すべてのおすすめ
私は人を信じました
猜疑心の布に幾度も包まれようと
その度に他人事の宇宙が
その手で結びを解いてくれたから
あと何回私は始まるのでしょう
もしこの薄い皮膜の内側に
たったひとりの自分が ....
女の子はミルクティ
黒い人は刹那が好き
大抵みんな空が好きで星が好き
だってそうでしょう
男はわりと"あたし"が好きで
女は破綻を否定しつつなんだか嬉しそうだ
....
何処までも高く投げたはずのボールが落下をはじめ
それを静止した瞳で追う
身を預けた椅子が軋む音
カフェインの色で染まる部屋
身を預けた骨の軋む音
カフェインの色で染まる声
脳が死ん ....
焦げついた喉の奥に最も暗い夜がある
野犬逹が吠える
それは肺のもっと奥の方
何処か雲で霞みがかる月
歌いだせば
全ては煙のように這いで
誰の耳に入ることもない
それは誰に ....
天使と間違えられた悪魔が
今まさに翼を拡げて地上を去るところでした
人々の彼への愛は(またはその逆も)確かだったはず
なのに彼の血が自分達と違うのを見ると
一同揃って鍋に蓋を閉めました
....
同じベンチで話していたはずなのに
いつしか君は二階の窓辺に立つようになった
僕は君に逢いに窓の下へと通うようになり
見上げるかたちで君と話すようになった
やがて君は窓辺に立つこともなくなり ....
{引用=決して君には映らないのに
何故君は私に映るのだろう}
林檎の皮を剥こうとも君ほどの素顔はない
時の奥にみる廃虚のように
冬の底に横たわるマグマのように
不謹慎ながら、なんて君の炎 ....
サングリア
サングリア
サングリア
三対一の割合で男の空気は無いに等しい
隔てたテーブルがまるで川のようだ
反対岸の草陰から覗いているような
そんな気分になる
女達は曝け ....
線路の上の林檎のような
男と女の営み
線路の上の林檎のような
私の心臓
絶頂はそろそろかたかたと
思わせぶりにやってくる
線路が震えるだろう
それは林檎に向けて必ずやってくる ....
半透明な一日の中の朝が溢した
色のついたある一点を探しにいく
近況、そんな穏やかな毎日です
晴れた日の傘のように
言葉たちは眠っています
だから私はペンを置いて
モールス信号の ....
コン コン と叩けば
コン コン と骨の音がする
君は何処? と問えば
私は此処 と返ってくる
部屋はまるで君の肺のように
さりげなく わざとらしく
君の空気に満ちている ....
黒く太い線で描いた哀色
繊細でいつか途切れてしまいそうな
悲愴ではなくて
黒く太い線で描いた哀色
窓枠がちゃっかり絵画のように仕立てる
美しいわけなんてないけど
いいだ ....