すべてのおすすめ
互いに背を向け
曲がり またたき
空と波を
指おり数える
月が隔てる言葉たち


手のひらの海
無数の帆
とまどいは澄む
濁りのあとさき


透明でもなく鏡でもな ....
いくつかの知識を失くしたために
それの侵入から逃れるプログラムを
組み立てられなくなった

僕は時々あなたと話しているつもりで
言葉を発していないことがある
あなたは僕を寡黙だと思っている ....
ちょうちょ

菜の花

羽のどこかに重たさを持って

原色を彩り続けて

その向こうに


ねえ

聞こえるかしら

見えているかしら


この先に ....
はやくおとなになりたいなあ
あしをぶらぶらさせて
リリコちゃんがいう
ほっとけーきをじぶんひとりでやいたり
(たこやきも とつけくわえる)
おおきないぬをかったり
ぱそこんでむずかしい ....
小瓶に詰めるものは
失くしたものなのです
悲しいものなのです

いいえそれとも

ザラメの飴玉
つやつやと輝くルビィの様なりんご飴
夢で拾った銀の螺旋

ああ、其らも失くしたもので ....
すなを ふむ
ひかりのかたちをした すなを

さされば いたいよ
ひかりをかたどった すな

ながされてはやく
てのひらにむていこうなすなになりたい

すなお
にぎりしめて くずく ....
       
          「ぼかぁ…こっちにいきたいんだよ」

 
        暗夜のY字行路に、かみそりの如く光るレイル


 
         中年で細身の車掌が傍 ....
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
木は影になり
しずくを流し
銀はせつな
銀はとこしえ


光の粒が
川になり
見つめるまなこ
満たすはじまり


昼の星の
糸をたぐり
ふたりで赤子を
紡ぎま ....
さびれた館の馬像の陰から
子供が数人こちらを見ている
塀は陽に照らされ指にやわらかく
その上で子供のひとりが
虫喰いの木洩れ陽を目にあてて笑う



水たまり ....
威風堂々 彼は荒野を行く
その足音は 大地を揺るがし
その瞳は 燃えるよう

ある者からは 恐れられ
ある者からは 忌み嫌われて
彼は広大な領地を手に入れた

一人の男が無断で入ってく ....
ピアノ、ピアノ、ピアノ
ピアノが招く
ピアノの国へ
音から生まれた
音の鳴る子が死んでいく
生まれることが寂しいと
音の鳴る子は死んでいく
船縁叩いて鳴るピアノ
ピアノの国から
ピア ....
雄株は欲情に駆られ
自慰を繰り返し
めしべは空気中から
出所不明の花粉を受けて
子を宿す

植物界は古より
一婦多夫世界を構築している
誰も僻まず
誰も疑わず

動物は一人きりを ....
「ねこの手」


ねこの手も借りたいような
忙しいとき

君はさりげなく
手伝ってくれるけれど

君の手が小さく動くたび
僕は何もできなくなってしまう


  *


 ....
意外なところから
闇が降りてきた

その中で書いていると
母が向こうを向いて
おばあちゃんと
しゃべろうとしている
しかしお母さんの許せない気持ちが
歯の形になり
お母さんの言葉は
 ....
観測史上最大級の台風が上陸した日の夕方
未確認の大型生物の屍骸が
四国のとある漁村の浜辺に流れ着いた

地元漁協の連絡を受けて
ある大学の海洋生物学の調査チームが到着したのは
発見から14 ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという


いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
 ....
”管制塔
 管制塔
 
 わたし、もう大人です”


インカムをつけた父親たちの
腕組みと低調な呼吸音
誰かが返答をしなければならないが
彼らは呆然という姿勢で腰掛けたまま
 ....
街には、真夏と人ごみがあった。
真夏と人ごみは、高架橋のしたの、タバコの吸殻を知りはしなかった。
ただそいつは、そのことを知っていた。

タバコの吸殻には、銘柄が刷り込まれていた。
銘柄は、 ....
空に高く 灰にひとり
思い出の外へ繰り返すもの
夕暮れのない夕暮れを見る
銀の鱗の目に指をあて
器をめぐる光と火を聴く
底にはじける姿たちを聴く


波を走る白い炎が
し ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動、鳴動、鳴動、
大気は夜を続けるも
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
暗く目を開けるだけで
何かを促す性能はな ....
朝の駅の構内で
改札の向こうからホームの階段を上る
黒い制服の青年が障害を背負う体を傾けて
こちらに向かって歩いて来る

眼鏡の奥の瞳には
いつも光を宿らせて
不器用な歩幅を
一歩  ....
駅の階段を上がると
おいしいトマトソースが食べられるパスタ屋さん
「どうして地下鉄が地上にあるの?」
そう聞かれても

コーヒーとパスタのセットは550円で
メニューは二つしかない
トマ ....
 加速中の一歩は、減速中の一歩よりはるかに重い。忘れることはたやすいが、思い出すことは更に容易だ。
 地下鉄を歩く。 

 離島をイメージする。
 ほぼ真円、全周三キロメートル、最高標高百メー ....
オレンジ色のワンピースを着て
散歩に行こう
目的はないけれど
一緒に行こう

あなたは

「心が血でいっぱいだ」

と書いていた

あなたの目に空が何色に写るのか
私の顔がどん ....
広い、窓のあった部屋
私の一部分がそこで途切れていて
確かな
薄い胸で必死に空気を集めていたこと
息切れと
ほんの少し気持ち良いと思える
ぴりぴりとした痺れとで
滑り込んできた電車は目眩 ....
歴史にもしもはないという
死傷者の数はこれから増えていく

けれども
出来ることは出来たのだと思う

病院はくずれていなかった
街は街ごと崩れてはいなかった

死んでしまっていたかも ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1198)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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終点の駅- 石川あん ...自由詩4*06-3-19
赤ちゃんが乗っています- haniwa自由詩81*06-3-10
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祭の客- 木立 悟自由詩606-2-11
ライオン- 和泉 誠自由詩2*05-12-2
ふたこぶ駱駝- あおば自由詩10+*05-10-29
植物みたいな愛し方- kw自由詩3*05-10-14
ねこねこねこねこ(ねこの詩よっちゅ+α)- ベンジャ ...自由詩4*05-10-14
それはかなしみのため- 石川和広自由詩8*05-9-20
ベリーちゃん- 大覚アキ ...自由詩805-8-25
奴への送らない手紙- たりぽん ...自由詩12+*05-8-24
少女飛行機- Monk自由詩1205-8-18
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白炎- 木立 悟自由詩605-7-14
クライシス- こしごえ自由詩11*05-7-14
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傾いた背中の青年- 服部 剛自由詩10*05-6-6
東京の駅- チアーヌ自由詩705-6-1
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心が血でいっぱいだ- 初代ドリ ...自由詩7*05-3-26
大きくはない、手で- 霜天自由詩905-3-23
地震直後- 小池房枝自由詩6*05-3-20

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