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三角関係の中にいる

同性の職場で

嫌い合っている二人の真ん中にいる

なかなか難しい居心地である


古い医院での受付仕事

日々 様々な方たちが来られる

待合室 患者 ....
今日は七夕

夕食後のお茶請けに

水饅頭を買ってかえる

点てたお茶を飲み

水饅頭をのせた皿を持ち上げる

「カエルの卵の大きいやつみたいだね」

食べ終えた隣の人が言 ....
怒りへの心掛けを知りたい

ほんの些細なことに

火が付いたように激怒する人がいる

何をもってしても許さない人がいる

そんなに怒って

何か佳いことが待っているのかしら?
 ....
ほんのり朝日が差す狭い部屋

人が縦横無尽に眠る中で目覚め

I氏と目が合った

時折蘇る甘苦い記憶


I氏は誰もが認める男前

気さくな好男子

でも

踏み出す勇気 ....
親友に逢う夜

朝からつま先が浮足立つ

去年の秋 中津駅で飲んで以来

大学を出て

四百年以上続く造酒屋に勤め

今や重鎮の彼女

彼女が選んだ店で待ち合わせ

少し遅 ....
昨日から怒っていた

珍しく怒りが収まらなかった

なので

タロット占いに行った

占師の見立て通りの三ヶ月間だったことが

背中を押した



占いへ行ったきっかけ ....
信州で得たお金で

京都に戻った

ほぼ行方不明は継続中

ある日 清掃車に 

乗っているバイクごと撥ねられた

気を失ったのは人生初

目を開けると

周りに人の足 ....
僧侶の方が

学者から聞いたという話を聴いた

生命の尊さの話

胎児がいる羊水は

何十億前の太古の海と同じ成分だと

何十億年かけて人間に進化したことを

母親は十月十日で ....
今日は月曜日

朝から色々色々色々

そんなこったろうと思っていたけれど

こんな日は自分をもてなす

蒸しパンを蒸かす間

烏龍茶を淹れる

私の茶壺は

茶色のぽっ ....
仕事終わり

無性に

他人が作ってくれるものを飲み食べたくなる

帰り途には

コメの付く名の大店喫茶店がある

窓際に座り

あったかいカフェオレとサンドウィッチ

ゆ ....
「あなたが入っていたらいいのに。」

その一文に鷲掴みにされた

先日送った小包

そのお礼の手紙

初めての あなたからの手紙

美しい字で書かれた宛名を見て

あぁ、そうだ ....
真夜中

自転車で無理矢理二人乗り

皆を出し抜いたみたいになった

どこでスイッチが入ったのだろう

タイプではなかった気がする

連れ去られるように走った尼崎の街

我 ....
シーズンを過ぎた大農家

私以外に

東京から来た青年一人

私の話す方言が嫌いなので

話しかけないでほしいと言う

ほほぅと思った


ある日の朝

東京青年と軽 ....
水蒸気が立ち上り

白く烟る農地

遠くには八ヶ岳

折り重なり連なる

パッチワークのそこかしこに

夜明け前から働く人たちが点点点


深く吸い込んだら

山の精 ....
車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心 ....
写真を見て

昨夜は現実だったと知る


宵の口

光る田圃の中を走る

四方八方から蛙の声

紫のカーテンに囲まれて

きっと どこかに神仙がいるはず

豆のような ....
終電まで

バス停のベンチで喋る

時代小説の話をしたような


山の薫りが

背中の方から覆ってきて

いい夜だなぁと思う

あなたの声は心をやわらかくする

けっ ....
干し無花果を食べ

思いがけず 美味しかったようで

もうひとつと

私に手を伸ばす

まだ知らないこともあるんだな

四月も後半

まだ夜は冷える
月よう日は

仕事へ行く前に

神社に行く


桜の樹が黄緑の葉を

ゆさゆさ振る

誰もいない境内

でも たくさんおられる


狛犬さんの足をなで

狛狐さ ....
少し混むH電車

夕陽がまぶしくて

目があけられなかった

背の高い彼には

夕陽は見えていない


おもむろに

リュックから取り出したノートを

私の顔の前にか ....
洗貝新さんの花野誉さんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三才からのスキル- 花野誉自由詩9*25-7-14
これは水饅頭- 花野誉自由詩11*25-7-7
即今只今- 花野誉自由詩11*25-7-3
I氏の手のひら- 花野誉自由詩11*25-6-29
親友と飲む夜- 花野誉自由詩9*25-6-27
タロット占い- 花野誉自由詩8*25-6-21
初めての記憶喪失- 花野誉自由詩9*25-6-19
太古の海- 花野誉自由詩14*25-6-15
六年目の茶壺(ちゃふう)- 花野誉自由詩9+*25-6-9
雨日和の昼寝- 花野誉自由詩10*25-6-3
横浜からの手紙- 花野誉自由詩8*25-5-29
キツネ目の人- 花野誉自由詩14*25-5-23
東京青年- 花野誉自由詩5*25-5-13
信州の朝- 花野誉自由詩5*25-5-12
信州へ- 花野誉自由詩13*25-5-11
藤山- 花野誉自由詩7*25-5-4
中山の駅前- 花野誉自由詩4*25-4-24
こたつの向こうで- 花野誉自由詩3*25-4-22
月よう日- 花野誉自由詩4*25-4-21
夕焼け電車- 花野誉自由詩3*25-4-20

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