ささやきが切符になる
私は列車に乗ることを許される
植物の蔓などでできた
自動の改札を抜ける
切符に自分が記録される
ホームへと続く階段を上る
一度も下ったことなどないのに
 ....
あのね、


こころには、


なにがはいっているの?
 春の畑に全裸死体だ
 まだピチピチの白い肌だ

 曲者は乙女から恥じらいも奪って
 大きく開いた腋からも
 股からも
 西洋タンポポが萌え出ている

 乳房に透けた静脈は凍りつき
 ....
春日早々
蒼穹にひるがえり
はためく何か白いもの

ああ
あれは一反もめん
由緒正しき日本の妖怪

いったんもめんがいったんもめんとけんかしちょる?
ひらひらきれいじゃけんがいったん ....
{引用=




深まる夕闇の中で
水底まで透きとおった
滑らかな黒の湖水に
斜めにさし通した櫂から
膨らむ波紋 滴る雫が
清澄の音階に流れつづけ・・

静かに進む二人きりの小 ....
心はいつも溢れる洪水の岸にあるけれど
この身は独りモロッコの砂丘にある。

鳥が落とした棒切れを拾い上げ
星形の砂漠に
蜘蛛と猿の地上絵を描く。

砂紋を横切るように
てんてんと残 ....
{ルビ辛夷=コブシ}の白い花が
ほころんでいました
図書館の前の小さな広場に
冬の終わりを 告げるように

けしてそれは、桜のように
春の訪れのあでやかさなどでなく、
可憐な細い花弁 ....
{引用=
冷たいコールタールに沈んで
薄い唇を堅く閉ざせば
沈黙が真実さえも無に返して
上辺を撫でる風には奪うことができない
追憶の時間を抱き締めている

強張らせた体が化石になって
 ....
ひとは詩を
いつから声に出して読まなくなったのだろうか

ひとは詩を
いつから紙に書くようになったのだろうか

こんなにも紙が溢れてなくて
字が読める人そのものも限られていた時代には
 ....
思う。
こうありたかった。

指向ということを気にしなくてよかった、問題にすらならなかった。
傍らへの疑いなどなかった。

今もこうありたかった。

どこに投じる身もなくて、丸める背中 ....
太陽の下で、町には向日葵が咲き乱れていた。

待望の赤ん坊は、女の子だった。
腕のなかに眠る小さな娘をみて
母親は待ち望んだ願いがついに叶えられたことを知った。

夫は、妻である母親を顧み ....
     俯いている
  
     苛立ちはこころを駆け
     涙は机に下垂る

     ー愛に育まれた女たちは
      夜は眠る時間だと
      知っているから
   ....
喧噪の夢がわたしを包む
喧噪は連鎖になりわたしをぐるぐる取り囲む
もはや出口はない
頭に白い注射器を射し込み連鎖を中和させる
軈て霧が訪れ眠りへと誘う

太陽が瞼を撫で
眠りから醒めても ....
瞬きの間に世界が反転したような疼き
ただ真っ白な洗面所にめり込むほど顔を落として
流れ落ちる水のうねりは熱意のない鎮魂歌のよう
午前6時の切断は排水溝に埋葬される
 ....
きみはクレソンが苦手
愛は水道の蛇口からとめどなく溢れ
光はひらひらとソファの上に舞う

ぼくはもうなにも目にすることがなく
きみだけが世界の同義語として君臨する
せかいが死ぬことをぼくは ....
現実世界にこそ悪夢がある
わたしたちは同列を見比べれば
無秩序な鉄槌を下しているのだ

(ジョゼフ・メリックの泣き声を耳にしたか?)

コンマ数秒という早さで鉄の雨が降りだす

今日は ....
母が愛用していた足踏みミシンは
居間の隅っこを定位置にしていた
毎日使っていたわけではないが
学校で雑巾を持って来いなんて言われると
その夜はかたかたと音を立てていた


ミシンは
物 ....
ちょっと勇気いるんだよね
あたりを見回してひと気ないの確かめたら
ちいさな箱のなかへ素早く潜りこむ

ペナペナなカーテンを閉ざせば
箱のなかにはなんとも顔色悪い薄倖そうな女がひとり

あ ....
{引用=




見上げた月は 皓々として
雪景色の深い谷の 底にまで
光を落としていた

白い中空の湯のなかで
魚のように戯れたね






紺青の空に 雲

 ....
うぶごえをあげた春が、もう
街にすがたをみせる
通りの角から
にぎやか過ぎるその声音が、
あたしを助けにきてくれる
手をひくように

階段をのぼったら
勇気をほんのすこしばかり だして ....
{引用=

世間が
大きな怪物に見える

それよりももっと恐ろしい怪獣が
他の場所にいる

麦畑が
静かに揺れている

彼らも
約束された平和の中に
揺れているだけ

刈 ....
悲しみをすえ、そうじきよ。ぞうさんの長いおはなも彼に届かぬ 使い切れないほどの金はどこへ消えたのか
使い切れないほどの人間はどこに消えたのか
抱えきれないほどの食べ物はどこに消えたのか
ウンザリするくらいの笑顔はどこに消えたのか


この国には ....
{引用=




午前の森の中に
七つの池を巡った
エメラルド色を湛えた 太古の静寂は
やさしい風をふくむたび
燦めく微笑みを見せた

僕たちの前の 永遠の現場

蒼空の中に ....
ここの雪は重かろヒマラヤユキノシタ

食べたいし花も見たいし菜の花みどり

桃が咲くのは節句を過ぎた頃だろう

同じ鉢のアザレア同士の鮮やかさ

一木のマンサクちらりほらりと満開

 ....
静寂が森の中にしみわたる
そびえ立つ針葉樹が
月の顔色を隠してしまう
オレは一人
さまようでもなく
叫ぶでもなく
ただ、自らの意識を
低く、低く、低く、
目線から逃れるように
 ....
水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう ....
風、吹け
強く、吹け
狭い、箱
壊せ壊せ

暑さで
世界が
歪んでる
揺れる揺れる

温度を上げてくこの箱が
今のこの地球写してる
増加していく人類で
減少していく隙間

 ....
低音で窓ガラスが割れました。
破片で作った首飾り
少しばっかり鋭利でごめんね。
キラキラ光るから大丈夫でしょ?

キラキラキラメキ
トキメキメキメキ
さらわれはしないから
また ....
まっすぐな 道も
あったのかもしれない
どこまでも続く、単調さがいつか
ありがたいものだと、
気づかされる

そんなもの本当にあるの?
真実は、蛇のように曲がりくねった
螺旋のそれ ....
瑠王さんのおすすめリスト(1548)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ほころび- たもつ自由詩610-3-4
ねぇねぇ、かあさま- くろきた自由詩410-3-4
春の悲劇- 藪木二郎自由詩110-3-4
一反木綿の恋- 海里自由詩310-3-4
君のいる風景(4)- まどろむ ...自由詩6*10-3-3
チェビ砂丘- 楽恵自由詩1010-3-3
辛夷- 月乃助自由詩13*10-3-3
Babylon- 高梁サト ...自由詩9*10-3-3
パピルスのポエム_- 海里自由詩210-3-3
理由のないアプリ- hogezo自由詩310-3-2
Mother,_Wife,_Sister,_Daughter- 楽恵自由詩8*10-3-2
俯いて- 鵜飼千代 ...自由詩22*10-3-2
『喧噪の連鎖』- あおい満 ...自由詩5*10-3-2
傷んだ洗面から賛美歌は始まる- ホロウ・ ...自由詩2*10-3-2
クレソンは今日も日を浴びる- 瀬崎 虎 ...自由詩110-3-2
私に住まうエレファント- 窓枠自由詩6*10-3-2
ミシン- あ。自由詩8*10-3-1
うつすひと- 恋月 ぴ ...自由詩17*10-3-1
君のいる風景(3)- まどろむ ...自由詩5*10-2-28
パンドラ- 月乃助自由詩13*10-2-28
空気- 真島正人自由詩8*10-2-28
cleaner- ことり ...短歌9*10-2-27
堕落論- ……とあ ...自由詩11*10-2-27
君のいる風景(2)- まどろむ ...自由詩6*10-2-27
百花百態- 小池房枝俳句4*10-2-27
Low- 寒雪自由詩110-2-27
2010/2/27- 鎖骨自由詩1010-2-27
elevatorgirl- 逆鱗社長自由詩1*10-2-27
深海ウサギ- 点子自由詩310-2-26
螺旋- 月乃助自由詩12*10-2-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52