仕事場の
可愛いねえちゃんが
必ず
昼飯食べたあと
ハミガキをしていた
その
美しい
品のある横顔は
なんとも忘れがたくて
なんだか鮮明に覚えてる
僕は男だけど
ある日、 ....
蔓草の{ルビ畑=はた}の花木を絞めに絞め
夏受診診察までの四時間待ち
塀越しの貸家に白き{ルビ百日紅=さるすべり}
西瓜に塩かけるなといふ眼鏡女医
わたしたちは
しろい子猫を一緒に殺して
裏庭に埋め
墓碑はたてずに 祈った
わたしたちは
月の欠片を一緒に食べ
呪われるよう
密やかに笑った
おひさまがみえる午後
わたしたち ....
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景 ....
運転中
不意に現れ 目の端で捉える
蔦の絡まる建物
もう、その時期か
あの夏から
幾度 高校野球が開催されたか
懲りずに毎年
十七歳の夏に引き戻され ....
真夜中、夜の公衆便所
消毒済の白磁の便器のなかで
妊婦がひとり、溺れかけていた
壁面の塗料は、鱗片状に浮き剥がれ
そのひと剥がれ、ひと剥がれのもろ ....
髑髏山の蟻塚は
罪人たちの腐りかけた屍体である。
巣穴に手を入れると
蟻どもがずわずわと這い上がってきた。
たっぷりと味わうがいい。
わたしの肉体は余すところなく美味 ....
扉から漏れる光
次の扉を開けるのは怖い
本当に変化を望んでいるのだろうか
その変化は嬉しいものとは限らない
光はいいものだと思い込んでいる
生まれてからの日々しか知らない
....
私ハ私ノ顔ノ傷ガ嫌イ
アナタガユルシテクレテモ
何カ他ヲ褒メテクレタトシテモ
私ハキズが出来る前に
モドリタイノダ
立チ尽クス
マナジリノ裂ケタオトコ
私ハ父ガ大キライ
あなたにもある ....
やなことがいくつか続いた
なんだか逃げ出したくなる
逃げる勇気もないけど
今日が終われば違う明日が来る
それも違う気がする
今日は少しいいことがあった
なんだかやり切れた気がす ....
忘れる
悪いことも
いいことも忘れる
千年前のことも
忘れた
ああ 忘れた
けれど
忘れ去らないで
思い出すこともある
いのち
今は亡き美千代さんが生前
私の笑顔を
「 ....
ふとしたとき
苦しみが消えてきていると思う
愛が苦しみを包み込み
人がわたしを助けてくれる
わたしはわたしを救わねばならない
永遠に愛することは
どのように可能か
不可能か
しかし ....
遂に人のAI化が始まったか
これは序章にしか過ぎない
今の文化は模倣から始まる
勇者英雄のマネ聖女のマネ
マネーがあっても楽しいから
お金がなくてもコピーで満足
「それ ....
燻んだ空の下
おもむろにしゃがみ込むオレンジ色の頭巾の少女
雨粒は少女の頭にあたっては弾け
そのまますべり落ちて地面へと砕ける
少女はうつむいたままなにもしゃべらず
ただ顔をくしゃくしゃ ....
黒ずんだのこぎり屋根の原野を
仲間からはぐれたネズミが
逃げ走る
ところどころ噴き上がる蒸気を
蹴散らす西風
ちぎれ雲がコーラルに染まって
解体されないままの太い煙 ....
約束の指環に手を伸ばそうとして
「ああ、そうか。もうこの指環をつける必要なないんだ」
と、気がついた。
エターナル・ブルー
の呼び名を持つその指環が大好きだった。
苛々と髪をか ....
いつかは手に入れるだろうか
そこでほぼ一生過ごすって
どんな感じだろうか
帰っていく場所
My Home
未来はわからないのに
ローンで縛られること
どうして家ってこんなにも高い ....
えー、左目の失明が近づいてきて、下手すれば死ぬ
かもしれないという情況で、(持病の脳動脈瘤から
来てるみたいなので)もうこの際、言いたいこと書
いて投稿させていただきます。
とはいえ本人は決し ....
国と自分を同一視して
国すごいから俺もすごいと
やりたいわけです
持たざる者は
つらいよな
が、すごいのは
僕、個人であった
君はそうでしょうけどね
スキル、知恵、誠実さ
僕はそ ....
山本山、下から読んでも山本山。九歳年下の友人、山本君はとてもとても大食漢で、今日はそんな彼との映画鑑賞(映画を見る前、きっとヤツはコーラとポップコーンを絶対に注文するだろうなって思っていたら、案の定、 ....
なにかを探して
なにかに追われて
胸のざわざわが何なのか分からなくて
ほんとうは知りたくなくて
ぼんやりと海がみたくなった
胸が痛くて
それがなぜか知りたくなくって
とおい夕焼けをみてい ....
七階から見下ろす階下
サイレンのなる街
駅から数分のマンション
ざわめきやノイズ
観葉植物の葉を
てに載せる
試験体と友達になって
とうめいな容器のなかで ゆっくりと呼吸 ....
発車ギリギリの電車に飛び込んだ
座れたけれどだるい
夏期講習サボってどこか遊びに行きたい
そう思いながらYOASOBIを聴いている
サラリーマンのおじさんおばさんたちも
疲れた顔してスマホを ....
広くつづいた枯野の道は
骨ばかり
高く乾いた冬空に
黄昏月の悲しげな瞼の赤らみ
涙の匂いがしないように
化粧水をたっぷりふりかけて
いかなる慰めも求めていない
....
○「旅」
日本の田舎はどこも同じだ!
美しい自然と元気な年寄りが
みられる
○「昭和の常識」
食事は母親の手作りだった!
子どもは外で元気よく遊んでいた!
友達の家でも遊んでいた!
....
AIに向かってレスバトルを仕掛ける民を見た
いわく、おまえパヨクだろ、云々
なんとけなげな
人だと思ってるぅ~
im so happy cos today i found my fri ....
鳩の頭(あるいは)、
{ルビ鏡=self}の記憶(の爲に)
{ルビ土手=triangle bank}(の上を)
{ルビ尻=earth}(を問わず)
....
ネットの中では面白い現象がみられる
姿かたちや人となりがわからなくても、
勝手に想像して、素敵な人に見えたり。
昔馴染みの詩人さんの詩を音楽家が作曲動画編集、演奏をして
You ....
お前と言う名の
質量が歪めた空間に
落ち込んだまま
俺は何十年も身動きが
取れずにいる
無表情の赤の他人が
何人も通り過ぎて行くのを
ただじっと見ているだけだった
浮かれていた ....
確かあった『戸惑いの間』
何人入る宴会場か分からないので
後で案内人に質問しよう
『戸惑いの間』の隣が
『戸惑いの間の隣の間』で
何人入る宴会場か分からないから
次に出くわす仲居さんに
....
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