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今すぐにあの憐れみが欲しいの、と わたし揺れてる 吊革みたいに
不特定多数のからだは湿ってて乾いた肌を忘れそうです
あおむけで爪先ぴんと伸ばしたらさみし ....
とうさんに教えてもらった花たちを遠くの町でさがしています
こころにもないことを云うあの人の こころはいったいどこにあるのか
帰る度 花がふえてるこの家に 娘はいない(むすめはいない)
わたしは一度だって空を見下ろしたことがなくて
たとえばそんな風に
きみを感じていたいんだ
わたしの瞳に沁みる果てしない色の
その不確かさを
できるかぎり
ながく ながく
....
{引用=
ただただ白い部屋で
打ち寄せる雨を聞いている
恋人は壁に向かって立ち、
このキューブに広がる柔らかな影だけがわたしの在りかで。
降り続く水分を
冷えきったグラスに ....
{引用=
よくわからない
そんなよくわからない感情もよくわからない
満ちて満ちて
それだけでいいはずのものが不完全になっている
理由をさがす指先が紫になっている雨の日に
隣人の嬌声 ....
{引用=
チョコレートがきらいです
チョコレートがきらいです
チョコレートがきらいなわたしは
うまくひとをあいせない
チョコレートって見るたびに
それは板チョコでひいんやりしていて ....
こぼしちゃいけないってがまんしているきみの
その眉間のしわが好きなんです
吐息が融解していく夜の海に
降りしきる雨はひそやかな銀
さようならをうまくただしく言おう
そのためにわた ....
{引用=
なんにもないとおもっていたあのころが
いちばん
うしなうことをこわがっていた
わたしの手に
だれかが触れる
小さなやらかい繋がりが
ほしがればほしがるほどとおくなる
....
{引用=
経血の、色も知らないきみですが こどものれしぴをしってたふしぎ。
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{引用=
絵具を溶く指から香るあなたの匂い。だから時々描けなくなるの。
滲み出す画面の先に春があって たまらなくなるから青色を塗ろう
大好きなふたつのものを区別する、わたしの ....
「ほんとの自分は」っていう人が苦手です
そんなものはペルソナを知らないだけにすぎなくて
だからって知ってることはなにもそんなに偉くない
「あいしてる」って声高にいう人が苦手です
そう思 ....
{引用=
君がいて ほどけるきもちにつくなまえ 留めるホチキスさがしているの
君がいて 境界線を塗りつぶす その為だけの世界地図買う
君がいて きゅうにほしくなっ ....
{引用=
鉛色の風が
立ち竦む香りをわたしの額に浴びせる
(さざんか さざんか)
嘘つきたちの赤い舌びらが
一面に敷かれるこのアスファルトの上に
膝をついている、足を汚している
....
酒で意識が蕩けていく瞬間
わたしが何を想うかは知らない(誰も知らない)
男友達の顎の下の陰であったり
女友達の腕の白さであったり
簡単には片付かない酔うままの気分で
わたしはよるをはかりもし ....