書き換え連詩スレッド[147]
2018 04/18 17:27
たこ

ダルシアの唄

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ブァンダル地方を旅していた時の事だ。土の露出した荒廃した土地を歩いているおり、1人の老婆に出会った。優しそうな目をしたその人は、母から聞いた昔の話を唄に乗せて語ってくれた。その内容はこのようなものだった。
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知っているかい?
太陽はもともとひよこだったんだ

黄色い羽の中に
沢山の命を包んでね
卵に乗ってアンドロメダを
渡ってきたのさ

君のお母さんも
僕のお父さんも
あの中で眠っていた

卵はね、ノアの箱船なんだ。
ダルシアは言った

そのあと私の赤毛をかき分けて
耳元でいつもの言葉を囁いた

何度聞いても
何度も嬉しい

バカだね、いつも
自分の言いたいことばっかり

ひまわり畑の先の茂みの奥の
細枝の小さなトンネルを
迷い進んだその奥に
私たちの場所があった

先に行くほど細くなる道
次第に私たちも小さくなって

泉の脇の
ポリバケツの影で
日差しをしのぎ
沢山のことを語りあい

沢山の卵たちを
ひよこにかえした

秘密の楽園で
私たちはアダムとイブの
まねごとをして
沢山の花に名を与えた

それなのに
ダルシアは行ってしまった

りんごをかじったダルシアは

僕はイルカになるのだと
笑ってみせて
爆撃魚雷に乗り込んで
遠くの戦地へ赴いて

2度と返ってこなかった

ピィー!ヨロロロロ!
空を旋回するトビの声

風そよぐ向日たちの花びら

私の心と混ざり合い
沢山のひよこに生まれ変わる

あの日
わたしはイブであり
ダルシアはアダムだった
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