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青白い殺虫灯に
まっさきに誘われて
バチバチと音を立てて
まっさきに死ぬ。

燃え上がる火を見つけると
後先知らず飛び込んで
一瞬火の粉を吹き上げて
あっというまに死ぬ。

光に惹 ....
わたしは
だれのものなのか
だれもおしえてくれなかったので
わたしは文字になりました

そうすると
色々なところで
わたしを使ってくれました

本の中にわたしが居たり
チラシの中に ....
垂直の空を
仰ぎ見る
ここは空の縁の終わらない場所
折り重なった雲と雲が
覆い被さってくる


続きを
見たいと思っている
染み込んでいく雨粒と
あの雨の後の匂いの行方を
空へ ....
  

残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます

 白い制服と 浅黒い笑顔
 ぼんやりと胸に残っています


会わな ....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい

わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
この真夜中の
この静けさに

チラチラと
狂気は降って


闇の秒の遅さと
生の流れの速さに
僕は怯える


明かりを付け
異国の古い
映画に紛れながらも


こ ....
ふおーん
警笛を置き去りにして
カーブに消えていく電車
踏切では遮断機が開くことを忘れて
取り残された人々
遠くでもう一度
ふおーん

ここはゆるやかに傾斜している世の中なので
くす ....
くちを とじて
めを とじて
みみを すまして

かんじる もの

うたたねのような
やわらかな

さいぼうとさいぼうを
すりぬけてゆくような
むげん

くちを ひらけば ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
ぶちあたる。
とにかくぶちあたる。
光ってはいるけれど
安っぽい弾丸。

蛍光灯の傘にぶつかる。
窓にぶつかる。
壁にぶつかる。
いちいち音を立てる。

緑金色の背中は
あれでな ....
                  「メリーゴーラウンド」 1

  トマト

四角いトマトを
作るようなものなのかもね

パイプ椅子からひょいと降り立って
彼女は器用に微笑んだ
制 ....
夢のような色合いの
からっぽの貝がら

心のような色合いの
砕けてしまった貝がら

チクリと指に花を咲かす


害のない言葉など
ないと知りながら
きれいな言葉を
使いたかった ....
人の向こう側に横たわる人よ
横たわる人を跨ぐ人よ
潰された眼は見ていただろうか

白く透ける少女の抜け殻を
地下水脈の夜光虫を
皮膜に隠された結晶体を

地は焦げるほどではなく ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
さけた ひびき
さらす ふたば

つち の はじらい
かぜ の ふくいき

まかれた からだ
ゆらしてる
いつもあのひとのことを考えているわけではないから
たまには大目に見てやってほしい

外は爽やかに水色の夏の朝
汗で酸っぱいTシャツを脱ぎ捨てて窓辺に立っても
田舎の農道に車一台通るでもなく
 ....
夏休みの宿題は終わったのと
かあさんは訊ねる
私はもう学校卒業したんだよと
何度説明しても

かあさんは言う
おまえはやく宿題をやんなさい
ツクツクホウシが鳴く前に
とっとと宿題を終わ ....
たましいに といかける
ほんのちょこっとした ぎもんを けずってみる
けずりきる ようすなんて みじんもない
いちばん このからだに かんじて
いちばん わかりやすい はずなのに
すこし ....
田舎から出てきたばかり
まだ都会に慣れていない
デートの仕方も知らず
ま、若いからあっちのパワーだけは全開

お金も持ってないし
住んでるところも地味
ついでに見た目も地味
でもよく見 ....
おーい
と呼ぶ声に
波線を見ています
空の上
海の下
その間の曖昧な辺りで


いつだったか春の衣装だった頃
それでは暑すぎると文句を言った頃
山沿いの海沿いのラジオも響かない場所 ....
道の向こうからは祭囃子が聞こえる

もうすぐここまできてすべてを包むだろう

幾分細くなり白くなった腕を少し持ち上げて手持ち花火に火をつけた

光が私を照らす

いつの間に私の腕はこん ....
小さい自分を笑い飛ばしたくて
いつもの場所 いつもの格好
首をガクリと落とした
そう いつもの暗澹な自分の出来上がり

そうしたら お前さんが見えたんだ
いつもの場所 いつもの格好
首を ....
鈍行列車で消火活動に行きましょう
なんて、いかしたメールが
彼女から届いた
僕といえば魂は確かにあるはずなのに
それを入れる器が見つからなくて
朝からオロオロしっぱなしだ
入道雲の ....
ぽつんと うかぶつき
くもが つきを おいこしてゆく
ふかいあいいろの じょうくうは あらし

いっしゅん さえぎる

ひかり

かげ

かげ

かげ

おいこしてゆく
 ....
足音 は
ほっておくとどんどん先に進んで
呼び止められると不満を洩らす
体 は
手足を動かすことに夢中で
なにを訊かれても聞こえないふりをする
心臓 は
なにかあるたびペースを乱して
 ....
ゆっくりと水を一杯飲む
カーテンを閉めて
好きな音楽をかける
何をしてもいいし
何もしなくてもいい
鏡に映った自分を見る
左肩を撫でてみる
前髪をかきあげる
電話のベルを無視して
今 ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
倒れた自転車から音は聞こえない。

コインロッカーに花束を忘れてきた。

クレーン車の輪郭が闇に消える。

花壇の整列した花々で指先を切った。

低気圧、靴紐を揺らす。

埋められ ....
花壇のマリーゴールドは
みごとにおひさまの色
おひさまを
いっぱいに吸いこんで

ハナムグリのベッドは
おひさま色の花粉
ハナムグリのごちそうは
おひさま色の花粉

夜なんか知らな ....
夕立でもぎ取れた蝉が
丁度今乾き切りました
私はアスファルトに足を揃えました
腹をかえし対の肢を合わせたその亡骸は
無音の言祝ぎでした


夕立のあと再び燃えていた日は、結局 ....
千月 話子さんの自由詩おすすめリスト(1787)
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