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あれは
だれかを
思わせる夕焼け

非常口から
眺めていたっけ
ベランダからも
眺めていたっけ
心の窓が
開いていたっけ
絵の具がこぼれて
しまっていたっけ

わたしらを造っ ....
人のいない事務所では
書類から何から死骸のようだ
我々もみな死骸として
書類という死骸と
戯れているに過ぎない
事務所ではすべてが死んでいる
やがて勤め人が出勤し
事務所は賑わいを取 ....
それは自然淘汰、群れを成していた僕たちが、気性の荒い一匹のおれに住みかを奪われ、そのおれは省みるに主人公などでは決してなかった人生、謙虚に生きなければならぬと道を譲り、 そのうち私になり、そもそも自我 .... いくつかのブラックホールを超えて
僕の船は宇宙を漂っている
星はきらっと輝いたかと思えば
それは一瞬のきらめきであり
あとは黄銅色の鉱石が漂う空間だった
宇宙に風はないというが
少しだけ風 ....
降られても 傘ささないで
ハンドポケットで歩いていく
いんわいで にぎやかな 夜のまち
人波の道のさきにみえる幻から目を離さず
メールもせず いわんやケータイさえもたず
ただ 歩き続ける彼女 ....
朝が来たらしい

いつのまにか雨の調べは遠ざかり

ぼんやりと明るい
そして
うっすらと温かい

光が温かいのは
きっと誰かが決めたこと

光が遠ざかれば また
冷たい闇に抱か ....
長時間眠っていることが
出来なくなりました
妻の手を探ることがあります
海に出かけてみたいです
私は幸せだろうか
明日は早く起きて
六時の快速に乗るのです
鮮やかな色の苺ジャム
娘たち ....
曼珠沙華っていう東西南北に開けた世界を
今年は真っ直ぐに見つめていた春夏秋冬の
第三惑星に彼岸の舞台から地面に刺さって
来る

200歳の少女にしか見えないだとか
マングローブのよ ....
ねえ みんな
うちのパパとママみたいに
仲良くなってよ

僕はグレー
白と黒から生まれた

パパはサッカーの方が
ママはラグビーの方が好きだけど
いつも三人で一緒に応援するんだ
世 ....
ウッドデッキの
木と木の間の細い隙間に
花びらがすすっと入っていくのを見た
少し離れたところから
目を凝らすと虫が抱えていたようだ
蟻にしては大きかった
ごく小さめの細身の黒っぽい蜂の ....
夜、仏間でおつとめが終わり最後の合掌を済ますと、決まって
庭の古井戸から、ぽちゃり、と何かが落ちて、沈んでいく音が
する。         


私の中に井戸ができた。悲しいことがあるとそ ....
八月に入って
夏の子が孵化した
春の子はカラスにやられて
しばらく空き家になっていたキジバトの巣
避暑に出かけたカラスがいない間に
夏の子はすくすくと育った
キジバトの巣は我が家のケヤキの ....
蝉の殻が凍る
日没
静電気だらけのコートを着る
日没
じゃらじゃら冷たい硬貨を取る
日没
人がすれ違う 人が追い抜く 人が追い抜かされる
日没
前の人が付けているマスクが白い
日没
 ....
お婆さんが倒れて
救急隊員がやって来る
喫茶店で
我々はがらくたを注文した
ても子伯母さんが居た
てく一伯父さんも居た
てくいち伯父さんは歯が再び生えて来たようだ
三階の部屋の明かりは付 ....
信者が姿を消した
あんなに何かを祈っていたのに
礼拝堂はもぬけの殻
村の人たちは捜索を始めた
くもり空の下
くだものの飴と傘をたずさえ
情報はなにひとつない
あっぱれな行方のくらまし
 ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
どこからもとおくの
きみの手足をゆらす風の音
あめの、
裂いたひかりをまねる
キュービック

点をつないで
線をえがいて、それからの
ことは
どうだってよかった
ひだりの
 ....
殺菌されているような灼熱の中
塞がれてはいないが、とうに朽ちて
忘れられた路の、ひび割れた路面に
おれが求めるうたはいつだって落ちている
摩耗したスニーカーの靴底で、搔き集めながら歩いてゆ ....
真夏の太陽が
目に厳しい午後
思い立って
アスファルトの上を
走ってみる
全力で
走ってみる
緩やかに
変わっていく景色
穏やかに
蘇っていく記憶
息が切れて
走れなくなった時 ....
廃線になった駅のベンチに行ってください
コスモスが揺れているのがみえますか
だれもこない駅の伝言板に
「おかえりなさい」とだけ 書いておきました

ベンチの下に 海の紙でできた封筒を隠し ....
サキソフォンが夜の道を歩いていた
あたり一帯高級な黒の絵の具を塗りたくったようで
サキソフォンだけが金色に輝いていた
暗闇は光を理解しなかった
途方に暮れかけたころ
黒くて大きな人がどこから ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
赤々と燃える送り火を眺めながら
今年も夏の終わりが近いことを知り
一抹の寂しさが、胸を過る

盆が過ぎれば間もなく
朝の空気が変わる
早朝、太陽が昇る前
ほんの少しだけ
軽くひんやりと ....
恋に破れた少年少女が
涙を飲んで登る坂の事を
心臓破りの坂と呼んでいる

桜の花びらが頭の上で
残念賞の冠を作り
渡しそびれた手紙を破ったら
季節外れの雪が降るらしい

好きですの一 ....
電球が一つ
ユラユラ

何も感じない身体

手足に拘束具

鼻の頭が痒い
「小人さん 掻いて下さいな」

いつもカカシのタカシが言ってた
きっと動けなくなるって

「私は好き ....
卵の割り方を失敗すると
崩れた黄身と白身のバランスが
太り過ぎた満月に見える

その上に垂らす醤油の数滴は
血管のように浮いているけれど
いずれこの卵も消化されて
新しい血管に生まれ変わ ....
私は泣いた
君という海の波打ち際で

不器用さを
愛おしさから
短所に変化させたのは
慣れすぎた歳月と
甘えすぎた気もち

海辺に向かって
手を繋いだ瞬間を
覚えてい ....
最初は風だ
いつもと違う風が吹く
これから強さを増すと感じさせる
風がブルンと唸る

そして陽光
青い空が翳りを見せる

しばらくの静寂
静かに移動する雲
灰色が浸透し

雨垂 ....
薔薇の蕾は美しい
少しづつ開いていく姿も
この世のものとは思えないほど艶かしく美しい

だが咲ききって
たちまち黒ずんでいく花芯も露に
剥がれ落ちるのを待つさまは
あまりにも見苦しく
 ....
神様が天の川の向こうから見ている

私の錆びた核を見ている

錆びが広がり崩れ落ちる私

天秤座の反転した夜空

その中の一粒を飲み干して

天の川向こうから見ている

星が一 ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1238)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
you焼け- やまうち ...自由詩4*17-10-6
オフィスの死骸- 葉leaf自由詩517-10-5
呼吸- N哉自由詩217-10-2
僕の船- 山人自由詩5*17-10-1
ティンカーベルよ_ティンカーベルよ- 犬絵自由詩417-9-30
柘榴の国のお姫さま- そらの珊 ...自由詩13*17-9-29
サテュリコン- tem8744自由詩3*17-9-24
200歳の少女- 朝焼彩茜 ...自由詩717-9-23
グレー- 花林自由詩217-9-20
ウッドデッキの細い隙間に- Lucy自由詩17*17-9-19
その井戸- 為平 澪自由詩317-9-17
朝の日記_2017夏- たま自由詩15*17-9-14
末期的な日没- 山犬切自由詩217-9-12
目覚めた- 間村長自由詩8*17-9-10
信者行方不明- やまうち ...自由詩3*17-9-9
秋窓- そらの珊 ...自由詩25*17-9-8
ペシェ- むぎのよ ...自由詩417-9-7
羽音の思惑(かべのなかから)- ホロウ・ ...自由詩2*17-9-1
ふるさと- 寒雪自由詩217-8-30
おかえりなさい- るるりら自由詩13*17-8-28
サキソフォンが夜の道を歩いていた- やまうち ...自由詩4*17-8-26
優しい人- Lucy自由詩18*17-8-26
送り火- 忍野水香自由詩617-8-18
外側の心臓- ミナト ...自由詩2*17-8-14
旅立ち- kino125自由詩117-8-13
卵かけご飯- ミナト ...自由詩1*17-8-11
波打ち際で泣く- かんな自由詩11*17-8-9
雨が続く夜- 坂本瞳子自由詩2*17-8-7
グレーピンクのモーツァルト- Lucy自由詩7*17-7-27
錆びた星座の向こう- 倉科 然自由詩117-7-25

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