人はいつか皆 
炎の内に燃える 
黒い影となり 
溶け去る 

異国の川の畔で 
数時間前に 
細い息を吐いていた老婆が 
白い骨になった時 

彼の脳裏に何故か  
旅立ちの日 ....
首より上を
他人のそれと
挿げ替えたまま

歩いていく
そんな人々を
横目で追いながら
私は
ただ、その姿を
見送っている





少女Aは
単色の ....
図書館へ行くと
いつも
てのひらに
穴が空けばよいのに

思う。

エラリー・クイーン

京極夏彦
に挟まれながら
金子みすゞ

アラン・ポー
に挟まれながら
真新 ....
(大人になった)と思う時 
すでに楽園は、消えています 

幼子のこころそのもので 
世界に瞳を開く時 
この胸はいのちの歓びに高鳴り 
すでに楽園に、入っています 

( 知恵の赤い ....
   {引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
 
 
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた

買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
夜中に
急にきみのにおいを思い出して
困ってしまった

ほら、
あれ、
なんだったかな?
あのにおい

きみの体温が隣にないことに
妙に動揺してしまっていて

どうしよう
眠 ....
寝る前に、これを明日の日付にするのが習慣になった。


別に、日付が知りたいわけじゃない。

ただ、毎日を刻みたいだけ。

一日、を感じたいだけ。

一体、もう何百回転がしたんだろうか。



そろそ ....
厚く



熱の積層する
太陽の谷間で


流水を浴びたいと


切望の淵



地虫は揚力を手に入れて

夏の途中、



蒸す草いきれは陰を追い



木々の葉をひるがえす

風もなく

 ....
夢みればいつも
きみは風になっていた

ぼくの右腕をまくらに
くうくう眠っていたきみは
もう、そこに吹くことをやめ
だれも頼りにできない
だれも近づけない青空へ
鎖を断ち切り
安らか ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの 
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
 ....
わける血のない石くれ
落ちるものは流れ
焼けたものは渇き
散ったものは滑り
登ったものは尽きる

かざした手からそっと
見続ける月の こうこうと湧く光り
だしてくれとどこかで
牙をむ ....
朝な夕なに
透きとおった四次元を開きながら
舞い降りてくる 
あさぎいろのかぜははげしい
 ....
つまらないことを
ひとつずつ重ねて

積み上がったところで
オーブンで焼いた

不満と愚痴を挟んだパイは
意外と良い出来栄えだった

ナイフを入れて切り分け
フォークを突き刺して
 ....
夏の乾いた心に結晶する
ホワイト・サイの六花
明け方 西の空に力強く
まだ月が見えたころのはなし

気持ちを繋ぐロープは
駅前の人、人、人で混線中
ひとまず心を落ち着けようと
スコッチ ....
僕はたくさんのひとを巻き込みすぎている

それでみんなを

幸福にしているのならいいのだが

ついて来れないひともたくさんいた

僕は反省もするし、確信もするし、

でもさいごには ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける


風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る


傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
生まれた家の前 
坂の途中に
おそろしく大きな石の門が
その中に白い木造洋館

年老いた医者のいる医院で
診察室の窓枠は
白塗り木の窓枠
窓の外には枇杷の木が…
枇杷の葉が風に揺れて ....
長雨は
母の辛抱
わたしの鏡に降り続く

快晴は
彼の信頼
わたしの鏡を照りつける

そしてうつくしい反射が生まれ
記号化していた言動が
{ルビ漲=みなぎ}るダンス・ステップになる ....
僕らは虚ろな階段を
カモメのように
カメムシのように
ひらひらと
ごそごそと
やりながら
途方もない一段を
へろへろと
へろへろと
のぼる


 ....
もう何がリアルで何がフィクションか
わからないくらい
嘘をついてきた

嘘で満たしたプールの中に泳ぐ魚たち
本当のことを言うと誰にも相手にされないから
作り笑いを浮かべて 話を作るのがうま ....
コーヒーのほろ苦さと
目薬の爽快感は
身体と一部となり呼吸する
デジタル時計に追い詰められて
日常生活とは何なのか、と
自問自答し仕事する


荒廃した感情を持ちながら
白昼夢に手を ....
花の後から雨が降る。
雨の中から花が咲く。
その後煙る雨が降る。

花に嵐の喩えでないが
さよならだけで死ぬものか。
さよならの後雨が降る。

いつまでたっても雨が降る。
梅 ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。


雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
人体模型を見た時、心が無かったことに気付きました。


けれど、もし。


もし、心が在るとしたら、ありがちでしょうが、


それは心臓あたりでしょう。


今、ズキズキと痛む ....
たくさんの後悔の間から
こぼれ落ちてくる綿埃のような溜息は
やはり全部後悔だ。

黙っていると
まわりの空気が
鈍い鉛色の重みをもって
締め付けてくる。

その中で蠢いている自分は
 ....
夢がまた落ちてゆきました
いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます


君には誰も読んだことのない本を読んでほしい
うまれる星の話
海に咲いた永遠の話を
世界中の誰も ....
地面に落ちたタバコから 
煙がひとすじ昇っていた 

誰にも気づかれないよう
踵で踏んで、消しておく 

いたずらな風が吹いて 
火の種が、人の間に 
燃え移ることのないように 

 ....
陽は斜めに射して蜜蜂が群れる
垣根には今年も薔薇が咲いた
みんな二人だけのもの
手をつないで小径を駆けてゆく


ぼくたちは (わたしたちは)
村はずれにひとつの廃屋を見つけた
秘密の ....
ほしぞらみたいに黙っていたら
追憶が加速していった
メリーゴーランドは架空の天気をかかげていた
7月15日は存在すらしなかった
とてもしずかに追い越されたニュートラル

 ....
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