静かな雨が降っていた
ここんとこ
悲しみに荒れていた私のこころを
不思議と癒す雨だった
こんな無音の音を
待っていた気がする
もう存分に泣いたのだから
これで終わりにしよう
私は虹を待 ....
するどくなり
すぎると砕ける星の咲き
ゆわえた髪のほどけから
静かにはじまる秋の日暮れた
錆つきにまとった油膜の
ふしまつ
みちくさの愛らしい赤白の
蕾だか花だか、わから ....
今日のような
グレー色した雨の朝は
ふらふらふらとどこまでも歩けそうで
均等に立つ彼岸花たちが こっちはあぶないよと見つめてる
やさしい気持ちが見える表なら
裏にあるのは かなし ....
彼女は激怒した
「私は貴方を理解できない。
貴方がそれを拒否するからだ。」
きょう未明、彼女はそう言って部屋を出た。
大凡36度の熱源を失った部屋で、
僕は寒さに震えて結末を考える。
....
今年に入って
私は私を疑うようになった
特に仕事においては常に疑っている
会計では、患者様二人ごとに金庫の中を総計算
取引先に出す伝票は、四度、五度、確かめる
それでも、まだ足りない気が ....
*終活
もう人と競争する時代は
終わった!
今は
自分との闘いだ
*多様性の時代を生き抜くために
兄弟は多いほどいい
学校は大きいほどいい
友達は多いほどいい
趣味も多いほどいい ....
初夏の黄色い花の花言葉
六畳の部屋の不穏に泉欲し
父さんの靴を磨くよに虹二重
父の日の花を選んで海にゆく
高島屋カルピスを飲む夏が来た!
月涼しオー・ヘンリーを猫と読 ....
夢の
蝶が飛ぶ
ひらひらと風に揺られて
悲しいことを
忘れる鱗粉を撒く
夢の蝶が飛ぶ
ふわりひわりと
懐かしいあのひとの
笑顔を思い出す
ひかりの中で
わたしたちは
踊ってる ....
責任取ってくれる~?
と聞かれてあまり意味が分からなく
あ、これはプロポーズだったのだと
しかし性交渉があったわけでもない
僕はとんちんかんな答えをした
己の人生の責任を取るのは己だ ....
恋芽生えても花を望むまいほのかな思いのままが身の丈
強がりを組み立て終わり終わらなくても終わったと消したアドレス
昨日見てない虹でした明日もまた見たいものです出さない手紙
その人と交 ....
時計の針を巻き戻して
やるべきことを
やり直してみる
いないはずのきみが
隣でコルトレーンを聴きながら
うつらうつらしている
頬にそっと手を寄せ
温もりを確かめる
どうして ....
誓いの言葉はあてにならない
フィクサーのプリザーブドフラワー
生花じゃなかった
セピア色してデジャヴを誘う
腐れた人脈派閥パリピ全て
嘘と金と権力の渦全て
加工された花は握りつぶして
....
○「早期発見」
早期発見が早期完治につながれば
ラッキーだが
そうとはかぎらない
早期発見で
病と向き合う時間が長くなる
早期発見で
死と向き合う時間が長くなる
また治療費も嵩む
....
海の中で泳ぐ魚は、素敵だな
まるで空に浮かぶお星様のよう
生きる迷宮達は、ミステリオーソのドアを開けたら、どこへ向かうのか?
椅子に座って落ち着ける人は、素敵だな
思考する魚は人の話を聞くとい ....
学校の恩師たちでも
精神医療の問題は
理解できなかったと思う
しかし今日日
精神医療の問題に
対処できなければ
教育として十分でない
あんなに優しい子が
なんであんなに怒ってい ....
裁判所からの帰り、
そろそろ終わりにしてもいいと言われ、
――
1
雲が浮き上がっていく、氷の映る場所は、どこも陸の孤島で、
階段を上るごとに、足音が暖かく身体を包んでいく、
雪が ....
*人生の勝者は
金持ちでもエリートでもなく
元気な人である
老いてみてよくわかる
*マインドコントロール
溺愛と拒否
*雀は1羽で生きている
巣立ちしてから
自分で餌をさがし命 ....
カーテンの隙間から
差し込むのは月明かり?
いいえ、飲屋街のネオンです。
だから、聞こえるのは称賛ではなく
酔っぱらいの叫び声
別にいつもと変わらない
ただただ虚しさが募って
灰 ....
そっと踏みいる、それへの入り口。プールサイドの縁に紺いろの靴下を濡らす。夏の制服姿の少女が夏の制服姿のまま水色のプールの中へと入ってゆく。やがて肩の上から頭のてっぺんまでをも水色の水鏡へとゆっくりと沈 ....
(…)物哀しげな空には雲一つなく、大地はまさにわれらが主イエス・キリストに倣って吐息をついているかに見えた。そのような陽光のみちあふれる、物哀しい朝には、わたしはいつも予感するのである。つまり自分が天 ....
スクランブル交差点で
靴がかたっぽ脱げたから
たぶん明日は雨だろう
街は歩く速度で遠ざかってゆく
小路の影は濃いままに
分かっている
あなたが視ているのも
想っているのも
私じ ....
啄まれた左手首は
どこに還元されたのだろうか
硬い表皮に囲まれた何かを踏みつけた少年は
内股で
どこに向かっているんだろう
引越しのトラックが運ぶシリコンの人形は
父親の形見によく ....
人間になり損なったピノッキオは
流されて海へ出た
潮の流れにぐるぐると頭の向きを変えられ
漂う彼を波が見つけて粉々に打ち砕いた
コ
ナゴ
ナニ ウ ....
ようやく晴れて引っ越し先も決まり
遅くても来月からひとり暮らし
VIVA ひとり暮らし
創作に夢中になって
ご飯を抜いても文句を言われない
VIVA ひとり暮らし
好きなご ....
余韻の水溶、
不規則な周期で、
ほろほろと何度も崩れかかる、
水面に映りこむ蜃気楼、
そのぼくらの抱擁と微睡みのマーブル模様、
そのきわめて曲線的な光の屈折率に、
目くるめく眩暈が比例して ....
三叉路の交差点改良が終わり
夏はまだ蒸し暑かった
誰かの投げた石が
東西に流れる二級河川の水面に
小さな波紋を描く
あっ、魚
勘違いした人が指を差して
本当だ
と、隣の人が相槌 ....
何だったんだろう、あのサービス
というような、サービスサービスぅ
レベル1の勇者に
エクスカリバーを持たせてみたい
僕は善行を積みたかったのだ
罪滅ぼしもかねて
えぇ、どこでキ ....
春暖や靴の珍場に気づかぬ子
凍み替える夜や明日こそ仕送り日
きさらぎやもらい電話もかけ放題
電話越し
風の変わりて雨水かな
薄氷やバスの1台逃しおり
ポチじゃな ....
夏の花が好きな人は情熱的はあなた
燃やしつくせなかった心残りを思えば
私は墓標に毎日紅を絶やさない
秋の花が好きな人は
人嫌いのあなた
この世に未練なく旅だったことを思えば
私 ....
あたしは泣いて首を吊る覚悟をしたのね
昨日のこと
来る日も来る日もご飯と後は少しだけ
やりくりが下手なんだろう
いつもいつも満たされなくて
生まれて初めてのジャーで炊いて
たま ....
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