在処を暴いていって
日溜まりへ降り立つ
いつか深い眠りから花咲いて教えてくれる
隔たりが鋼鉄より重く降ろうとも
光との再会を止めることはできないと
[165]ハァモニィベル[2018 05/10 00:54]★2
+
空洞に積もった
静寂のまぶたが静かに
数え切れない 時間の糸で
綴じられてゆくことがある
なのに,
悪戯な足跡を セピア色の行間に遺して
五百光年の距離だけは置き去りにして
そっと 見開らかれた瞳のように
孤独な宇宙の影のなか
碧く咲いているきみ
が在る
+
[164]渚鳥[2018 05/10 00:21]★3
行間のしろいまぶたが
きんいろに開かれてゆくことがある、としたら
白百合を青い糸で綴じたのは余計な悪戯だったでしょう
木の陰に残された小人の足跡
そこにも宇宙にも
数え切れないほどの静寂
時間の空洞に置いてきぼり
久方ぶりの孤独の中で
500光年の青い距離
私の腕にも
ふるふると積もる木漏れ日
[162]ハァモニィベル[2018 05/03 23:31]★2
こもれびの森を
春の終わりに、遠くへ向かう
あの光の向こうはね
壮麗な空洞なんだろう
きっと諸々の、器を
ひだまりに流して
清らかな金色で輝いている
ねぇ、あの光を、飛び石のようにして
宇宙程の巨体を飛び越えて行けないかな
どこまでも列をなして渡って行けないかな
何から何まで。
放たれて
闇に明け渡された
欠片だけが 埋め尽くす
がらんとした印象の〈海〉
光が透明に当たらない底で、
もう死んでしまったように動かない
それでも
時間結晶のように揺れたまま
そこだけが、
キラキラと、世を照らしている
[161]たこ[2018 05/02 23:46]★2
春の終わりにね
あの空洞は何だろう
がらんとして
そこだけ日があたっている
ひだまりだ
こもれびの下で
豹斑のように揺れている
あの光の向こうはね
きっと極楽浄土だろう
光のかけらを飛び石のように
飛び越えて
仏様が森を渡ってゆく
もう死んでしまっているからね
肉の器を明け渡し
透明でキラキラと
宇宙が
輝いている
壮麗な列をなし
巨体は金色を放ち
ほら
清浄なる光を
遠くへ向かう清らな水に流して
諸々の闇を破しつつ
あまねく世を照らしている
[160]ハァモニィベル[2018 05/01 23:34]★2
+
如来が三度目の顔を上げた
菩薩たちはハッと我に返る
如来というのは結構沢山いる
それぞれが、皆、
自分の宇宙を持っている
顔をお上げになったのは
どうやら、大日如来さまだ
憤怒の形相は最早 不動明と化している
のっしのっし のっしのっし
のっしのっし のっしのっし・・・
のっしのっし のっしのっし
のっしのっし のっしのっし・・・
どぼん!
自宅の浴槽にはカピバラがいた
頭に手ぬぐいを載せている
アンカレッジ経由でやって来て
早速、風呂に入ったらしい
慈しみに燃費がかからない
その巨体で
すいすいと泳いでいく
自宅の浴...
[159]るるりら[2018 05/01 01:51]★1
so you will , なんくるないさー
仏は すべてを救うと約束しておられるそうな
円(まどか)ちゃんは ずっと円という名前だけど
ユーロ兄弟は 仲間割れ
たいていの飛行機がアンカレッジ経由だったころには
とうてい想像することもなかったけれど
飛行機の燃費もよくなって世界が狭くなってみたら
近い関係だったユーロ兄弟の中には別の道を歩みはじめる子もいるみたいね
すべての事柄は生きている
カピバラによくにたヌートリアが
円(まどか)ちゃんの家の近くの川で泳いでいたりするなんて
すこしまえなら とうてい想像することもできなかったけれど
いまでは のっしのっしと巨体で歩き すいすい泳いでいる
すべての生き物は変化している
so you will , なんくるないさー
不浄の泥の中から咲く花は ホワイトロータス白蓮華
泥の中でまっすぐに茎をのばし
深き慈しみがロータリーを描きながら
曼荼羅の花となる
[158]ハァモニィベル[2018 04/30 02:20]
不愉快が
不快にすり替わる 愉快 <
もしくは
SO-YOU 語感が流れゆく
浅いせせらぎへの
深き
憐憫 >
な
ん
げ
な
ん
に
ゅ
う
とはまさに(ね)
[157]間村長[2018 04/29 20:07]★1
マルクスは大英帝国の図書館で
「資本論」を書く
ジョンロックは三権分立を
どういう風に考えて居たか
身体が病んで行く
ミヒャエルエンドレスはピアノ伴奏で
糊口をしのぐ
自自公連立は
桃のやり取りで成立した
たとえ時の花が枯れても
時日が長く経過して
西瓜割り大会で一回だけ
優勝した私
二十億光年の孤独も
今では腹切り問答にすり替わって
ラリリ、キリリ、ハララして居るよ
僕の魂が吸い取られて
清兵衛とヒョウタンみたいに
外で取引されて居たので
そこはきっと日曜朝市が
地下鉄通過通路で行われている
喫茶店で爺さんバアさん
妊活...
[156]たこ[2018 04/27 23:31]★2
たこです。
うわぁ。なんか、練習と思えないすごいのが続いてる汗
たこすけさんに続けます。色々と凝縮されていて全然カバーはとっても無理?!だったので印象に残った部分から膨らましました。
へなちょこぱんちをうけてみよ!
マルクスは言ったんだぜ
労働は搾取だって
ロックは書いたんだぜ
持たざるものの唯一の所有するものは
身体だって
ミヒャル・エンデの物語
灰色になってしまった
シジを見て
モモほ、叫んだ
時の花を渡してはならぬと
あれから随分月日が経った
オートチャージしたスイカを
ピッとならすよ
ウルルとハララが
キリキリしてる
...
[154]ハァモニィベル[2018 04/25 16:51]★3
+
答えてよ新宿
馬鹿馬鹿しいくらいに
線路が無数に重なって
枝毛だらけの細胞分裂
ヌケガラの街を
駆け巡り 人は どうやって
行きたい場所に辿り着く
万全に遮断した
透明な距離の街をゆく流れゆく流れゆく
生き物のシャボン玉
駆け抜ける新宿は
スピーカーが話しかけてくる
+
[153]るるりら[2018 04/25 13:13]★1
グレーチングに足をとられて
突然 目の前の女性が転んだ
最強の赤いピンヒールは 雪の中では
通用しない
美しさが万全なら
どんなことも快調な街が
ひっくりかえった
蛭みたいに艶やかな唇が
泥雪の上に重なっている
つかまりますか?止まり木になりましょうか?
声をかけようとしたら こちらも すってんころり
馬鹿馬鹿しいくらいに 顔が地面に近い
さあ踊れイグアナ
人生まずは、立ち上がれ
私の中で丸の内線が球状になり
無数の線路が透明な球の中を駆け巡る
新宿の本社に行かねばならない
さて、どうやって
街の人はヌケガラ
光輝く交通手段が遮断した
ねえ私の中の中野 答えてよ
新宿へ行きたいのよ
すこしの距離だというのは本当なのでしょうね
私の中の中野 私の中の東中野 私の中の中の中の
[152]たこ[2018 04/23 15:20]★2
〉151
得体の知れない彼女な素敵ですね。
彼女の視点にかえつつ、その後の展開を盛り込むつもりで作ってみました。
読んでいたら、なぜか椎名林檎の閃光少女の冒頭が浮かんだので、冒頭に使用してます。
“今日いまが万全なら
みんな全部快調よ
明日には
何にも残ってないの”
枝毛だらけの私の髪は
私のヌケガラ
細胞分裂繰り返し
もう何んにも残ってないわ
街のみんなは宇宙人
あなたはしれっと火星人
私は爬虫類顔の水星人
彼の頭をかち割っちゃった
イクジナシノ イセイジン
オマエナンカダイキライ
史上最強の赤いハイヒール。
踊れイグア...
[150]ハァモニィベル[2018 04/20 20:33]★2
+
プラナリアにとてもよく似たあなたも普段はありふれた両生類として
揺らめいている。〔時折〕爬虫類の要素を尖らせて、眠るのを怖がり、
泣いていた〔けれど〕頭の中では真っ先に哺乳類の細胞を一つだけと
りだして、 目を開けようとして、遠く宙に浮いてしまう鳥類である。
魚の胎児は〔呼吸の渦に潜り〕
覗いてみると、そういえば
1ステラジアンの立体角内に放出する光束の影で
〔未来の〕痕跡を
ほんのすこしだけ〔そこに灯している〕
+
#胎児呼吸は母体とのガス交換で、むろん肺呼吸ではありません。念のため。
[149]るるりら[2018 04/20 08:06]★1
≫141も 入れてみました。
ぼくらは
箱舟なの?わたしも?
尖らせた頭の下で 目を開けようとして
真っ先に飛び込んでいたのは
大量のルクスだったかも
宙に浮かせられて
はじめて泣いた日
胎児は新生児は そういえば箱舟だった
わたしも あなたも 箱舟だったの?
箱舟の細胞を一つだけとりだして覗いてみると
プラナリアととてもよく似た
眠るのを怖がる魚の遠い痕跡
視点をほんのすこしはなしてみると
両生類爬虫類鳥類哺乳類の要素が
プレパラートの上に
一緒に
滑っています
揺らめく光に寄せるように
箱舟のいとなみが
いくつもいくつも
光ります
[148]ハァモニィベル[2018 04/18 19:18]★2
昔の話を まだ 知ってるのかい?
祖母から聞かされた
アノ荒廃した土地の話を
優しそうな目をした ルシアの金色の羽の中に
沢山の命を包んでね そうさ
太陽はもともと唄だったんだ
ルシアは言ったそうだ
ノアの卵はね、
アノ中で眠っていたと、
君も僕も箱舟なんだと、
歩いて旅している僕は
それを何度聞かされても
言いたいことばかりだった
だから、せめて伝えたい事だけ
何度も何度も、何度も
ひまわり畑の僕たちの場所で語り合った
茂みの奥の
迷い進んだその奥の
小さなトンネルの入り口のアノなかさ
泉が沸くそのなかに潜って
そして‥‥
沢山のことを語りあい‥‥
沢山の卵を孵えした
林檎をかじったアダムの唇を
イブの唇はいつも綺麗に舐めてくれた
2度と返ってこない
アノ日の汗と、
僕たちの混ざり合った心は
やはり
太陽の真下の
アダムとイブだった
[147]たこ[2018 04/18 17:27]★2
ダルシアの唄
???????????
ブァンダル地方を旅していた時の事だ。土の露出した荒廃した土地を歩いているおり、1人の老婆に出会った。優しそうな目をしたその人は、母から聞いた昔の話を唄に乗せて語ってくれた。その内容はこのようなものだった。
???????????-
知っているかい?
太陽はもともとひよこだったんだ
黄色い羽の中に
沢山の命を包んでね
卵に乗ってアンドロメダを
渡ってきたのさ
君のお母さんも
僕のお父さんも
あの中で眠っていた
卵はね、ノアの箱船なんだ。
ダルシアは言った
そのあと私の赤毛をかき分けて
耳元でいつもの...
[146]ハァモニィベル[2018 04/16 21:48]★3
+
アンとダルシアは、ある日
広い向日葵畑の一角で、よちよち歩いているヒヨコと出逢った。
アンが目にしたものは、まさしく黄色だった。
何本もの太い茎のなかへ迷い込んでは、また道に出てくる
心配したダルシアが後を追ったときには、一足遅く
もうその黄色は緑のなかに見えなくなっていた。
アンとダルシアは、緑をかきわけてその黄色を探した。
やがて、そこは池なのか沼なのか、
水面に小さな黄色がぽつんと浮かんでいるのをみつけた。
ピィーヨ、ピィーピィー 俺は。腹を抱えて笑われた。
そうかい、イルカみたいかい?
背広から背ビレを出した大人びたイルカの泣き真似をする。ピィー...
[144]たこ[2018 04/16 09:56]★2
ある日、母が
おもむろに
俺のそばに座って
言った
おじいちゃんは
ロハですだって
斜向かいのサッちゃんが
言ってたの
ねえ、ロハってなんのこと?
ロハっていうのは
火星のクレーターだよ
いや、アンダルシアの町だっけ
グリーン車のね、
かっこいい
言い方を教えてあげよう
それは
「ロハだよ」
さらに困惑した母の顔は
歪み始めている
そうだよ
僕は、水槽の中のエイリアン
地球語で話してみたって
見えないガラスの戸板が
僕とあなたを隔ててる
サッちゃんとあなたを隔てたように。
生温い水槽の中で
僕はアンダルシアのひよこに
想いをはせる
羽や頭をまるめ
黄色い羽が
カサブランカの赤い花に
見え隠れしていた。
[143]たこ[2018 04/16 09:10]
るりるらさん
ルールがよくわかっておらず、申し訳ありません。
よく見ずに、スクロールして一番下の作品を最新のものと勘違いしておりました汗
流れが変わってしまいますし、昨晩のものは取り消させていただきます。ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
[142]るるりら[2018 04/16 07:59]★1
たこさん このスレッドへの参加ありがとうございます。このスレは、
書き換えられた作品を、さらに書き換え、またそれを書き換え、と延々と繰り返していくスレッドです。前回の詩を踏まえておられないのですが、前回の私の詩が 書きにくい作品であったので、次の方はさぞ おこまりだろうと思っておりましたので、ご投稿がとても嬉しく思います。
ですが、このスレは 書き換えスレッドなので、せっかくの作品を 書き換えることになりますが、よろしいでしょうか?
もし、勘違いで投稿しておられるなら 申し訳がないことになりますので
お伺いしています。
[141]たこ[2018 04/16 01:15]★2
あなたの言葉を
プレパラートにのせて
ほんのひと雫の水をたらし
顕微鏡で覗いてみると
黒枠の
光のスペクトルの中に
やまなしが
浮かび
風に揺らめく
カーテンが
琥珀の日の光を浴びる
ひとつの
川になりました
眠らない魚を
はなしてみると
水面にするりと
滑り込み
背の鋼色をきらめかせ
すいすいと
アメンボやくらむぼんと
一緒に
滑ってゆきます
西日が差すと
川底で揺らめく
光の網は そのつど
その輝きを増し
流れるあわ粒や芥が
濃い影を落とします
その営みは
いつまでも続くようでいて
実は束の間の出来事でした
揺らめく光に寄せるように
砂のかけらが
いくつもいくつも
キラリキラリと光ります。
でも
手に取ろうとしてみると
ぱりんと 砕けてしまうのです
記憶は消えてゆきました
夏の終わりのことでした
[140]るるりら[2018 04/02 10:33]★2
おじいちゃんは いつも
ゼロ円のことを「ロハ」と言う
お友達のお母さんが ボランティアしてるっていうから
かっこいい 言い方を教えてあげようと「ロハだね」と言ってみた
おばちゃんには なんのことだか さっぱりという顔で
「ゼロ円って ロハって書くんでしょ」 って私がいうと
おばちゃんは、さらに不思議そうな顔になっただけ
「只」は、かわいい形をしている
なんだか雨の日の ひよこみたい
羽や頭をまるめて 私を見てる
すこし自慢したかったりしても
自慢なんかできない ひよこが
ただ 雨の中を あるいてる
[139]ハァモニィベル[2018 03/28 21:59]★2
すべての眼が醒めると
雨鳥の、
おなかを空かせた
雑踏の
只中に居る。
[138]るるりら[2018 03/28 18:21]★1
目が覚めると
すべての家々が卵型になっていた
どいつもこいつも 四角い家は 一軒もない
もうすぐ羽化の季節だからしょうがない
卵が割れたら
みんなお空に飛んでいく
家には羽根が生えて
みんな お空を飛んで行く
顔のない卵型のおうちが
羽化さえしたら顔も現れる
クッククック と お話もする
[137]渚鳥[2018 03/15 22:08]★1
ラボで生まれた私たち
雛(ひな)は駆けっこ転けっ子(かけっここけっこ)を覚え
もうすぐ新しい鳥と結婚
私はたくさん産んだので博士と一緒に慰労リョコウへ行きます、ケッコーなことで
「実はなあのこたちはサンプルなのじゃ」
ひょええなんてこと
お腹を痛めて生まれた顔のない卵たち
今更ながら母心が乱れております
旅支度、
般若のマスクを外しておりましたら
ママ焼き鳥にされないでね、とわが娘たち
おまえたち
ふっくらやわらかく育ったおまえたちの卵こそ
どんな料理にされてしまうのやら
クッククックと母は小さく啼きます
[135]るるりら[2018 02/22 03:25]★1
おんどりぁ すんどりぁ
雄鶏を失った たったひとりの哀れな雌が
雛が成鳥になったことを 泣いている
かわいかったあの雛が 別の雄鶏を知ったと 泣いている
おろかしいこと おろおろ コケコッコー
目は三角につりあがり頬はこけ
どこにおんのか わたしのいとしご
どこにいらっしゃる わたしの父
かわいかったあの雛は
いまは たまごを抱いてあたため
ほら いままさに やさしい朝日に あらたな命
うまれたての雛は たよりなくふらつきながら
まだかわかぬ翼を すこし拡げ
親鳥は
ケッコーケッコーと笑ってる
[132]水菜[2016 10/29 10:46]
天井の高い屋根の向こうで
風が斜めに吹き抜けるとき
遠くを仰いでいた鳥が
こちら側に吹き抜けてくる
ざわめきの向こうで
水中の静寂
鳴り止まない耳奥の振動が
ざわめくように鳴り続ける
大きく腕を鳥の羽のように広げて
私は浮き上がりながら息継ぎをする
うねりながらリズミカルにキックをして
まるで泳ぐように空中を這う
薄い酸素の先に 鳥が震えている
天上の高い屋根の向こうで
鳥が 泳いでいる
鳥も人も 時間すら平行に
遠くを 仰いでいる
あれは鳥で私は
追いかけてくる鳥から追いつかれまいと酸素の薄い宇宙に踏み込む
私はまるで空中を自由に滑空しているかのようだ
顔にあたる水圧が 吹きすさぶ鳥の風圧のように感じられる
一気にターンをして
いつの間にか耳鳴りはなりを潜めて
私は、たった一羽の鳥になる
[131]るるりら[2016 03/08 11:18]
水平を あるくように ばた足をはこび
すぃと すすむ
水に浮いて 前へと進む
追われる他者が 隣のレーンで追う他者になる
影とは 一メールほどの水深で 揺れている
天上の高い屋根の向こうで
鳥が 泳いでいる
鳥も人も 時間すら平行に
遠くを 仰いでいる
[129]高橋良幸[2015 11/29 12:05]
跟けられている
たしかに擦れてリズムを刻んでいる
こうして気づくことは音速と
歩くスピードの関係で起こる現象だ
俺は尾行者にレクチャーしてもいい
気づいているというサインを音速に乗せてもいい
歩みのスピードを0にする
音速のコントロールは気にする必要がない
跟けられていた
ただし俺自身が背負ったカバンに
こうして気づくことは自意識と
自意識過剰の関係で起こる現象だ
俺は尾行者にレクチャーされる
「お前は立ち止まってしまった、そして考え込んでしまった、」
気づいている。しかしまだ音速にならない
ただ聞いている、ふりしきる紅葉が擦れて
冬を尾行していくリズム
今、歩き出すしかない音
[125]中川達矢[2011 09/05 11:34]
道しるべにならない道端の
おわりなきおわり
でも
癒されなければ黙ってる
のなかで
ふつふつと沸く約束
つまらない決め事をやぶって
枠を踏んでいく
数多の秋
[123]村上 和[2011 09/03 01:02]
夏が窓の外で
「さようなら」をつぶやいている
ベランダできらきらひかる
置き去りにしたままの思い出たちが
揺れるカーテンの隙間からちらりとのぞく
伝えたかったことと
伝えなかったことが
永遠のサヨナラになって
何も言わずに
思いやりとずるさの間を通り過ぎてゆく
「さようなら。」
サヨナラの夏
[119]ツ[2011 08/26 20:29]
踏み外されて、
遠ざかる、
影を、
夏の分散する、
段を、揺れた影を
ひとつ飛ばしに、
また踏み外し、
駆け登っては、
遠ざかる、、
[117]yuko[2011 08/26 15:10]
段と、
段を、
踏み外したさきは
ひかり、
ではない
影もない、
分散する質量
遠心されて
[113]因幡菫子[08/16 07:02]
鬼火の謝罪が
星のようにうるさい
今夜、
子らは
受容と許容を
履き違えて
なにが罪だったのか
わからなくなる
血液の小川で
血を洗い流すように
つながされた手
かわらないはじまり
を
ありがとう、
贖罪はこれから
[112]中川達矢[2011 08/15 20:59]
へそをつなぐ
ガイアとコスモスの
軌道の中に入っていた
惑星の一人称
わい
不器用で謝罪
そして断罪
受容が
つつみこむ
[109]中川達矢[2011 08/12 22:07]
あっち
うばすてやま
ふうかをまって
うまるんだろう
にちじょう
くりかえし
あきる
だから
変わるに決まってるでしょ
[106]因幡菫子[08/10 06:48]
海へ、浜へ、
そしてあらゆるきみへ
挨拶を投げる
おめでとう
おめでとう、きみ
水銀を射る光、
祝福は暴力をふるい
火葬の骨は砕かれた
荷担はうつくしいか
やがて劇薬は
笑いながら
走りながら
きみに
おめでとう、
呼応し
紛れもなく荷担したきみよ、
紅い花弁は手を結び
海のなかでは
何万の
亡霊たちの祝祭。
[104]中川達矢[2011 08/06 00:27]
おそらく
海からおおくが
うまれてしまった
ひかりと挨拶するために
みずときたいとを集めて
やしなっていくと同時に
捨てられていくのが酸素
じゅんかんのバランスが
くずれてしまう
きっと
うまれたものは
いかりをおぼえてしまった
[95]中川達矢[2011 07/26 00:39]
くびれがうまれる前に
すきまをうめていた
小さなじぶんをさがす
雲散霧消
げんしてきな空間の
可変性を問う
ぶんめいの実写版があらわれ
そらから落ちてきたのは
よく知っている自分だった
[94]リンネ[2011 07/25 01:34]★1
脚の線を、
ことばの女の、
くちびるへ、並べる、
埋め尽くす、
カーテンを閉じて、
無限の、
飛行機が、金属の、
かみのけを、残す、
誘う、
窓へ、
吹きかける、
水を、
[93]番田 [2011 07/25 00:54]
見つめていたのだ 誰かの放った 声に混ざって
聞いたことの無いような無限の言葉が
数多くのヒントを残していった
その只中で 私はわたしであるからこそ私自身ではなくなった
埋め尽くされた 言葉の 羅列の中で
いつも見ていた私を 女が誘っていた 私の見ていた 物語の中で
[92]鯉[2011 07/24 21:01]
無明の言葉が、
声に混ざって、
水滴を、数多の、
埋め尽くした羅列の、
只中で、私がわたしであるからこそ私でなくなる只中で、
舌を粒子が撫でていった、その先で
[90]番田 [07/23 19:11]
物語の形を無くした
私には そこに何も見えない 粒子が
水平の動きに逆らって
私の中に無限に広がる 黄緑色の心を撫でた
自然を思う その先で
[89]中川達矢[2011 07/22 21:31]
見えない粒子が
物語のかげを消そうと
みどりをなでていく
水平のうごきに逆らって
天をおもう先に
まだ見ぬこうげんを見る
あれは
百年、千年かと
樹齢を思えば
その光合成を支えていたのは
あの粒子だろう
[88]リンネ[2011 07/22 11:25]
泣いた、まぶたに、
ウミネコが、重なって、
支える、
空と、地面へ、
絵の具だらけの、
光を流す、
逃げる雲を見つめている、
浜辺の、
フレーム、
かるい砂が、
覆われた肌から、
また、
写真は、むけ落ちる、
古い物語が、
波にさらわれた、
瞳の中は、
[86]健[2011 07/21 22:31]
降り積もる時代が
徐々に薄く白く染まっていく
人々は何らかの磁力によって引き寄せられ
同じく磁力によって世界中に散らばった
描かれなかった絵画の夢を
続きそうで続かない空へ託し
舞う鳥を眺めては
言葉を放ち
それを積み重ねていく
やがて子供たちは
遠くを近くにするために扉をあける
ずっと、海の先を見ている
[85]リンネ[2011 07/21 21:19]
磁針の先に、
雪が、時代を積み、
耐えかねた、
食卓の、
子どもと、凍土が、
シベリアの時代へ、
雑言に、漂流する
紙飛行機が、
並べられ、
空から降る、
山々を絵で描く
モンゴルへ、
扉を、
[84]中川達矢[2011 07/20 21:57]
きっと
札幌だろう
振り返る後に
リデュースすれば
古き良き時代を
なんたらかんたらなどと
雑言を聞きたくも無い
東西南北
選択肢は4つでもなく
さて
すすもう
[82]kaz.[2011 07/19 22:46]★1
腐った、ということばが、豆腐からまた落ちる、
ジャックは既に豆の木から落ちる、
枯葉が、彼は、木の枝から、落ち、養分に、
鳴る、ということが、成る、
ガリレオ、ガリレイ、という名が、
壊れたラジカセの奏でる、
時計台の鐘の音に似ているように、
鳴る、が成る、がなる、蛙
僕たちが祈れば、言葉が死ぬ、
僕たちが祈れば、土に還る、
僕たちが祈れば、また戻ってくる、
[81]番田 [2011 07/18 22:31]
くさったとうふを
並べている
その土の養分として…
ガリレオは ここで
処刑された
[80]中川達矢[2011 07/17 13:06]
ちがうよ
ガリレオは宗教
によって処刑
された残念
無念の残滓は
土の養分になって
たまごのからとかたを
ならべて
くさったとうふ
[79]fujisaki[2011 07/17 11:30]
えいせいのようにまわるたいようがてらし
てい
た
のはマムラサキだった
ピンといとがはったように
たいようはマムラ
サキのまわりをまわる
[76]中川達矢[2011 07/16 11:31]
四六時中流れ込む
プロパガンダのネオンが
瞳孔で反射に反射
認識が無ければ導かれることもなく
景色が虚像であることを知れば
世界は反転する
[74]kaz.[2011 07/15 16:02]
あかるい朝は、ひどくあっけらかんとして、おもたい夜に身を寄せる、
あ、かるい、とつぶやくたびに、鍋から、光、光、と漏れてゆくのを
追って、瞳はいつも朝、焼けて半熟になる、夏に熱い、鉄は打たれ、
広告塔は奇妙に捻じ曲がり、君の頬に突き刺さる
[70]中川達矢[2011 07/07 20:37]
つかめないから
速度がはやくなる
そうして
うしろのえいこうを
神棚からだしては
布で拭いたりして
仏壇にかざる
ておくれだけど
賞賛の手紙を
おくらせていただく
#69のsadame3さんの詩は至宝です。こんなに鮮やかな詩は滅多に見られません。その思いを込めて。
[68]中川達矢[2011 07/06 21:43]
残滓をお吸い物に
養分を汲み取る茎の
管を割る風に
吹かれている影
つまりは
人が動くことに
文化や文明
そして
歴史を感じては
三種の神器を想う
[65]中川達矢[2011 07/05 17:18]
そんなかんじ
あいまいでごまかして
中途をさまよえば
かずをうしなっていく
それが
たいいんれきの弱さで
2012年を大事にしている
きょうにあしたはなく
びょうしんのくりかえしを
ながめるだけ
[63]中川達矢[2011 07/05 15:43]
たまには
晴れてもいい
梅雨はみえないから
あるようでないもの
知らせは
六感にはいりこんで
のうてんきな
ためいきをすう
でてくるのは
あせでいいだろう
[59]中川達矢[2011 07/04 13:36]
十字架は
くびにぶらさげるのではなく
せおってはこぶもの
一歩か、二歩かあやまって
雨宿りにしっぱいすれば
ささる視線はつめたい
犬のように
懇願する姿勢も
足音は止まない
#流れが停滞しているというか、展開が少ないような印象が…。
[56]中川達矢[2011 07/04 10:11]
ろうどうと
ろうそくとのちがいが
わからなくなって
おさけを飲む
そのまま
あまつゆをためた
ふろに入れば
えだにもなって
天と地とを
あおぎみる
[53]中川達矢[2011 07/03 17:27]
とめどなく
を
さずけよう
さらさらした
くものなかで
しろをみつけられない
#ひかり。さん、ご迷惑をおかけしてすいませんでした…。
[49]中川達矢[2011 07/02 23:30]
どじょうも
おたまじゃくしも
ひるも
たべられるよ
たべようとしないだけで
わからないことはおおい
きみがいう「今日」というものが
ほんとうにきょうなのか
こんにちわからなくなっている
[47]中川達矢[2011 07/02 13:11]
烏を追って
そうだな
百里ぐらい行こうか
埼玉からだと
名古屋までいけるかな
[46]fujisaki[2011 07/02 12:12]
黒が飛んでいますよ
下から上へとのびていますよ
そのなかで
くるくるとまわりながら
ずっとついてきた兎が
片手にのるのです、よ
[44](1+1)/4[2011 02/09 02:27]
いつかは爆発する太陽は短い命が羨ましかった
ひかりの中で
雑草はその根を伸ばす
いのち は否が応にもひろがっていく
何年も整備されないアスファルトの雑な道に
割って生く 流浪の旅団
かれらは遠い昔から旅を続けることを選んだのだった