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駅でたくさんの人が下りたあとの座席に
包みが置かれている
忘れ物だ
ぼくはあわてて取って
フォームを歩いて
事務室にいって
遺失物の届出をしようとしたのだが
形のあるものでないと受け取れ ....
ぼくは沸騰するスープである
ジャガイモが崩れていく
ぼくは真っ赤に茹で上がる毛蟹である
苦しさに前脚を伸ばして泡を吹く

底から熱せられていて
二重の蓋がかぶさる
重くてもちあがらないで ....
日曜日で小学校は休みである
縁側で日向ぼっこをしながら
ナシナシナシ
とぼくはつぶやく

自転車に乗れないのはおまえだけだと
次兄がぼくを小ばかにした
ぼくは言い返せないで澱んだ気分を
 ....
ぼくは小学校にはいるまで
母の隣に寝ていた
母が小料理屋を始めて
夜遅くまで帰ってこなくなった
ぼくらの面倒をみるためにきた叔父が
押入れにあがって布団を被った
ぼくも隣にはいる
ぼくは ....
尻が黄緑色の赤いりんご
地球の頬が凹んだ形
よく見ると日本列島のあたりに
小さな傷がある
皮ごとかじると
茶色のしみになっていて
セピア色の記憶がよみがえる

家族で
伊豆の修善寺に ....
松岡宮さんの殿岡秀秋さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
箱詰め電車- 殿岡秀秋自由詩912-12-1
二重蓋の圧力鍋- 殿岡秀秋自由詩912-3-15
おまじない- 殿岡秀秋自由詩409-8-16
もうひとりのぼくが囁く- 殿岡秀秋自由詩409-7-3
実り- 殿岡秀秋自由詩209-5-2

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