振り向かない力が
勇気となって
道のない前を
歩いてゆける
淋しくはない
振り向かない力が
翼となって
果てのない空を
飛んでゆける
悲しくはない
振り向かない力が
光と ....
少年は遠い空を眺めて
何を書きたいのか
何を描きたいのか
考えていた
空は高いまま
少年は青年になり
広い空を見渡して
何を書くべきなのか
何を描くべきなのか
決めていた
空は ....
一月ついたち
凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした
まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒 ....
優しさの
定義の途中で
悲しい君を抱き締めた
何度も何度も
抱き締めた
放熱温度は数千
おそらく加護には不向きな温度
僕は何もかもの途中だった
汗をに ....
1
夥しいひかりを散りばめた空が、
みずみずしく、墜落する光景をなぞりながら、
わたしは、雛鳥のような足裏に刻まれた、
震える心臓の記憶を、柩のなかから眺めている。
(越 ....
青く光る宝石
透明で輝いて綺麗で
命を大切にする石
全てを吸い込む
悲しみも
嬉しさも
寂しさも
楽しみも
気持ちを全て吸い取り
石にしてくれる
素直に正直に
話せば、石 ....
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい
葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい
うんと背伸びをする
湖面が揺れ ....
ましろい表紙の中心に
産み落とされた
原石の塊
見えない核に宿る(詩)に結ばれ
六つの方角へと
自らの背を伸ばそうとしている
( 遠天の夜空に燃える太陽
( あるいは明け方 ....
いのちの大切さって何だろう
きれいごとでは済まされないこと
野生の獣が弱い生き物を捕らえ
生きる糧とするように
人間だって経済動物と言う名のもとに
生き物のいのちを断っている
(ひとのいの ....
私は去りたい
貴方が欲しい
会いたい
消えたい
もう我慢ができない
追いついて行けない
どこかへ飛んでゆく
もう持堪えられない
頭痛がして
悲嘆に満ちて
弱く従順なもの
....
ドアをあけたら
新年はじめての
ひんやりした外気が
メントールのリップをぬった
くちびるに染みて
まだ夜も明けきらない街灯りへ
飛び出していく
銀河鉄道のように
走っていって
....
たいして金のないわが家に
いずれ残ったら金をくれと言っていた
付き合いの長いSさんが来たので
眉をしかめていた僕は
家にいたくないので外へ出た
散歩の途中
なだらかな坂を上 ....
2007年は、
初日の出からはじまった
空のある部分が赤らんできて
山の端が光ったと思ったら
ぐんぐんと日が昇ってきた
地球は自転してるから、
日の出と日の入りは同じ現象のはず
でも ....
あ、
あさごはんが
きょうもやわらかい
そしゃくされた
いのちが
おなかに熱くしみとおる
やわらかくなって
この手に
とどくまで
いったいどれほど
かみくだかれたの ....
だめですか
勉強して偏差値上げなきゃだめですか
勉強したら
人を殺して良いですか
だめですか
台本通りの服装で台本通りに泣かなきゃだめですか
その通りにしたら
自分を殺して良いですか ....
哀しみのあなたに
なす術をもたない
わたしもまた
その非力さゆえ
自らの存在に
哀しみをおぼえる
星の瞬きの
ひとつひとつが
人の願いというならば
わたしのそれは
確かな理由を ....
自分の街の空の向こう
自分の目では見えないけれど
青い空がつながっているのだから
きっと青い空にちがいない
自分の街の空の向こう
自分の肌では感じないけれど
冷たい風が向かっているのだ ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
午後に吠え夜に己れの洞に哭く肉の{ルビ葛=かずら}に囚われし我
消えてゆくひとりの時間ゆうるりと道に{ルビ描=か}かれた雨音のよに
午後に墜ち静かに ....
発掘した漫画おもしろ過ぎて続きを探して掃除続かず。
「あそこに手が届く?。
わぁ!足も届くんだ!。
すっごいねー。」
おだてられました。
天窓 ....
朝、
雪が降っている
まっしろな空を見上げると
うそが
落ちてきたよ
つむじの風といっしょになって
転がって
そうして
通りゆく人びとのコートをかすめ
ふらっと
ぼくの背中を
貫 ....
仕事納めの年末に
1月から他部署に移動するAさんと
老人ホームの風呂場を{ルビ掃除=そうじ}した
「 わたし家では掃除なんか
ろくにしないんですよ〜 」
とにっこりほほ ....
ないよ、
とくにない
まったくない
と、いう事もないが
餓えもせず、
とりあえずは寝床もあって
飯が喰えたら 好しとしなけりゃ
テレビも見れるし、
女がいて
子どもが育って
ま ....
終わりが見えないほど
想い続けた夜のこと
私の中で舞踏曲が
鳴り始めます
もはや私のためには存在しない
あなたも一人の人間であることは
間違いないのです
だから私は人間にではなく ....
詩人のさだめとして
生きることは
茨の道
自分の苦痛をフィルターにかけて
美しく輝くものに変えねばならない
世間の不条理
我が身にも降りかかる
ある時は
腐臭ただ ....
静かな湖面に
あなたとわたし
ふたりきり
いつもは感じ得なかった
あなたの男らしさを
ちょっと見直してみたりして
(フレアミニなら喜んでくれたかな
季節はずれの湖面に
あなたとわたし
....
勤める店のある街には
空は上にしかない
疲れた街路樹から
遥かに上
高く遠く硬い
季節は駆け足で過ぎてゆく
日々は戻らぬから
私は大人にしかなれず
この街が似合う年になって
こ ....
愛している
心の底から
愛している
いとおしい
何もいらない
貴方だけでいい
何もいらない
話しを聞いて
心は澄みわたり
心は穏やかになり
体は責任を負い
体は喜びが満ち ....
旅をしたい
計画のあるものではなく
行きたいと思った時から
電車に乗っている
どこで降りるのか
わからないけれど
どこか遠くへ行ってみたい
旅をしたい
目的のあるものではなく
感 ....
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く
人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている
時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
....
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