今日一日を生きることで
精一杯だったので
寒い日だったことは覚えているけれど
空が透き通るような青だったかどうかは
わかりませんでした
今日一日を生きることで
精一杯だったので
温か ....
日曜の朝に
壊れた呼び鈴を
連打する音が聞こえた
嫌な予感がしたが
案の定
片手にバナナを一房
買って来ていた
聞くまでも無く
勧められたが
断わる事にした
横で
一 ....
水素原子と酸素原子だけが
一定の割合で結びついてできた水は
確かに純粋な水であろう
綺麗な水なのかもしれない
では美味しいのか
答えは否であろう
純粋な水ほど美味しくない
ならば ....
疲れた身体を横たえて
ひっそり眠る午後の一時
モノクロームの夢の後
窓辺に花が覗いてた
ここは僕のオアシス
すべての道に繋がる入り口
生きてるという勲章を誇りに
明日 ....
彼女がいた
いく度も抱きしめた
東京を去った僕は今ここにいる
送られたままの荷物をひも解くと
数ヶ月前の君がいた
僕は深く
深呼吸をする
そうして昔そこに在った
君の体と、口づけ
甘 ....
封筒をあけずに
君からの手紙を読む
(もう街は雨雲でおおわれています
(まだ雨は落ちてはこないけれど
(まるで街全体が行方不明になったみたい
そう、風に
誰かの手紙がとばされ(行方 ....
時に逆らって
時計を上下逆さにしてみた
秒針の動きは変わらないので
結局
今日の予定が頭の中を過ぎてゆく
時に逆らって
時計を裏返してみた
時を見ることはできないので
結局
次の ....
幼い頃に広かった幼稚園の庭。大人になって訪れると
不思議なほど狭くなっていた。密かに憧れていた保母
さんは、ふたりめの赤ちゃんをだっこして。お腹の太
ったおばちゃんになっていた。
年を重 ....
昨日とゆう過去
一時間前も過去
一分前も過去
一秒前も過去
もう二度と戻らない
時間とゆう平等な歴史
それって秘密だよ
思わせぶりに微笑んだ
あなた
ドラえもんじゃないくせに
ポケットから何やら取り出しては
桜の木に振りまきはじめ
(まだまだ寒いよと眠ったままなのに
まだかまだかと貧乏揺 ....
月のしずかを詠むほどに
月を
寡黙に封じ込む
聴きそびれていたかも知れない
のに
細い肩には雲をのせ
風をたよりに
風さえも
去り
物云わ ....
ふいにまた一羽の鳥が飛び立ちて
束の間の夢心をよぎる
街角でつがいの鳥の歌を聞く
アナタナシデハ/アナタナシデモ
啼くな鳥涙ながすなうつむくな
唇かん ....
ひとひらひとひらと
空から雪が舞い落ちて
小さな小さなその粒は
一つ一つの言葉のよう
ゆらりゆらりと
空から風が吹き流れ
右へ左へ漂いながら
言葉と言葉をつなげ合う
ひとひらひ ....
苦節六年程度の事であるが舌で鼻をほじる練習をしている。
厳しい道程ではあったのだが左穴はこなせる様になった。
しかし右穴が手強いのは顔面が左右対称ではない為か。
どうしても核心に迫る程にじり寄る ....
夕暮れ間近に
降りだした雨は
氷のように
冷たくて
見る間にそれは
視線の先を
白く染め変えた
あなたのと
わたしのと
それぞれの窓から
同じ雪を見て
初雪だねって
文字を ....
あなたは今
ある地面に立っています
これからあなたはその地面から
上に行くのか
下に行くのか
二つの中から一つ選ばなくてはなりません
上に行く場合
足元が不安定になりますが
高 ....
隠すことはできても嘘はつけない
たとえばインターネット
自分ことは隠せても
相手から聞かれたら
嘘はつけない
うまく隠せても
嘘はいずれわかってしまう
隠すことはできても嘘はつけ ....
貴女が居るから私がいる
私が居るから貴女が居る
貴女が愛してくれるから私も貴女を愛する
私が愛するから貴女も愛してくれる
貴女が生きているから私も生きる
....
漫画のような
テレパシーのようなことさえ起こる
恋愛とかないかしら
たとえば、
あたしにとても悲しいことがあって
それでも恋人にはいえないの(*´艸`)
それで、
その彼は少 ....
{引用=
一、擬人法
かなしむこころではなくて
かなしみという言葉を覚えなさい
よろこぶこころではなくて
よろこびの色彩に詳しくなりなさい
問うことはよそ ....
風の中で何かが消えた
それは生きてきた中での何かだった
それは
その時のその場所によって
様々な変化と成長を続け
その日のその情景によって
豊かな感情を創り出した
同時に
風の ....
暖冬と言えども やはり冬は寒く
去年の寒さと比較など出来ないのは
記憶力が悪いからでしょうか
「痩せ過ぎ」と医師に言われるほど痩せているからでしょうか
詩を書こうと思うと
長年付き合って ....
赤い糸が見えるなら 黙って斬って
脈が打つままに 起こして狙って
眼鏡はずしたほうが 視界がぼやけて
あのひとのこと 想像しやすいでしょう
誰かの代わりでも あなたがいる ....
「にゃーにゃー」
「にゃにゃ?」
ご主人さまが
猫語を真似て
話しかけてくるけれど
何を言ってるのか
さっぱり
わかんないニャン
ここはひとつ
狸寝入り
じゃなかった
猫寝入り?
冬の陽ざしがうれしくて
君は僕に笑いかける
あたたかな冬の光がまぶしくて
君は泣き顔をして横を向く
風が山茶花の花をゆらして
通り過ぎていった
その花に触れるのはおよし
君はそこ ....
心の中にある草原に
乾いた強い風が吹いているので
雨を降らせてみました
大きな虹が架かかりました
心の中にある森に
細くて尖った枝が軋んでいるので
葉を茂らせました
多くの鳥がさえず ....
○
。
。 ゜ 〇
ぶくぶくと発酵し、
白く泡立った発話の音が
プチン、パチンと弾ける刹那
手織の薔薇に包まれた沈黙の森へ
貴重な琥珀金を含んだ飛沫を散らす、
ランゲル ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
日本人の魂
日本人の心
日本人の謙虚さ
日本人の淡い心
短い命
短い楽しみ
短い生涯
短い思い出
風の瞬き
風の音
風のいたずら
風のたわむれ
桜の舞
桜の花吹雪 ....
もともと人は
生きづらい中で
生きやすい生き方を
夢見てきた
その日を生きるのに
苦労して
やっとの思いで
夜の眠りに就くことができた
いや
明日が不安で眠ることを
許されない ....
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