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蝕     ある天体が他の天体の一部または
      全部をおおい隠す現象。日食・月
      食、星食のほか、惑星による衛星
      の食や恒星同士の食などもいう。
蝕 蝕  .... 
(父、父、父、と泣く声が聞こえるがあれはなにか)
(息子の声か、ならば過去からの声か)
(父の声か、冥界の声か)
倒れたまま父は泣く
足をすくわれ転ぶ
父が「あかの他人」と呼ぶ人々から
湿 .... 
ふらちなよみのくにから来る男は
        死んだ者をむりやりたたき起こし 
   ふとどき者の口からなにごとか聞こうとする
その行為 その汚らわしい行為に
あしも .... 
つつじに朝露が降りてきみを思い出す
            薔薇ではないというきみのため
                  野のなかにかすむ公園に
                 .... 
鏡
あなたの
愛とはなにか
あなたの愛は鏡だ
鏡面の清潔さ涼やかさ
嘘などおよそない明らかさだ
朝の訪れの濁りのない晴朗だ
夏の真昼の陽炎立つ地平への
いちどきりの望みの率直さだ
 .... 
?
逃げる父
母は捨てた
兄は堕ちた
姉は隠した
子どもは愛されている?
?
高い水草の生える湿地帯で生まれた男や女は
高い水草の生える湿地帯で外を向いて車座になった
 .... 
墓地へ駆けてゆく
姉を二階の窓から見た
学校の制服を隠したのを
姉のほこり臭い制服
血の付いた便器にしゃがんだ
汗のにじむ掌で鈍く赤い
姉の隠し持つ勾玉
汗のにじむ掌で鈍く赤い
血の付 .... 
(父、父、父、と泣く声が聞こえるがあれは誰の声か)
(息子か、ならば過去からの声か)
(父か、冥界の声か)
父は失踪をくわだてた
湿地帯の臭気が漂う家族から
父の体臭が漂う家から
父が「赤 ....