すべてのおすすめ
星より遠いところで
唇が光った
君がまばたくと
古い世界は滅び新しい今がひらく
午前のテニスコートに飛び交う
黄色いボールは
それが僕のパッションなのでした
零れ夜の
ざわめき
ほっと
息をする
倦怠たちの
集い
さよなら街よ
さよなら時よ
僕はもう
眠ります
ただ
眠ります
夏の陰に
となりのとなりのとなりのへやの
めざましどけいがなりやまないので
ゆうがた六時半にそとにでた
まだ日はしずまず
ふだんよりずっと赤いかおで
西のやまの端にキスするようだった
あんがいあ ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない
ブランコ ....
涙をこらえて
壊れかけたつり橋を
ひとりで渡ろう
そうしないと
僕は前に進めない
涙をこらえて
激流を渡ろう
そうしないと
僕は君の幻から離れられない
....
手のひらに握り締めた
生まれつきひび割れた蝉のひび割れた雲母
手のひらの中のその震えと光とを
唯一手に負える夏の単位として感じていた
けれど、もしも
手のひらの中の光など単な ....
おまえに何が解るんだ
と怒鳴ったら
君は君が解る事を話し始めた
あんなことや
こんなことや
そんなことまで
ふと気が付くと
僕は君の胸に
すっぽり抱かれて
小さな勇気 ....
こうべをたれて 落ち込んでいるきみに
そんなポーズは いらないんだよ と 話しかける
そうしたら ふーん といって
すっくと立ち上がって
それまで座っていたイスを
ふりあげ
ふりあげ
さ ....
地蔵菩薩の前に 立った
声がする
私のものでもあり 私のものでない
声がする
聞こえてくる声と
聞こえない声と
地蔵菩薩の前に 立った
私は
目の前に立つ人に 気づく
手 ....
夕立が来る
7階の窓から
君と
西の空を待つ
真っ黒な雲が空を覆う
風が
ビョウ、と低く鳴く
その風をまともに受けて
コウちゃんの顔は
明らかに変である
うひゃあ、とか ....
銀行員は、銀行員は、きっと詩人
だってあんなに恐い顔で
必死に電卓叩いてる
八百屋さんは、八百屋さんは、きっと詩人
だってあんなに大きな声で
今日もお歌を歌ってる
....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある
ハリー、ハリー
誰か ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
佐藤君は思います。
たまには西田君みたいに
晒されたり裏返されたり、
そんな生き方もいいかも知れない。
いくつもの賞をもらっても、
皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
透明な堅 ....
ぐおん
と唸りをあげて
自動販売機が震え出す夏
電車のゆれる空間で
ヘッドフォンの君を見る
ひどく 暑い
冷房が壊れているとか何とか
聞き取りにくい声でアナウンスしていた
ような気 ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
ちらつきながら水平に下り
疲労の渦を抱いて
硝子瓶の粒輪が昇る
ミネラルの刺激
風鈴でうすまる
ソーダ水
....
ほんじつ
ちかりょこうへ
ごどうこうさせて
いただきます
ガイドです
よろしく
おねがいいたします
みなさまと
おもいでに
なるような
りょこうに
したいと
おもっておりま ....
夜空にパンチ。
その紙くずは
目覚めの頃に
見つかるだろう。
薄水色の
明け方の空に。
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた
中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない
鍋の底で ....
実家に帰った妻から電話があった
私はその時一人で部屋にいた
お互いの今日の無事を確認した後
私は巨人が広島に負けていると告げた
長距離電話
他に話すこともあるだろうに妻は
清原の調子はどう ....
二組の親指と人差し指で
フォトグラフを撮りながら僕らは
あの一瞬一瞬を上手に繋げて
永遠を作り出す予定だった
空に雲は要らなかったし
海に波は要らなかった
砂浜に足を浸した少女が
僕 ....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり
つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む
胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない
....
この庭を今
黒猫が横切りました
急ぎ足です
影だったのかもしれません
向日葵は私を追い越して
手探りで空へ
夕暮れの角度を真似して
ちょっと斜めに傾いてみると
向日葵と空が
一緒 ....
悲しみの扇風機に顔を近づけて
あー、と泣けば
雨が降る
扇風機は
どこにも行かない
たまに、本物の宇宙人がやってくる
なんとなく
うつむいてしまったのだが
黒い列
振りだした右足の
小暗い瞬きへすべりゆくのを
間のびしたストライド
生垣をゆらした
モンシロ ....
今日はいつもより嬉しい事があったので、
僕の乗る総武線は、
両国あたりをすぎる、
軽快に。
遠くの景色はゆっくり
近くのものは素早く
そんな当たり前の遠近法さえ、今日はなんだか
(ああ、 ....
食欲と性欲はよく似てる
お腹いっぱい食べても
違うタイプは別腹
だったりする
美形もいいが
知性も捨てがたい
体がいいのも魅力ですね
たまには若くてかわいいのもいいし
もちろんオヤ ....
逮捕される前に
一緒に暮らして
外で
立っても歩いても
電車を降りると
豊島園駅は広い
花りが走りまわる
「くるくるまわるー」って
急行所沢特急所沢普通西所沢
改札を出ると
....
みんな石になる
みんなみんな石になる
おやきょうだいしんせき
ともだちだんなおくさんこども
ただのしりあいそしてしらないひとたち
いつかいつかみんな石になる
何色のお墓にしようか
変 ....
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