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心
静か
に、耳を
傾けよう。遠
くに聞こえて来る
....
あの螢祭の夜
ミルクの河 渡った
ボクの手が少しギュッとして
キミは 痛い 顔を{ルビ顰=しか}めた
力の加減を知らない
ボクを許して
少し折れてしまった指
キラキラしながら
....
実験的に無駄を省いたら
風も 木も 波も 空も 木霊も
みんな みんな 同じリズムで
繰り返している
少しずつズレていくのは
それが少しだけ違う音になって
だんだん 少しずつ変っていく ....
ささくれだった赤土に
ひょろりと一本伸びた草は
悲しみへの道しるべのようだった
足が痛い
靴は山肌を滑って
僕は赤土に染まったのか
赤土を染めたのか
渇いていることが大人ならば
....
その夜をすぎると
その夜をじぶんに
刻みつけなければ
ならないとおもう
十五もとしうえの
青年と口論となり
納屋で夜を明かす
少年の涼しい目に
月のひか ....
わたしはまだ熟していませんと
果実が云っているのに
かまわないよと
あなたは嬉しそうだ
故郷の味なのだろう
枇杷は好きじゃない
けれどそれは枇杷も
知っているようだ
わたし ....
この地でいちばん
高い建物から見る北の海は
ひかる帯のようだった
そこには
かつてこの地で受けた
恥辱や挫折がにじんでいた
それでも失えなかった
希望のようなものもにじんでいた
この地 ....
チリチリ、
チリチリ、
私ヲ通ッテイッタモノ、
出掛ケニ魔除ケノ鈴ヲツケ、
帰レバオ清メノ塩ヲ撒キ、
ソンナ日々ガしばらくハ
続イテ
チリチリ、
チリチリ、
遠ザカル ....
(1)
あなたにはじめて出逢ったのは
この廃屋が未だ駅舎として機能していた頃のこと
夏草の浸食に怯える赤錆びた鉄路と
剥がれかけた青森ねぶた祭りのポスターが一枚
この駅を訪れるひとと ....
蓮の葉ベットの上 雨水が風に合わせコロコロ遊んでる
水玉が転がる やわらかさで 落ちる闇の雫 揺れる花
心情も背景もモノクロで
理屈ばかり浮かんでる
疲労の蓄積に心も肩も背中も凝 ....
淋しさが
大洪水に
なりそうで
ココロの扉
ぎゅっと閉じてた
隙間から
溢れ始めた
淋しさに
慌てて 本棚
椅子 ドアの前
ベニヤ板
金づちに釘
持ち出して
....
さかなになって
星を見つめる夢を見る
波打つ界面のもっと上に
潜る深海を見る
手をのばすと
満たされない世界を掴む
息苦しい自由と屈折率
さかなのうちゅうに
虹はない
夜 ....
あかあかと燃える火の下 己等の生を絡める弔いの夜
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それはあなたと南の島へ行った時のこと。
それは三年越しに果 ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる
視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
発車より八分早くついたのは期待じゃなくて不安のせいで
高速をひた走るバスに何もかも異化されていく私を残して
見たことのない看板はわたくしを歓迎してるか分からず怖い
東京に ....
空中炭素固定法
私は長い間、空気中の炭酸ガス除去法を考え続けていたが、今日いちおうのアイデアだけを獲得した。これは日ごろ信仰している神の知恵をお借りしたものであると、確信している。
つま ....
楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない
百科事典が世界を壊していく
たとえば民族
....
この{ルビ季節=とき}こそと
一点の曇り無く
嬉々として
降り注ぐ陽光
風おだやかに
黒髪戯れる
木漏れ日揺れ
うつらうつら
遠退く意識の中
手招くまぼろし
誘われるまま
白 ....
駅ビルのミラーに夕陽が泳いでメールが飛び込んだ
都会の炎が抱き合う声を 早足で抜き去った
分解されてく真夏の星じゃ
不安や嫉妬の波から明日を予測してやいないか
楽しいこと
面白いこと ....
窓越しの陽射しが
薄いまぶたを通過する
汗ばむ髪をかき上げると
晩夏が私に混ざり合って香る
あの日に帰りたい
そう思ったことの無い自分が
幸せなのか不幸せなのかわからぬまま
季節がま ....
梅雨どきに疲れがでるんだなんて
あなたはやっぱり年をとったんだね
地球がうまく見えないんだなんて
ちょっと余裕なさすぎなんじゃない
かんぺきな芸術
あとだしジャンケン ....
窓ガラス流れる星を真似てみた雫が泣いて光る十五時
五月雨の最後の粒がしがみつく「ぼくはここにいたかっただけの」
{ルビ紫陽花=あじさい}の 濡れた葉に這う{ルビ蝸牛=かたつむり}
私のようね のんびり燻る
行動の 大胆な人 恐るべし
踏み荒らされた 丹精こめた
自己主張 認められたし 強引な
....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ
帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる
それなのにどうしてそんなことを言うのだろう
こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
この碗はわたし
ひんやりとした手触り
入っていたのはひと綴りのことば
自分に深い意味はない
ここまで来て
この次に至る中継点であっただけ
どうなるか分からない はいいろの海に
漕ぎ出し辿 ....
正でも負でもない0
0は虚数のようなものだ
実存から自由な
観念とは
0や虚数のようなものだ
ぼくはきょう
あるひとが美しいことを
発見したんだ
....
なんとなくって
あまり好きでないことば
でも毎日使うことば
なんとなく好き
なんとなく幸せ
なんとなくつかれた
意味なんて考えたことはないし
意味なんて
どうでもよかった
き ....
ごがつのかぜ、ごがつのかぜ、
さあ目を閉じて
さあ目を、
開いて
すー
はー
空から、山から、やってきて
ほほを撫でて
河童が顔を出して
また ....
かつて国鉄全路線に乗った
作家の宮脇俊三さんはこう書いた
「何かと不満の多い人間は
一度夕張線に乗るとよいと思う
いくらかおとなしくなるに違いない」
文句のある奴は夕張へ来い
文句のある奴 ....
なくしてしまったものが
消えてしまうわけではない
わたしのものでなくなっても
世界には全部ある
つまりそれは
みんなのものだけど
わたしものじゃない
すべてを知ろうとして
百科 ....
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