すべてのおすすめ
驚くに値しない
あなたの指のなかに
古い町がひとつ埋まっていようが
青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
一列に ....
暗号は箪笥にしまわれていたが
防虫剤の匂いに毒されもう使い道はなかった
幼少期に誰もが熱をあげやがて棄て去った玩具同様
為されるべきことは二、三あったものの
その手 ....
{引用= 1.服を着ています
私は分けています
したがって私は健康です
2.一房の葡萄を
あなたに任せています
何処に捨てる ....
元気がないから
ぼくたちはただ
夢のどこかに広がる
だだっぴろい草むらに
黙りこくって穴を掘ってる
そんなような
お別れの時がきて、
....
ならなかった
なれなかった
こんなふうには
きみは
なかなかった
なけなかった
こんなふうには
ぼくが
もっと
....
西向きの窓から
斜光が射す
食器が並べられ
煙草に火が点けられ
いくつかの詩が書かれ
最後に僕が
玄関から入ってくる
....
歓びの光を食べて
すくすく笑う
痛みの雨を呑んで
それでも笑う
初めは小さな種だった
それがだんだん根を張って
それがだんだん茎を伸ばし ....
きいてね。
きいたこと、あってもね。
うるさいだろうけど、ね。
ねぇ、きいてね。
きいてね。
その耳たぶでね。
もっと奥のほう、
まごころ ....
空色の
ポリバケツに
堆積する
首を
寝違えた詩人の
寝違えた詩
綺麗で
あくまで綺麗で
読む気がしないほど綺麗だっ ....
春の
壜に
沈澱した
メトロノーム
歌は
亡い
右往と左往
ちくたくたく
まんまるい
月の照る夜に
凍てた川を跨ぎ
去ってしまった者へ
まんまるい
陽の照る朝に
そこらじゅうの鏡に
閉ざされた思いへ
....
短くなった
夜をうち捨て
靴の裏で
光をつぶした
だれでも
知っている
夜の次は
朝だ
そして立ち昇る
あいま ....
疲れたら
もう
眠ったらいい
重い荷物を
置いてくればいい
うす明るい
夢の中に
行こう
夢の中に
沈めてしまおう
....
笑っているの
泣いているの
わからないよ
手紙をかくよ
{引用= (雨が
(雨で
(雨に
(雨を}
立っているの
震えているの
声にだ ....
指きりをしよう
サクマ式ドロップみたいな
とりどりのたわごとが
嘘にならないよう
指きりをしよう
またねという言葉で紡いだ
ほそくつづく糸が ....
きみの
左の胸に
腕を差しこみ
ゆっくり引きだすと
手のひらで
金魚がぴちゃぴちゃ跳ねていた
鉢も
水もないので
戻そうとしたけ ....
おっぱいは最後がいい
まずはくちびるからがいい
それからうなじの匂いを嗅いで
おなかの温度に埋もれるのがいい
おっぱいは最後がいい
まるでそこに興味がないよう ....