すべてのおすすめ
人間であることを返却する前に
再び人間となることを予約しておく
すばやい林檎の色に待ち伏せされては
夜道を歩く闇の物思いにかすかに混じっていく
滲んでくる朝と縫い合わされるために
人 ....
  きみは自分が誰かしっているのか
  湯で卵のはいったカレーパンを口にほおばり
  買ったばかりの黒い手帳に夢中になっているとき
  見境のない冬の風が 昨日のきみといまのきみを重ね合 ....
むしり取られ山積みされた路傍の名も無き草
人は一括りに雑草と呼ぶ けれど 
一本一本取りだし丹念に調べればたいそうな名が有って
いや 持たされて 力芝 車前草 藪枯らし 葛
ああくず 葛餅 葛 ....
むかし、
最初の言葉が毀れたとき
つまりひとりの身におとずれるさまざまな死の
最初の一日に触れたときに
その裂け目から吹く風を迎えすぎたのだろうか

あるいはまだ
ふさがっていなかったの ....
気が向いた時にだけ
分け与えられるビスケットは
とりわけ甘いことを知っているからか
三文小説のような歯の浮く台詞で
多少の喜びも味あわせてくれない

医者と ....
露天風呂に
注がれる湯を見ていた

細い竹筒を通って
それは 私のいる場所へと
落ちてくる
水面に触れるだけで 
透明だった湯は
たちどころに白く濁る

真暗闇なのに
ほのかに明 ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し

昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
俺は人々の存在する轟音にまみれて
轟音が轟音のまま無音になる瞬間を選んでは
明日の墓場に一歩ずつ歩みを進めていた
背中に美しい光がとてつもない重量でのしかかり
かすむ視界を泳ぐ言葉 ....
【乾期】

鉢植えが日ごとうらぶれていく
朝顔はもう咲かないだろう
ふたたび未来をつなげる種だけを残して
それでいいじゃないかと
乾いていく
ほんの少し私も そこで
足踏みしている
 ....
雷光と虹
透る曇
さらに高みの色を降らす
雪の無い
凍える径


銀と緑の
さかいめと折りめ
銀にも緑にも
照りかえす夕べ


四角く白い陽がわたり
角は廻 ....
こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。

わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。

いつもそうやって温度差があり
 ....
 四年京都に住んで
 今でもよかったと思うのは
 はる を覚えたことだ
 生まれ在所に戻ってからも言っている

 開けてはる居てはる植えてはるえづいてはる起きてはる
 噛んではる切ってはる ....
休みだというのに
僕だけが疲れていた
何もかもが夢の中にあって 確かめられないでいる
子供の頃のように
心の中から 流れ出している
生まれたばかりの頃のような思いが
表参道の墓場へと  ....
夕暮れの無人の教室に入った私は  
黒板に、白いチョークで  
自分のからだを描き  
胸には 我 と一文字書いてみる  
(その顔は、何処か悩んでいるようで)  

黒板消しで、さっと  ....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
みんなが寝静まったので
何もかも忘れてしまった僕は
いつものように、夜のタマネギを剥き始めた。
一枚剥くと
最後まで剥き終われば何かを思い出すはずだ、ということを思い出した。
もう一枚剥くと ....
いつもすでに記憶だった夏の日に
俺は裸体を晒した少年少女達と
沖合を鳥が群がる海を見たかったが
だれひとり気付かぬうちに
海原を舐めて広がる火の言葉に焼かれた
熱気だけが渦巻く無音の嵐に ....
言葉なんて要らない
あんなにも人を動かす言葉なんて要らない
街のさびれた一角の
小さな自転車屋の店内で
カンカン音を立てながら工具で自転車を直す
あのおじさんの鋭い技術が欲しい

 ....
薄暗い博物館の
階段下 脇

上半身だけの
腕組をした文覚像
その見開かれた眼

その視線の先には
首無き骸の袈裟御前

聞こえぬ絶叫の声と
絶望の表情

何思うか苦悩と ....
「お父さんは、いつもむっつりしてたけど
 家族は結構大切にしたんだよ。
 日曜日の度に色々なところへ
 連れて行ってくれたんだから。」
 
週六日精一杯働いて
やっと巡ってきた休日なのに
 ....
生前の祖父のことをよく覚えてはいない
祖父はわたしが物心つく前には亡くなっていた
抱かれた話を聞いても
、抱きおとされた怖さを聞いても
、色の剥げた写真に並ぶしわくちゃな姿だけが写る
 ....
汚染された少年は
灰だらけの翼を広げて
身を抱いている
汚染された少年は
ろくでもない世の中から
隔絶されたいと願っている
心が血を流し
私は気を失いかけ
果てのない悲しさに
果てを ....
かなしい

かなしい
のはしかたがないのだから
オレンジいろの実を植えよう
ひとつぶ

白い蝶がまい群集がなあに?あれはなあに?
ととう
ただしがきに埋めこまれたコスモスばたけの
 ....
このしどろもどろっぷりは

階段を上るたび
右足だっけ左足だっけと
迷って
足が
しどろもどろ

お通夜で
名前を書くには書けたけど
震えて筆がキャップに入らず
手が
しど ....
ゴロツキおじさんは混乱した

自分がどこに居るのかわからないから
ここからどこへも動けない
あの日々こそ 本当だった頃の最期で
今はおまけみたいなものなのだ うん

くっきりと秋の匂いが ....
徒歩五分で海
という環境で育ったわたしは
ただ鈍感だった
ひどく夕陽が眩しく
一日の終わりを告げる焼けた空が
ひりひりした匂いを連れてくる
そんなものだと思っていた
その空もあの ....
荊の洞
乳白の土
夜から径へ落ちる光
水へ水へ分かれゆく


腕ふるごとに
曇呑む曇
刃を振り下ろす
粉の光


風はふたつ
夜を透る
忘れた言葉
積もる ....
【飛行模型】

露草の花は ひかりをうけて翼のようだから 
おだやかな 面もちで 飛び石を踏み外さないように歩く
縁側で 竹ひごが 飛行機雲のように しなやかにのびている
そのなかでも ....
わたしの砂浜、波打ち際に
いちばん美しい波が寄せてきたころ。
月の腕にあやされた赤い花花の
うっそうとした香りは風にまかれ
わたしの刻んだ足跡も
すっかり消えてしまった。


雨が ....
人は必ず
先人の犠牲
弱者の犠牲
多くのものの犠牲
その元で生かされている

人は往々にして

日常に埋没してしまう
はらりと剥がれ落ちてしまう
見失ってしまう
怠惰な自分に気付 ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1284)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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きみはしっているのか- 草野春心自由詩513-11-27
名も無き人- イナエ自由詩8*13-11-16
8- きるぷ自由詩2*13-11-15
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白骨の湯- そらの珊 ...自由詩1113-11-9
家霊- イナエ自由詩22*13-11-4
- 葉leaf自由詩113-10-31
秋の待ち伏せ(ツイッター#pw秋組参加作品)Ⅱ- そらの珊 ...自由詩19*13-10-28
みたび_めぐる- 木立 悟自由詩313-10-25
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はる- 平瀬たか ...自由詩15*13-10-10
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禅の教室- 服部 剛自由詩10*13-10-3
ぶかぶか【詩サークル「群青」九月のお題「音」から】- そらの珊 ...自由詩22*13-10-2
夜のタマネギと砂の城- ストーリ ...自由詩213-9-25
プロミネンス- 壮佑自由詩24*13-9-23
雑踏の中で- 葉leaf自由詩10+13-9-22
文覚像- ……とあ ...自由詩6*13-9-19
無口で運転の上手い人- 夏美かを ...自由詩29*13-9-17
青黄黒緑赤- アラガイ ...自由詩18*13-9-10
いつかきっと生まれ変われる時まで- 杉原詠二 ...自由詩3*13-9-9
しろつめくさの海- みけねこ自由詩513-9-5
しどろもどろ- hiroto22自由詩6*13-9-3
ゴロツキさん- 栗山透自由詩1*13-9-2
カモメのことばを知らない- かんな自由詩15*13-8-31
色と羽_Ⅲ- 木立 悟自由詩713-8-30
少年よ_【三篇からなる_オムニバス】- るるりら自由詩25*13-8-29
夏の夜の海辺、回帰、再生- eyeneshanzel ...自由詩413-8-27
花を添える- 小川麻由 ...自由詩5*13-8-23

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