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経糸の波が島に打ち寄せ
砕けた珊瑚の欠片が筬の羽の隙間を通る  
浜は白く織り上げられ
降っては降りてくる日射に
転がる岩岩は奪われた影を慕っていたが
素足 ....
             



淡い夢をみる夜がある
夏休み庭に植えたブーゲンビリアに
いつの間にか背丈を追い越され
生い茂る葉がどれだけ季節を重ねても
記憶は夏しか残らなかった
 ....
彼女は彼を愛していたし、
彼もまた彼女を愛していた。
傍目から見れば完璧な二人だったけれど
どちらも鋭く光る牙を
その身に隠し持っていたから
二人の恋はいつも死闘になった。
顔を逢わせ ....
7日に蛭木の浜に下りていき
ヨガをする。
足の爪先から、踵まで、ゆくりと着地する。
干潮を合図に背中を反らせ、アーチを模る。
オヒルギとメヒルギが
音をひらいて絡み合い
嘆いて赤土を溶 ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した

けれど若者は
十三日の ....
君はいつか僕に会えるだろう

人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから

僕も毎日、想っていた

父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を ....
心はいつも溢れる洪水の岸にあるけれど
この身は独りモロッコの砂丘にある。

鳥が落とした棒切れを拾い上げ
星形の砂漠に
蜘蛛と猿の地上絵を描く。

砂紋を横切るように
てんてんと残 ....
太陽の下で、町には向日葵が咲き乱れていた。

待望の赤ん坊は、女の子だった。
腕のなかに眠る小さな娘をみて
母親は待ち望んだ願いがついに叶えられたことを知った。

夫は、妻である母親を顧み ....
青灰色に輝く海岸沿いに
小さな赤い屋根の家が立つ
その家には
ブラウニーの妖精たちが棲んでいる


小さな妖精たちは
茶色のボロ着を身にまとい
いつからかその家に棲みついている
 ....
白く獰猛な太陽は
月面の果てしない砂(レゴリス)に生命を吸いとられるように沈み
僕の銀色の船は水のない海(マーレ)を
宇宙の闇夜に揺られながらゆっくりと航行する。


僕は今、雨の ....
追われるものを追うものの
山彦越える、相聞歌。
闇にまぎれ
主は言問う、
「戸は開けぬ、知らぬ、存ぜぬ」
読み人知らず。


送り火迎えて遥か
節句の里。
柴刈り、道拓けて
今か ....
暗黒の空の下には灰白色の砂が硬く積もっていた
海底は果てしなく広がっている

僕の銀色の船は今、嵐の大洋に来ている

大小のクレーターは蟹の足跡やヤドカリの巣穴のようだ

この嵐の大洋は ....
オリエンタレ・ベイスンから
いくつかの高地(テラ)と海(マーレ)を越え
ようやくこの海にたどり着く
小さな銀色の船を岸に寄せるけど
この岩だらけの灰色の海には水が一滴もない
すぐそばにアルタ ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動か ....
音もなくカルナヴァルはやって来た
花吹雪の中をカルナヴァルはやって来た
爪先立ちで熱狂する
サンバ
魂を奮い立たせる
アンゴラのリズム
髪にまぶたに乳房に腰に
音も楽器もなく花は降りそそ ....
切り倒したばかりの白木 刳り貫いて

船をつくろう 船をつくろう

亡くなった人の骸を入れるため

船の棺に入れて 愛しい亡骸を入れて

白浜へ挽いていこう 海まで挽いていこう ....
{画像=110126124855.jpg}

小さな南の島の
星砂の浜に
小さな青海亀が生まれました
波の泡のように柔らかな水色の甲羅を背負った
たくさんの子海亀たち
まあるいお月さ ....
とろりとろりと
日が暮れて
お社の石灯篭の暗い影
僕の背丈より
いつの間にか長い

鬱蒼と生い茂る鎮守の森
空にはねぐらに帰ってきた鴉の
黒く騒がしい群れ
忍び寄る夕闇せかされて
 ....
その髪は毒の蛇

歯は鋭い猪の牙

青銅の手に 黄金の翼を持つ

彼女の姿を見た者は

全て石となる

神話時代の醜い怪物メデゥーサ



乾いた丘陵のうえの神殿が

 ....
瑠王さんの楽恵さんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
布晒- 楽恵自由詩17*10-7-16
常夏常世_- 楽恵自由詩8*10-7-16
マングースとハブ- 楽恵自由詩14*10-6-26
マングローブ・ヨガ- 楽恵自由詩9*10-6-26
蝶の廃棄- 楽恵自由詩19*10-5-14
神日和の十三夜- 楽恵自由詩17*10-4-24
君の隣に海がある- 楽恵携帯写真+ ...14*10-4-12
チェビ砂丘- 楽恵自由詩1010-3-3
Mother,_Wife,_Sister,_Daughter- 楽恵自由詩8*10-3-2
ブラウニーの棲む家- 楽恵自由詩13*10-2-23
月面航海記(雨の海)- 楽恵自由詩16*10-2-4
鬼追- 楽恵自由詩6+*10-1-29
月面航海記(嵐の大洋)- 楽恵自由詩10+*10-1-23
月面航海記(静かの海より)- 楽恵自由詩11+*10-1-21
フクロウと北極星- 楽恵自由詩4*10-1-18
ファンタジア- 楽恵自由詩6*10-1-16
船葬- 楽恵自由詩13*10-1-4
アオウミガメの百年- 楽恵自由詩10*09-12-12
とおりゃんせ- 楽恵自由詩11*09-12-9
メデゥーサの眼差し- 楽恵自由詩4*09-11-26

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