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カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動、鳴動、鳴動、
大気は夜を続けるも
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
暗く目を開けるだけで
何かを促す性能はな ....
朝の駅の構内で
改札の向こうからホームの階段を上る
黒い制服の青年が障害を背負う体を傾けて
こちらに向かって歩いて来る

眼鏡の奥の瞳には
いつも光を宿らせて
不器用な歩幅を
一歩  ....
駅の階段を上がると
おいしいトマトソースが食べられるパスタ屋さん
「どうして地下鉄が地上にあるの?」
そう聞かれても

コーヒーとパスタのセットは550円で
メニューは二つしかない
トマ ....
 加速中の一歩は、減速中の一歩よりはるかに重い。忘れることはたやすいが、思い出すことは更に容易だ。
 地下鉄を歩く。 

 離島をイメージする。
 ほぼ真円、全周三キロメートル、最高標高百メー ....
オレンジ色のワンピースを着て
散歩に行こう
目的はないけれど
一緒に行こう

あなたは

「心が血でいっぱいだ」

と書いていた

あなたの目に空が何色に写るのか
私の顔がどん ....
広い、窓のあった部屋
私の一部分がそこで途切れていて
確かな
薄い胸で必死に空気を集めていたこと
息切れと
ほんの少し気持ち良いと思える
ぴりぴりとした痺れとで
滑り込んできた電車は目眩 ....
歴史にもしもはないという
死傷者の数はこれから増えていく

けれども
出来ることは出来たのだと思う

病院はくずれていなかった
街は街ごと崩れてはいなかった

死んでしまっていたかも ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1238)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
クライシス- こしごえ自由詩11*05-7-14
微々たるアオ- A道化自由詩1305-6-30
傾いた背中の青年- 服部 剛自由詩10*05-6-6
東京の駅- チアーヌ自由詩705-6-1
離島/地下鉄を歩く- カワグチ ...自由詩6*05-4-17
心が血でいっぱいだ- 初代ドリ ...自由詩7*05-3-26
大きくはない、手で- 霜天自由詩905-3-23
地震直後- 小池房枝自由詩6*05-3-20

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