うそつき
iloha

朝、
雪が降っている
まっしろな空を見上げると
うそが
落ちてきたよ
つむじの風といっしょになって
転がって
そうして
通りゆく人びとのコートをかすめ
ふらっと
ぼくの背中を
貫いた。
うそが
肺と動脈を切り裂いて
血まみれの
あなたの胸に突き刺さる
ぐさっ
人、
人の間を
くるくると
落ちて
うずくまりながら
拾い上げると
それは
あたたかく鼓動している。
オリオンが傾いていく夜に
ぼくの心臓から
あなたの目玉の裏にまで
うそが
根を
張っていくんだろう


自由詩 うそつき Copyright iloha 2006-12-30 11:39:07
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