しろい花
きいろい花
むらさきの花

白い作為
黄色い極限
紫の無意識

対象知らず
しるしなき
供花は咲きほだされて

立つ雲
しずかなる
狂歌は所在なく奏でられ
どういう縁かは知らなかったけど、ひと夏、おばあさんが家にいた。

でしゃばらない、口数の少ない人だった。

私は小学6年生。すきな人がいて、友達がいて、楽しかった。

「主人は、三男坊 ....
ぼくは詩を書きたい

人はどんなに不器用でも
自分の道を自分で創らなければならない

今日もまた

朝の散歩をしていると
雲に出会いました

空には雲が流れ
地上には人が流れる
 ....
夜明け前に
起き上がった俺は
残骸を見る
無邪気に笑う笑顔の影
闇が消える刹那の
野望は崩れて
やがて殺人的な光が
俺を打ちのめすだろう
金色の光の一筋が
俺の身体を貫くだろう

 ....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の 
背中の肌が見える短いTシャツには

「 LOVE 」 

という文字が書かれていた。 
 ....
1人淋しい夜が明け
    人知れず街並みを見つめる

  カーテンから零れる日だまりの中で
      急に涙が頬を伝う
 届かなかった想い 言えなかった感情(きもち)

   もう  ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
君はまだ
あのねっとりとした
亜熱帯の密林を
アロハシャツの袖
ゆらゆらさせながら
歩いているのか?

お父さんには会えなかった
お母さんには無視された
お姉さんには追い返された
 ....
シソの茎は四角い
スミレには出っ張りがあります。
ナデシコは二つの葉が一緒に出ています。
モミの葉は痛くありません。

メイシャン豚は豚の原種です。
ロバと馬の子がラバです。
海亀の涙は ....
いつも通り
夜のなかに手をつっ込み旋回

ぐりぐるぐるり ぐるん、

感触は鈍い温さを保ったまま
僕の右手におりて狂喜乱舞だ
そんなエレクトロレトロ

テトラトレトロ、トロ、

 ....
気になる
気にする

木になる
木にする

おなじ「キ」なのに、「木にする」はおかしい
何を木にするのだろう
あの人を木にすると魔法使い
ぼくが木になるとお友だち
知らない ....
ぼくは詩を書きたい

つながりというものに
明確さは必要ない

今日もまた

朝の散歩をしていると
緑道に出会いました

緑が生い茂る夏
緑が似合う夏

歩く道も
なるべく ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり

小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる

   夏は夜

浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
銀糸雨が空に
幾度も、線を弾き
鉛をかじった蜘蛛が
身体を溶かして
あの青い蝶を待っている
しと、しと、と
落ちるのは涙か、糸か

蝶は巧く銀糸を解いていって
 つまりは現在、街灯が必要な時間
 月は夜露に濡れ
 よりいっそう鈍く輝くのに
 ぼくの周りはただ沈黙がざわめき、
 時に彼らはこちらをいっせいに見やる
 
 幼いわたしはいつでも作り物
 ....
ぼくは詩を書きたい

それぞれにはそれぞれの美しさがあり
それぞれの美しさだからこそ
その美が存在する

今日もまた

朝の散歩をしていると
朝露に出会いました

 葉の先にまば ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた

―― ....
ぼくは詩を書きたい

生きとし生けるものの声
それは生物だけではない

今日もまた

朝の散歩をしていると
鼓動に出会いました

それは吹く風の音
または川のせせらぎの流れ

 ....
真夏の夕陽に染まるさざなみは
あなたの肩越しに遠のいてゆくばかり
深めに倒したナヴィシートで
あなたの好きなラヴバラードに酔いしれて
日焼けしてしまった首筋に心地よくて
小さなため息をひとつ ....
明日がない
今日が苦しい
昨日はいらない
人生めちゃくちゃ

希望を下さい。
命を下さい。
鏡を下さい。
世界で一番美しいものはなに?

過去を捨て
現在を生きる
輝く夢を見て ....
夕やけこやけ
身を焦がし染まっているのは
女子高生

夕やけこやけ
鍵っ子寂しくつく家路

夕やけこやけ
セクハラオヤジ
今度やったら訴えてやる

夕やけこやけ
また明日
悲 ....
昨日夜更かしして

寝不足で思考回路がエンスト

感情をむき出して

僕のステージの上で叫び歌う

僕の詩はつむじ風にふかれ

世界に流れていく

曇ったこの世界を

はっ ....
君去れど

甘さけの香は

色褪せず

宵に怯えし

枯れ尾花かな
花の名前を覚えた あの日
愛しい人が指差した
ライラック
陰りゆく歩道
いまにも 雨

コンビニの駐車場
一匹の子犬
しきりにしっぽを振りながら
通り過ぎる人を見上げる

その先 ....
ぼくは詩人

静寂なる空間は心を癒し
癒す心は静寂を創りだす

今日もまた

夜の散歩をしていると
月の光に出会いました

澄みきった夜空に
煌々と輝き
ぼくとぼくの心を照らす ....
ポケットに入れっぱなしにしていた

まなあたたかいビスケット食べ

ほろ苦い味が口の中に拡がり

なんだかしょっぱいなと思ったら

嗚呼何だ、瞳から落ちる雨のせいかと

確認したと ....
悲しみは なぜ
訪れるのだろう

忍び足で 近づく音もたてずに

涙は なぜ
こぼれるのだろう

想いの泉 溢れて・・・


自分に素直に やさしく生きる

そんな子供が 生 ....
満たされぬくらいでちょうどいい恋を笑えるほどの余裕もなくて


降りそそぐ陽射しの下で抱かれたい滴り落ちる果汁のように


日没を待ち侘びながら夕化粧君の前ではオンナでいよう


短 ....
大量にバスケットの中につっこんだ

様々な商品はレジなんか通さず

その場でかぶりつく

繋ぎだした僕と

未来の僕との距離に

羽ばたいて行け

今少しずつ確かなモノになって ....
荷物が重くて
帰り道が遠い夜も
星が しゃん、と
鈴を鳴らすことがある

鞄で傾いた右肩を
白銀色の響きが
そよ風となって撫ぜるから
もう少しだけ進んで行ける

余韻の尻尾
 ....
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