一、たらちね

ふるさとの町は
訪れるたびに輪郭を変えてゆく
けれど
夕暮れどきに帰りつけば
あいも変わらぬ暖かさで
湯気の向うから微笑みをくれる
あの人のおかえり

ただいま、と ....
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
きみと過ごして朝、家にかえる

駐車場にはうっすらと雪

子供たちがクリスマスプレゼントをあけていた


きみのこころを

コピーして

オレの胸に貼る


きみと過ごして ....
クリスマスローズは薔薇じゃない

電飾まみれの、トウカエデが、
アオ、とミドリに照らされた、
噴水の、プールにも、映る。
ラッパを吹く天使たち、と、幼く
小さなトナカイたち、 ....
廃校の焼却炉にある入口に「大人禁止」と落書きしてみる


前足を失くしたぎこちない夜と散歩しているひとりきりの部屋


ループする16系統降りられずブザーのありかを君はしってる


 ....
ひとにぎりの世界しか生きていなくて
端と端が繋がって
わたしからは
到底、端が見えない


いつの間にか
周りには繋がりだらけで
端にいないわたしたちは
宇宙の端が見えなくて
 ....
わんと鳴いたから
「ぼち」

わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする

とげぬき地蔵じゃないんだってば

雪が降って ....
あいつが吠えてるよ
母親に毛並みが嫌いといわれて
吠えてるよ
妹の庭で吠えてるよ
姉の美味しいご飯を大好きな
僕の優しい言葉が大好きな
首輪のとれたあいつが
父親に寝相が悪いといわれて
 ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする

こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ

だんだんと色が濃 ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....

みずいろのさかなを
凍ったうみで
凍ったうみの
その下で泳がせている

気泡の、結晶
つめたい手
掬うことのない
うたがう事もないさ
たとえばわたしたち
ストレスにまかせて
 ....
幾度も、なんども
夢から覚めると右手にアクセルの感覚と
四天王寺から日本橋へ車線変更
遠く、象の鳴き声を聞くのです
松屋町筋へ曲がるという
思い出のような物語はいりません
ビル風に吹かれて ....
引力について

月と地球

地球と太陽

おなじちからで

引き合っているとする

結果としてそういうことにする


気まぐれで

出会い、別れて、

連絡とりあって ....
せつないことの

ひとつくらい

かたむけたグラスで

ころがしてみれば

遠いあのひとは

かげのかわりに

 かぜのなか  かぜのなか


あなたをよんでみる

 ....
春 夏 春 と ずっと繰り返すものなんだと思ってた

彷徨って 流離って 笑って



早く眠れば良いのに 睡眠不足のくせに
ひとりきりの部屋で 誰に中指たててるの

水分補給も ....
プラタナスの高い梢の先で
まるい種子が揺れている
風の匂いが蒼くあるのは冬しるし
澄み渡る空気に月は銀色に光る

耳をすませば
眠る者たちの息づかいまでもが
聞こえてきそうな静寂
まだ ....
ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
 ....
12月になると それとなく
あなたはジョン・レノンのアルバムを引っ張り出してくれる

音楽なんてアニメの主題歌ぐらいしか知らないくせに

ビートルズも クラウス・フォアマンのジャケットデザイ ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
この恋は無色の花火だ
きらきらと焼失してゆけ
plastic piece



終電の流線形の窓の灯を数え切れずに途中下車する



くずかごに名前をちぎって捨てる朝
涙はなんで ....
大好きな、あの人と同じ位置に ホクロが欲しいの


左眼の下 ナミダボクロ

削って尖らせたエンピツを グサッと刺して、ポキッと折って


私も ホクロをつくったわ

これ ....
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした

と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど

でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
もしもここに
うつくしい空き箱があったなら
お風呂のように入って
外を眺めよう
風の吹く
外はやさしいように見える
口笛も吹こう
あの懐かしい歌

箱の片隅には
ヒイラギが落ちてい ....
わたしは夜を求める
濃紺の空と赤い星を求める

きみは夜を求める
藍の雲としろい月色を求める

ふたりが求めた夜の中で
風見鶏は廻ってゆく
流れ着く先を知らず
また
愛情、の何かも ....
黄昏は
銀杏をゆらし
金色、降りそそぐ
風の{ルビ音=ね}、葉の{ルビ音=ね}
寄せては返し
伸びた影にも戯れて
落ち葉の色を並べて遊ぶ
孤独を愛しいと思うとき

胸の内を
やさし ....
君の仕事が終わるのをずっと待ってて
ふたりで買い物に出かけた

“今年のワインは美味しらしい”って
ボジョレーとチーズを探した

知識も教養も君が上だし
任せてしまってるけど
 ....
都会に住みはじめ一番変わったのは
靴が汚れなくなったこと
母に駅まで長靴持ってきてと頼んだのは
実家に帰った際の笑い話しとなったし
でこぼこ道に足をとられることもなくなった

色とりどりに ....
闇にうまれた水滴

   。

 。
      


   。


  。


音階があるならば

   。

 。
      


   。


 ....
遠浅の君の背中を泳ぎたい
やさしい舌で湿った方まで


放課後の残照/レモン/青い皮膚/
カーテンの船/影を重ねた


片肺で息をしている猫みたい
爪で傷つけあって笑うの
 ....
まどろみの向こうで
たまごが焦げる
かしゅ、かしゅ、と三つを割って
手馴れた指は
ぬるく充満した昨夜の空気と
朝とを掻き混ぜたのだろう

ふっと白くなる意識と
休日の実感とを
贅沢に ....
Rin.さんのおすすめリスト(1711)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春へ- 佐野権太自由詩13*08-1-7
ひとつひとり- 石畑由紀 ...自由詩3307-12-30
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Christmasサンド- 北大路京 ...自由詩12*07-12-22
大人禁止- しろいろ短歌5*07-12-22
ひとにぎりの- 小原あき携帯写真+ ...9*07-12-20
ぽちたま- 恋月 ぴ ...自由詩21+*07-12-16
やさしい、庭で- たりぽん ...自由詩9*07-12-15
ふゆの空蝉- 銀猫自由詩18*07-12-14
薄明(嘘つき)- たりぽん ...自由詩1107-12-12
みずいろ- 唐草フウ自由詩18*07-12-9
RZ250、時刻は夜明けの2時間前- たりぽん ...自由詩7*07-12-9
引力について- 吉岡ペペ ...自由詩207-12-8
かぜによばれて- 吉岡ペペ ...自由詩2+07-12-5
春、夏、春- 北大路京 ...自由詩7*07-12-4
月を狩る- LEO自由詩13*07-12-3
ねこのはなし- 恋月 ぴ ...自由詩30*07-12-3
I_love_you_now_and_forever- 北大路京 ...自由詩6*07-12-2
フィチカ- ルナク自由詩44*07-12-2
地下室の海- しろいろ短歌8*07-12-1
ホクロ- 北大路京 ...自由詩7*07-11-30
りんごの詩- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-11-28
うつくしい空き箱- ふるる自由詩28*07-11-27
夜のさかな- 銀猫自由詩23*07-11-25
イマージュ- LEO自由詩12*07-11-22
11月のワイン- 北大路京 ...自由詩7*07-11-18
ドアの向う側- 恋月 ぴ ...自由詩27*07-11-16
水滴- 吉岡ペペ ...自由詩707-11-16
過呼吸の猫- しろいろ短歌7*07-11-16
オムレツ- 銀猫自由詩27*07-11-15

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