すべてのおすすめ
 
初夏の光
ひとつ前の駅で降ります
虫かごもないのに


+


栞はかつて
誰かの魚でした
本の中で溺れるまでは


+


夕日のあたたかいところに
古いネ ....
空のすみずみまで血はめぐり
いつもの午後が
今日も静かにあくびする

ふと目が合って
空の心臓が
止まりそうになった

手を繋いで歩いたら
真っ赤な大きな心臓が
名残惜しそうに ....
彼は笑っていた
唇が裂けるくらい口を開けて
顔全体から声を飛ばすように
笑っている
誰もいない砂浜
荒れる海に向かって
笑っていた


空が崩れ落ちる程に声を荒げながら
腹を抱え目 ....
 ことばを見つめているとそれだけで、わたしは誘拐されてしまう、こともある。誘拐は融解で、ことばの意味はどろりと解け出して、わたしの内に流れ込んでくる。眼といわず鼻といわ .... 現状取り急ぎ報告いたします期待はずれでした
それはもう期待はずれでした知らなかった頃に
戻りたいの多くの者が申しております何かの事故で
あって欲しいとも申しております裏側を覗く者もおります
足 ....
おいしいと評判のケーキ屋さんは
有精卵をつかっているという噂だった
怪物みたいな冷蔵庫を開けると
そこには透き通るような殻をした
まだ温かい卵が並んでいるのだと

早朝
こっそりケーキ屋 ....
いたい

     と 君が言って

いたい

     と それを何度も
     くりかえすうちに

いたい

     は ちいさなけものの形になって
     遠くへ走 ....
喉の辺りがひきつれる
この道でいいのかと
訳も意味もない問いで
つっかえている
あてどもなく歩いて
歩いて
歩き疲れて
休み時間は終わってしまう
薄暗くひんやりとした壁 ....
海面を
半音ずつ上下させ

間隔を
少しずつ狭めていくと

音もなく
止まったように

張り詰めた海面は膜を張り
そのずっと深くに沈んだわたしを
柔らかく包み
すくい上げる
 ....
映画館で私は単なる映写幕に過ぎない。 
私の皮膚の上をひかりとかげが交互に駆け巡り 
さまざまな色彩が躰じゅうを舐めまわす。 
しかしそのことによって陶酔することはない。 
なぜならひかりの舌 ....
硝子を失くした窓の列を
鳥と花と草木が通る


ここは痛みを知らぬ胸
ただまなざしに焼かれるところ


道から湧く音 光まじる音
重なりを解いてはつなぐ音


 ....
海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている

風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている

通りか ....
目標のために歩きすぎた男が疲れ果て国道の自販機にもたれる
もはやそれが何のためかも判らず、目はかすみ、喘ぐように
排気ガスと埃に汚れた空気を吸い込む
ああ、あいつの心はもうすぐ折れてしま ....
皆揃いに揃って終息へと向かう
くたびれた終列車に乗って
規律正しい、けれど弱々しい
街灯の列へと突っ込んでいく

こうやって抜けていく
現実を
夢となぞって
ねえほら、もうすぐ

 ....
*
窓辺に置いた椅子の背のあたりから
沈黙が広がっていく
雨の予感がゆるやかに部屋を満たし
そしてひとつの声がおわった

山腹の地下駅は深いトンネルの底にある
プラットフォームに降り立つ ....
闇に川音の迷う{ルビ硲=はざま}の村
トンネルに切り取られた高架橋
しじまを蹴散らしていく道しるべ
{ルビ硲=はざま}に閉じこめられていた記憶が目を覚まし
一瞬顔をしかめるも
手招きに不安を ....
落とし穴を掘った
たくさん掘った
通り行く人たちが
すこんすこんとはまっていった

はまった人のいる穴に
名札を立てかけて
名前なんて知らないんだけど
名札があった方が便 ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
帰ろうとしたら壊れていた
自転車
サドルが遠く 曲がって

きっと人ごみに
押されたのだろう
かたちあるものは壊れていく
いつから
怖くなくなったんだろう

父の記憶も
それに似 ....
ある学校の授業で
問題が出されました

イヌ クマ ヘビ ヒツジ ウサギ
この中で仲間外れはどれ

先生も生徒も
別に答えは何でもよかった
答えの理由を楽しむ
そんな問題でクラスは盛 ....
反芻し過ぎて擦り切れそうな程ささいな逢瀬

回想から想像に変わる

あなたの表情より手のひらの感触が伝えてくれる

淋しい言葉は口封じされる

甘く甘くいるためには2人は申し合わせない ....
猫が激しく鳴いて春で
いや正しく言うなら地球のこのあたりは春なのだ
こちら地球そちらは

あずかり知らぬあっち側の諍いに
液体ヘリウムをぶっかける
それから逃げだす
ものすごくものすごく ....
ひかりが刺す
季節を切り取って
差し出す
ひかりがさす
まぶしいから
細めて
睫に燐光がいくつか

引っかき傷もいくつか
ついて

それできみの輪郭がようやくはっきりした

 ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら

その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
柔らかく 昏い光が
ひっそりと漏れだしたように

わずかに傾斜した平坦な地の
襞に、影

鉦がきこえて
列がゆく野は
さびしい海にむかって開けていった

或るひとつの手の
美しい ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
互いに背を向け
曲がり またたき
空と波を
指おり数える
月が隔てる言葉たち


手のひらの海
無数の帆
とまどいは澄む
濁りのあとさき


透明でもなく鏡でもな ....
いくつかの知識を失くしたために
それの侵入から逃れるプログラムを
組み立てられなくなった

僕は時々あなたと話しているつもりで
言葉を発していないことがある
あなたは僕を寡黙だと思っている ....
ちょうちょ

菜の花

羽のどこかに重たさを持って

原色を彩り続けて

その向こうに


ねえ

聞こえるかしら

見えているかしら


この先に ....
はやくおとなになりたいなあ
あしをぶらぶらさせて
リリコちゃんがいう
ほっとけーきをじぶんひとりでやいたり
(たこやきも とつけくわえる)
おおきないぬをかったり
ぱそこんでむずかしい ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1284)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の伝言- たもつ自由詩2508-6-21
空の心臓- 小川 葉自由詩508-5-11
笑人(わらうど)- 木屋 亞 ...自由詩2*08-4-30
「_あぶだくしょん。_」- PULL.自由詩5*08-4-28
ノーギャラリー・ノーリアクション- キリギリ自由詩308-4-20
或るケーキ屋さんの話- 吉田ぐん ...自由詩608-4-19
けもの_のけもの- Utakata自由詩508-3-2
行方- よしおか ...自由詩8*08-2-15
ビブラート- こゆり自由詩8*08-2-9
映画館で私は- 音阿弥花 ...自由詩1*08-1-26
円軌業音- 木立 悟自由詩9+07-11-17
雲の工場- hiro自由詩3*07-11-17
亡霊の午後- ホロウ・ ...自由詩1*07-11-5
されこうべと終列車- かのこ自由詩307-10-23
- カワグチ ...自由詩507-9-16
無人駅- 悠詩自由詩8*07-7-27
落とし穴通り- なかがわ ...自由詩7*07-6-30
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
素数- umineko自由詩17*07-5-4
仲間外れ- ぽえむ君自由詩8*07-4-13
もっとも甘い砂糖- 猫のひた ...自由詩6*07-3-23
こちら地球そちらは- 佐々宝砂自由詩6*07-3-23
空港の横- 水町綜助自由詩12*07-3-18
そめられる鳩- soft_machine自由詩15*07-3-3
平野- 「ま」の ...自由詩9*07-1-8
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
洞輝- 木立 悟自由詩1006-12-10
重複する世界- yukimura自由詩2*06-11-2
イカへの愛- ikatyo自由詩306-9-8
おとな- アンテ自由詩3*06-9-8

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