今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した
けれど若者は
十三日の ....
遠い空
白い雲
ふるさとの紅い花
空を飛ぶ
鳥たちよ
愛する人に伝えてくれ
ユンマイマイユンマイマイモイ
明日また
日が登り
日が沈み
夜が来る
ユンマイマイユンマイ ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの
傍に ....
気どり屋さんの夢話
おのぼりさんの踏み外し
元も子もない引き下がり
過ぎて過ぎて巻きもどし
ほっついとこう津々浦々
願ってもないフリー
締め出されてすぐフラフラ
年頃はなぜか罪
あの子のあだ名は赤リュック。
これは自分の中での共通のあだ名。
いつも赤いリュックを背負って
授業中も、美術の時でさえ
それを手放した所を見たことが ....
花は土地から切り離されると
すこしずつ死んでいく
生まれた土地から切り離されて
まず工場へ送り出される
仕分ける熟練した腕が
花をつかみ花を矯め
生まれた土地から切り離されて
箱詰め ....
一定の
ノイズとリズム
それはまだ
頭の中で
声にできない
あなたはここで生きなさい
あなたはここでしか生きられない
そう言われたわけでは
ないんだろうけれど
ビーチで遊ぶ人たちは優しい
それは見てるだけでもわかる
{引用=
ただただ白い部屋で
打ち寄せる雨を聞いている
恋人は壁に向かって立ち、
このキューブに広がる柔らかな影だけがわたしの在りかで。
降り続く水分を
冷えきったグラスに ....
長い髪がどんなふうに垂れるのか その白い背を 思い描ける
椿にも桜も菊も石南花も 指先のあとがこゆく残る
メディアを開くと
デマゴーグには事欠かない
うそのニュース
うそのタレント
うその世界が充満していて
臭気に目鼻をやられてしまう
その中に
そっと真実を混ぜておいても
もう ....
1.c4
跳ね上がり
1...e5
勇み立つ
戦場を舞う兵士たちのうた
2.g3 d6 3.Bg2 g6 4. ....
俺は船をもみ消された
何でもなくなった その金色だった
この俺の なくならされただろう 世界を
イメージとして その色彩に立ちつくしていた
道を立ち止まる 小波ですらもなくなった 俺の
....
死んだことの無い奴には死のことなど分かるまい。
そんな馬鹿な理屈
あなたの言っていることと、おんなじじゃないか
小さく青い顔をして
螺旋を描く
お互いの邪魔をすることなく
月の明かりを譲り合っている
ラ・カンパネラ
勇気もなく
孤独でもない
頬を撫でる風
君たちは、愛を、月光からもらう
下を向いて涼やかに鳴る ....
子供の頃に信じた夢が
叶えられるより前に壊れて
メーカーに問い合わせたら
なんと保証の対象外だと言う
それでやむなく夢を諦め
さっきハードオフに売り行ったら
ド ....
わたしは海に潜れないだろう
だって、
こんなに小さな雨粒たちにも
頭痛がする
空も飛べないわたしは
地球の肌を
舐めるようにして
生きている
ナメクジに塩をかけた
あの頃は
....
巨きすぎる絵を
照らす拍手
また
照らす拍手
葉の影が
頬から動かない
音なでる指
なでる指
縦の水に沿い
三つの魂が立っている
渦の音 見えぬ ....
光たち互いの背を押しかがやきぬ
何も無い音のはざまに手を結ぶ
透るままかけらを置いて過ぎる冬
はじまりは終わりにも見ゆ尽きぬ道
....
■チューリップ
包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた
誰のものだったかは
もうとっくに忘れた
中に隠れている ....
{引用=
うわの空に舞う花弁を掴もうとして距離を見誤る春愁の日
性別なんて窮屈すぎて息が詰まりそうだった
黄昏色の溜息を煙草の煙と一緒に吐き出して
トイ ....
初出:2000年「詩人専用シナプス」
ヒマな時によく、詩のサイト巡りをする。ちょっと前まではwebringの営業のために、投稿コーナーのあるサイトを見て回ってた。Googleという検索サイ ....
油のような月が出た
油のような月が出た
私は今 嘘をつきました
一体どんな嘘でしょうか
お分かりになる方は挙手
残念不正解お座り下さい
Here a goldfish sings,
Now I have my white wings.
Here a stone rolls on the sky,
Now I am never ....
「いつからこのようになった?」
「そなたは強くなりすぎたのだ」
「多くを見捨ててか? だが、今の私であればそれすら取り返せるだろう」
「今のそなたなら。あるいは」
「おまえは信じてはいまい?」 ....
こっちでよいのかな?
中央通りは人波が険しいからと教わった脇道
パソコン自作用のパーツ屋さんとか軒を並べているけど
いまどきのメイドさんとかアニメ系のお店とかが元気ありそう
あの日のこ ....
重力の演奏が、あた 乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
カーテンが何かを隠 森のあちこちで絵を
し、塗り潰された色 描いているから、足
の部屋、大きく ....
花屋敷のジェットコースターが
崩れ落ちそうに走り抜けて行く
いいじゃない
ガタガタが新 ....
夜、寝たくないので夜更かしをする。面白くもないテレビをつけたまま、渇いた笑い声を聞いて、インターネットで開くだけ開いて、ぼんやりとしている。日付が変わって、頭が痛くなってきたら、寝ることにしている。 ....
そらのかわに
さかなが泳いで
さくら色のねこが
まえあしを伸ばす
ゆるゆると
はるは
僕の街にもやって来て
雲間のあおに流れていた
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