群れる青、その一部始終
ピッピ

二組の親指と人差し指で
フォトグラフを撮りながら僕らは
あの一瞬一瞬を上手に繋げて
永遠を作り出す予定だった

空に雲は要らなかったし
海に波は要らなかった
砂浜に足を浸した少女が
僕らの目の前を走り去ってく
季節はない
沢山の足跡を滲ませて
地球が痛がっている傷跡

一人 また一人と水に混じり合う
揃えた様に青のTシャツで僕らは地平線だった
何処迄も 何処迄も見た事のない世界
裏切らない世界との境目を
僕らは浮いたり沈んだりしていた

太陽は何時迄も沈まなかったし
僕らは何時迄も人間で居られた
傷つけない世界に乾杯!
僕らは少しのお酒を飲んだ
世界と混じりすぎたそのお酒はもう
透明なのか青なのか分からなかった

鴎が翔んできて
空のジッパーを引っ掻いて行った時
僕らの青い世界はもう沈んでいたことに気付いた
僕はもう赤いだけの空と海に振り返って
不細工な青い微笑みを投げかけた


自由詩 群れる青、その一部始終 Copyright ピッピ 2004-07-05 00:55:21
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