今日は雨
いつのまにか
緑を濡らし
緑に濡れ
あじさいの花、
鮮やかに咲き誇る

私はぼんやりと
病院のホールに居る
立ち働く看護士や介護士達、
立ち歩く患者達、
窓ガラスに映り ....
浮き沈む鳩の斑な声に文を書く手も唖になり
犬連れの人々が屯う辺りへ角張った眼差しを投石する
紙袋を被る息苦しさ己が手足を喰らう祈り
内へ内へと崩落しながら書くほどに死んで往く


薄緑のカ ....
私は終始
得体のしれない不安に付きまとわれていた
なんてね
そんな言葉をずっと文字してみたかった
まるで売れない純文学作家の小説のテーマみたいだな

学校とか職業とか
異性遍歴とか
過 ....
雨と雨との距離を測りかねて
戸惑いに揺れる傘は
五月の鋭敏にやられた心です
ビル街はところにより墓地のよう
予報どおりに雨は止みました
枯れかけた花束の空ですけれど
新緑が瑞々しいですね
 ....
太陽の匂いを
嗅げそうな気がして
空を見上げて見るのだけど
青い空が拡がっていて
その中でも太陽は誇らしげに
強い光を放っていて
眩しくって
目が眩みそうで
それでも頑張って
目を見 ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている

折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく

いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
{引用=(――さて、今此処にお見せするのは、「私が不眠に襲われる時、それは必ず夢を見ている時なのだ」という独特な名言で知られた或る人物の、長らく存在しないとされてきた仮構日記のうち、奇跡的に残存してい ....   * * * * * * *

灰色の部屋の中で ボールペンが、白い紙を見つめたまま下を向いている
公園では 樹々が空に向かって上を見上げている
夏が もうすぐそこに落下する

  *  ....
いつの時代も白い蝶は飛ぶ

記憶の境目チクチクと縫って
軌道を見ている夜が好きだった

置き忘れて来た大事な言葉を
腕時計のリューズで巻き戻す

微笑みのようなそれは涙だ

甘い匂 ....
俺は嫁をこよなく愛している
二人の娘もこよなく愛している
つもりだけれど
果たしてその愛情の
重さ深さ大きさを現実には計れてはいない

およそなのだ
曖昧なのだ
いい加減かもしれないの ....
滔の海を見ました。かれのたましいはそこに転がっているように思えたコンクリートの路地裏があったのだけど、そうじゃなくて、本当は海みたいに手でかたちづくれないものの合間に挟まっているんだと思えました。残さ .... 裏切られて 裏切られて
恋の代わりに
安らかな呼吸を信じよう
あたかも にじんだ少女が
色彩に埋もれるように

粒子のざらついた日光が
ピントのきかない景色を
さらにまだらに削ってから ....
あらゆる行為を禁じられ
私は北極に立っているかのように感じた
もし周りの全てが敵だとしたら
頼れるのは
私自身とあの人の思い出だけ
そう思ってきた孤独な年月
何もなくても朝日を迎えないこと ....
みのりがことり
と音をたて
みちた風をゆらしもする
衣擦れの
すきまを縫うひかりの
糸をまぶたで
つむいではながれる
影の
あわさに怯えたり

する

くもり、
軟 ....
心が詰まるのは
閉塞ではなく
叫びを放つ
矛先を探して
そうはしないと
自らを抑えつけ
息をも漏らさず
力拳を握り潰して
そこに立っていようと
踏ん張ってしまうから
陽光がとても眩 ....
 
なにもしていないとき
いえ
なにもできずにいるときの

わたし
秒速ゼロセンチメートル

部屋にうずくまって
きれいな体育座りの姿勢で
うつろな世界を
うつろに見ることもしな ....
少女が窓辺に腰かけて

静かに外をながめながら

じっと何かに聴き入っている



その目からこぼれ落ちる

涙のしずくは


キラリとひかる美しい

ダイヤモンドのよう ....
ゆがんでいるか
踏破する指先の旅人
しろくなめらかであり
その頬に吹風は
行方をはばむことはない
いくとせの
起伏を顎に記述させ
あ、という声すら
ひそめて
 

夕ひは ....
六月の夜の街で 通りすぎるはずの弾き語りに足をとめて

どうするべきか戸惑いつつ 疎らな聴衆の背後に加わり耳を傾けた
酔っていたせいかもしれない
気持ちのいい風が吹いていたからかもしれない ....
季節はいつの間にか
窓の景色として生まれて来る

わたしは、
季節を食べることもできる

触れることもできるし
ときには、憎むことさえできるのに

馬車のように疾走る季節を 
掴ま ....
私の昔のあだ名は、スカンクとサリン

男子は酷いよね
小中学生の時

女子はかばってくれた
この頃は女子の方が比較的、大人

私は、おならとお腹の音で悩んでいた

くっせーぞ!
 ....
どこかへ 笑われながら消えたきみ
駅の濁流に疲弊しても
兼六園の水鏡で耳を洗っても
みんなに追われて逃げ惑っても
晴天を仰げば まだ醒めない
秋風にささくれを刺激されながら
自我の花びらを ....
あれはいつだったか
陽炎にゆれながら倒れゆく馬をみた
北の牧場をさまよったときか
競馬場のターフであったかもしれない
或いは夢か、過労死の報を聞いた
快晴の街角であったかもしれない

或 ....
くろい闇の中で泥のように
身を横たえている

身も魂も宙に舞い上がり
銀河の果てを漂っているよう

眠りとは束の間の死のようで
欲望を一時的に放棄させる

また、この世の隠れ家のよう ....
よい夢をみたような気がするけれど、おもいだせない。そんなのなかったのかもしれない。
長くした髪の毛を切って二月、梅雨空にうなじがすうすうする。くらい部屋に花を飾る、捨てる、かざる。
ぶつ切りの ....
花をみんな枯らした薔薇を見た気がする。野の薔薇か花壇の薔薇か。或いはそんな悲しい物はまだ見たことがないかもしれない。

幼い子供らは走りちりぢりに消え笑い声が耳の奥をくすぐる

手品師が飲んで ....
生みの親たちと暮らした四歳の頃 そこに火と薪があった。
生贄の仔羊の姿は わたしには何処にも見当たらず
何も知らないわたしは両親の踊りを、ただ見ていた

何を与えられても、低く笑うしかなかった ....
複雑性PTSDという病気と、メンタルハラスメントにあってからの再発と回復を、ただ淡々と、いまその症状に苦しむかた、それからいわゆる健常者のかたにも届くような書き方で書いてみたいと思っている。

想 ....
白木の、長く伸びた廊下、そこに初夏の日差しを四等分して落としている窓は古い木枠作りで、ねじ込み式の真鍮の鍵でしっかりと止められていた、その光景は、ノスタルジーとはまるで違う種類の、記憶の生き方とで ....           l'impromptu


 荒れ野に

 深緑色のアップライトピアノが独り

 雨を浴びている



 仔象が

「 葉っぱあげる 」



「 ....
石村さんのおすすめリスト(1143)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今日は雨- ひだかた ...自由詩5*19-6-15
鳩と修司- ただのみ ...自由詩7*19-6-15
得体のしれない不安と得体のしれてる不安が- こたきひ ...自由詩419-6-15
五月の鋭敏- 新染因循自由詩9*19-6-14
汗ばんだそれは- 坂本瞳子自由詩3*19-6-14
揺動- ひだかた ...自由詩13*19-6-14
『架空日記抄』- ハァモニ ...散文(批評 ...1*19-6-14
雨と弓- ハァモニ ...自由詩2*19-6-13
- ミナト ...自由詩219-6-13
愛情のフリーマーケット- こたきひ ...自由詩119-6-13
まだすこし守備がよわいね- 万願寺自由詩319-6-13
花譜- 鈴木歯車自由詩319-6-13
ある日特別- 黒髪自由詩3*19-6-13
rain/fruit- むぎのよ ...自由詩719-6-12
白昼堂々- 坂本瞳子自由詩1*19-6-12
『秒速30万キロメートル』- ベンジャ ...自由詩5*19-6-12
涙のカルテット- st自由詩519-6-12
第七頸椎- すいせい自由詩419-6-12
スペクトル- DFW 自由詩9*19-6-12
季節ノ詩- ハァモニ ...自由詩13*19-6-11
ごめんねと後遺症- 花林自由詩319-6-11
ひまわりになったよ- ふじりゅ ...自由詩119-6-11
倒れゆく馬をみた- 帆場蔵人自由詩7*19-6-11
泥になる- あおいみ ...自由詩3*19-6-11
よい夢(メモ)- はるな散文(批評 ...419-6-11
薔薇- 渚鳥自由詩12*19-6-10
_『メロス』- ハァモニ ...自由詩2*19-6-10
複雑性PTSDという病、メンタルハラスメントにあってからの再 ...- 田中修子散文(批評 ...13+*19-6-10
鳥たちはレクイエムを知らない- ホロウ・ ...自由詩1*19-6-9
we_are,- 墨晶自由詩3*19-6-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39