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蟻の行列を見ていたら
一頭だけ、力尽きたのか 
止まったその時 
君の笑い声が聞こえてきた

そこは遠い世界なのかい
と問いかけると
再び歩き出し
どこを振り返ることも無かった

 ....
そういえば
一昨日から何も喋ってない

美味くも不味くもない中華そば屋で
気付いてしまった
食べ終えてアパートに帰るまでは
気持ち抑えておこう
と思った先から
残り半分の麺の量が全然 ....
  

もう自分の場所に
やすらぎがあるので
という理由で
前に進むことを停めた友へ


アガー整骨院は
久茂地交差点の近くにある
それは痛いという意味なので
痛くなったらおいで ....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く

ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う

のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
 

つながっている
その声に
心がうつって


つながっている
指を絡めるように
ひとつのことばと
その隙間に


つながっている
瞳を
間近で見ている
ように

 ....
そこから先には進めないときがある
そのたびに思い出す風景があって
背中の方から温もりを感じながらも
とても不安そうな少年の瞳に

問いかけられた言葉

飲み込めないまま
風にも ....
うるま 
うるま
はじまりのなまえ
うるま 
うるま
ぼくんちどこいったん
ひんぷんのよこの
ゆーなんぎーのそよと
ゆーなんぎーはーめーの
いとのつつつと
はじまりのとおく
とお ....
雨、降ってきたかと
てるてるぼうず

雨、降ってきたよと
へのへのもへじ

雨、降ったやろと
黄色い傘

雨、降ったんかと
お地蔵さん

雨宿りの軒先を探しながら
帰り道 ....
県庁跡の建物の中で期待もなく調べ物にとり
かかり、時間を待って香林坊に出る。そこは
ほんのひとにぎりの銀座で、渋谷で、新宿で
もあり池袋の匂いを探して片町に流れる。ス
クランブル交差点では ....
  

炬燵にしようかどうしようか
と思いながらも身は縮んでゆき
まるで寂しがりやの格好で
膝を抱える
どうしてこう膝を抱えると
思い出さなくてもいい友達の
笑顔が入れ替わり立ち代わり ....
ほら
いつまでも進まないから
そろそろ代わろうか

静かにうなずいたのかどうか
オールを離した君は

君の目は膝に落とされ
僕の目は池のまん中に向けられ
あの浄化用のエアーポンプのと ....
 

ぐるぐるまわる世界で
立ち止まるなんてこと
しなきゃよかった
空が広がって



     何人もの君への想いを
     愛しているかもしれないこと
     と唇から綴 ....
明日降るはずの雨が
雪になるという


いたたまれない気持ちで
坂道おりていくと
君の住む町角ではもう
もう静かに積もりはじめているのだろう
と思えた


流してしま ....
キュウちゃんいなくなった

ピーちゃん泣いた

おばあは笑った



じいちゃんいなくなった

みんな泣いた

おばあは笑った

おばあは笑ってた

お ....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる

おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
三丁目あたり


地球儀で見ると
ここは夜のはずなのに
夜はいったい何処にいったのかしら


どこにも辿りつけませんように
と願う



ナビゲーションを彼女に頼むなんて
 ....
 
結局また

こんなとこに戻ってまうねん

て とむ が言う

ほんまの自由は

ここにあるさかいに

て じむ が言う

ぼちぼち が一番や 

て言いかけた はっく ....
 


まだまだ不器用な
あいちゃんの手では
線香花火の玉が
もう少し
と思うところで

 ふっ

と下に落ちる



もう少しで
ひとつの場面が見える

もう少し ....
魚津の水族館で
イシダイの一尾が輪っかを
するりと抜ける
そのとき
古い学習図鑑の白黒ページのイラスト
を思い出した

それが
    かげろう


{引用=
 蜃気楼の街 
 ....
  

残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます

 白い制服と 浅黒い笑顔
 ぼんやりと胸に残っています


会わな ....
  
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな

親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔 
まだ見たことありません

のような午後の世界に

河川敷の花火
の音が聞こ ....
  

守られないことを知りながら
またひとつ約束をする


もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ

嘘をつく


今日はしゃがみ込んだ君の足もと ....
  


県立病院前バス停で見知らぬ女性に声をかけられて
よくよく 顔をよくよく見てみれば
あの色黒で歯のやけに白かった娘じゃないか

こんなに色白でスマートになるならば
あの日の体育 ....
  


いつの日かの憧れであった

本郷で道に迷った

しめしめと にたり顔で

坂道

のぼるとお稲荷さん


帰りたい

帰れない


僕の場所でない場所に ....
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