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地に足をつけろと人はいうが、どっしり根をおろしている木でさえ
地につけて広げているのは手のほうだった。
というのも木はけっしてお手上げ状態ではないし、
尻上がりに高くなっていくばかりか、
靴な ....
     箒川を渡って 
     俺は俺を続けるよ 
     心をあの場所に残したまま
         踊ろうマチルダ『箒川を渡って』


バスケットは得意じゃないけれど ショットを ....
 ――明さんの迷った目には、煤も香を吐く花かと映り、蜘蛛の巣は名香の薫が靡く、と心時めき、この世の一切を一室に縮めて、そして、海よりもなお広い、金銀珠玉の御殿とも、宮とも見えて、{ルビ令室=おくがた} .... 孤独であることに耐えられない火は死後に静寂を灯した
夜があけて光あふれる里山の草木に{ルビ微風=そよかぜ}はあたためられている
碧い空がうららかな輝きにみちた礼装で黙祷をささげる
海は静粛な空気 ....
花からも葉っぱからもはがれおちた「は」の文字は
「はがれて」からもはなれ、「はなれて」からもはずれ
文字と文字にはさまれた位置の「は」にもなれず
ついには最後尾の「君の名は」の「は」に追いやられ ....
街の片隅に腰掛けていたのは、造園会社の2階がテラスになっている白い建物だった

高架橋の上から街医者になった気分で眺め、車を走らせながらざっくりと診断してみる

街並みを待合室に例えたときに、 ....
生まれたのはアメンボ横丁、ではなくて未分化横丁の横っちょの方
あまり覚えていないのは、そのほうがいいと道が途中で折れていたから
その折れた「く」の字の突き当りからちょろちょろとわきでている地下水の ....
「くうみ」が空っぽの身だからといって無意味などころか最大のより所にもなる
ということで神は服をお脱ぎになって今夜はすっかり「くうみ」となりおおせた
神の不在をなげくどころか不在にこそ神の裸体がある ....
愛惜の遠路をのばすわかれ歌
   ~海がしずめば星がのぼり、星がしずめば海がひろがる~


愛のめくばせはむなしさの海を一瞥でかきけし
なみだの一滴をはてしない夜空の星へとかえる
ひとつの ....
言葉の通じない川に言葉がさらわれて

おととけななな、おととけななな、と笑う川

いますぐに言葉をはなしたまえと川に告げれば

おととけななな、おととけななな、と運ぶかーぜ

 風でな ....
家は設計されたときに自らの完成をみる
建築家の立原道造がときを引き詩をたてる
はじめから死の骨組みで編まれた愛の生家
居住者は光の柱に舞うだけの静謐な塵埃

建築は頂を完全な月の満ち欠け ....
「いつか」は、いつかやってくる
だがやってきたのは刑事コロンボだった
「いつか」はどうしたんです、刑事?
警部だけど、頚部損傷だから刑事でいいや
頸部損傷とは?
コウサツされました
絞殺さ ....
いつかは、いつかやってくる。
だがそのまえに
犯人はいつかを盗んでしまった
いま刑事コロンボがやってきて
わたしにたずねている
「いつかったかね?」
見つかってません。
いや、そうじゃな ....
洗貝新さんの菊西 夕座さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
木は逆立ちをし、闇は闇を止みてしまい、主はパスをお受けになら ...- 菊西 夕 ...自由詩4*25-7-13
放浪の篭球_~踊ろうマチルダの歌で天国を通過する~- 菊西 夕 ...自由詩2*25-7-6
天国は展開の極意_四章- 菊西 夕 ...自由詩2*25-6-22
天国は展開の極意_三章~音のない花火が胸を静かに鳴動させる~- 菊西 夕 ...自由詩3*25-6-8
天国は展開の極意_二章~いまも生きております、はずれの音で~ ...- 菊西 夕 ...自由詩1*25-6-1
詩をめぐる診断- 菊西 夕 ...自由詩3*25-5-25
未分化横丁、ついてこないで、刑事アメンボ- 菊西 夕 ...自由詩2*25-5-3
執着を消し去る入魂トロールマシン_~トロールの神話~- 菊西 夕 ...自由詩3*25-4-20
愛惜の遠路をのばすわかれ歌- 菊西 夕 ...自由詩3*25-4-5
川にはまった言葉の泳法- 菊西 夕 ...自由詩5*25-3-8
死の家に住まう光の先鋭化- 菊西 夕 ...自由詩7*25-3-1
いつかの刑事コロンボ- 菊西 夕 ...自由詩5*25-2-2
刑事コロンボ、「いつか」の先をゆく- 菊西 夕 ...自由詩2*25-1-27

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