書き換え連詩スレッド[185]
2018 09/06 01:54
たこ

虹のかかる
白い朝に
湿った古い庭の
ひな壇に植えられた花々は
喪に服される人の祭壇を飾るように見えて
凛と雨露をしたたらせ
薄曇りする空を見上げ
やわらかな花弁を広げ
しずしずと
しずしずと
足元の黴の匂いのする土に
ふるえるように白い根を
先細りする白い触手を
下へ下へ
絶え間なく、絶え間なく
伸ばし、伸ばし、伸ばしてゆく
ちろちろとのぞく
赤いめしべよ
ざらざらとした風に身を委ね
君はじきに孕み膨らみ
ぽとりと下に落ちるのだ
ぱっくりと口をあけて
渾身の力で大気をうけとめ
上にも下にも目一杯に伸び
枯れはじめた草木に
色を添え
孕む命と
空気の重みに耐えきれず
やがて朽ちてしぼんでゆく
僕は時に悲しくなるのだ
鎖に繋がれているということが。
君は根をはり大地を仰ぎ
また地上にあらわれる
わたくしという
鬼火のような蒼き現象は
無心に身を任せること能わずに
だだ怯えている
怯えている。
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