この春日に躍り出て
僕らは軽快な会話を交わす

〉快晴ですね
青い光が降って来る!

〉そうですね
実に素敵な日ですね!

僕らはそうして手を繋ぎ
光のなかを進んで行く

もう ....
長い連休、借りてきたDVDも底をついた。祖母の家を訪ねる。といっても同じ敷地内にあるので、徒歩三十歩くらいの旅だ。
祖母は祖父が亡くなって、三十数年未亡人だ。未亡人はモテるのよ、と、八十歳になった今 ....
 ネット詩は、紙の詩人たちに読まれる必要などなく、また誰一人として人間に読まれる必要もない。

 こうした無意味とも思われるヘンテコで怪しげな詩の創作は、書いている本人が全く気づいていないところで ....
六十歳の定年に仕事はお払い箱にされた
定年延長再雇用は却下されて
容赦なく投げ出された訳さ

家の借金はあるし
嫁さんは体と心がどっちも弱くて
結婚当初から
俺にずっと養われてたから
 ....
空のてっぺんあたりにお日様が昇る
暑いなんてもんじゃない
熱いんだから

夏が真っ盛りだ
八月
男は上半身裸で赤銅色をしていた
女は着ていたが乳房の形が浮き上がって見えた
夫婦は二人と ....
さあ、バゲットを食べよう
あの頃のように分けあって食べよう
ほら、焼きたてだよ
たくさん、たくさん焼いたよ
大好きだったあの匂い
ちゃんとキャッチしなよ

今年はあんこを買い忘れたから
 ....
さいごの さくらが さよふけて
まんげつ まんまん みちている
ほおづきのような ともしびを
つなげて うたを うたいましよう

去ってしまいそうな 桜のいろを
きえてしまいそうな かおり ....
詩を書きはじめたきっかけはなにかと問われると小学校中学年の時にクレヨン王国月のたまごの主人公に憧れたからと答える。彼女の書く詩にはあんまり興味を持てなかったけれど詩を書く女の子にはとてもとても憧れたの .... 空から落ちてくるのは
紛れなく男の体だった

地面に激突して壊れた
直ぐに回復して立ち上がった
立ち上がって歩きだすと一人の女が現れて微笑みながら進路に立ちはだかった

女は男の唇に自分 ....
全てが終わり
全てを失い
命は保たれ 
風が吹き

この静けさのなか、
この透明のなか、

私は深い井戸の底に居て
寒さと闇に震えながら
一日に一度の来光の
その瞬間を待っている ....
1.
買ったばかりの鞄に縫いつけられていたロゴを鋏で切るとき
海沿いの坂を上るとき
痛みを覚えた数だけ
報われるわけではないのは知っている
一部を忘れて一部を忘れないで、拗れてゆくのは自分の ....
からだを崩して
水の音が静かに静かに
重力に逆らい天上へとそそぐ

赤ん坊がボールの中で宙返りをしている
老婆は手編みのベストを厳かにまとって
庭木は樹海の水脈を眩しげに浴びる

洞穴 ....
やさしい
やわらかいものばかりに
触れてしまっていると
ひりひり、ひり
とした痛みのあるものを
抱きしめたくなる
不安や安心やそういったことに
関係するのかもしれない

宇宙や星や月 ....
季節はつぎつぎ仕舞われて
ま新しいシャツの朝、とびはねた分だけ沈む靴

いつ吹雪がきてもいいように準備しておくんだよ。
たんぽぽを乾かして瓶詰めにして
転んでも泣かないように、いつもすこ ....
とんちんかんな煙のながれ

異国のバーで踊りくるうのさ

水車みたいなのを回すひと

身をひくくして走り回る警官

心配することなんてないよ


屋上でヘリから掃射される

 ....
青空の月の白さ
距離を縮める嘘と幼子の足どりで
君の春は靡く
裏地には満天のプラネタリウム
湛え切れずに流れて落ちて
爪先に当たる石ころたち
祈りのように置き去った
今そこにある過去
 ....
やわらかな緑の丘の上に
少年たちが一列に並んでいる
一人ずつ順に
チューリップに化けてゆく
そしてまた順に
少年へと戻ってゆく

少年たちの頭上には
半透明の心臓がひとつ浮かんでいて
 ....
水面の月を一掬い
啜ると泥の味がした
こいつは幻想で幾ら美しくても
血は通っていない偽物だ

僕らは二十歳の頃どぶ鼠だった
灰ねず色の作業着で這いずり回り
朝も昼もなく溺れるように仕掛け ....
給湯室で、連休はどうするの? と聞かれた。A先輩は彼氏とハワイへ行くらしい。A先輩の「彼氏」の発音は末尾が下がっていて、真面目そうな彼氏だと思う。
予定はまっしろだったが、かわいそうな後輩だと同情さ ....
足もげの錆びた飛蝗
放置される駅前
送電路に集う青い蝶
地上に銀色の粉を落とし
会話する
列車から降り立った機械臭の一団が
四散する夕暮れ
誰が見つけたかシャボンの船が
空に溶ける
 ....
言葉にするとそれはとても嘘っぽくて
この心の嘆き哀しみ悲痛なる想いは
誰に届くこともないであろう
この涙は流さずにおいて
せむし男の雄叫びに変えてくれよう
遥かの地の乾いた空の下
中洲に浮 ....
ぼぅっと座っている
木陰のベンチに
黒アゲハが周回し
近付いては離れていく

午前十時半、

照り映え揺れる木立の緑が
明るくまた濃く暗く
並び繋がるその相貌を
痛む目こじ開け凝視 ....
口を裂かれても言えない事はある
もし
口が裂けたら言える筈はないのだが

時間はさかのぼる
空間は移動した

時代は戦争に飲み込まれていた
侵略と略奪
無慈悲な殺戮と暴力

殺さ ....
4階建ての雑居ビル。一階入り口の通路が直ぐに行きどまる所にエレベーターがあって最上階まで延びている。通路の横に寿司店があって店頭では持ち帰りの寿司を販売していた。二階はパブレストランでエレベータでも上 .... 雨の日の土は重たいけれど掘るには適している。三年前にホームセンターで購入したプランタースコップで、その日もわたしは裏庭に穴を掘っていた。大した穴ではない。人間の頭蓋骨がすべて埋まるぐらいの、小さな .... しゃべりたいしゃべるしゃべらないですら不自由との抱きあわせ販売でした。小銭を三枚落としたら二枚はいつも返ってきません。おじさん、あたしまた、お金なくしちゃった。電柱にてはためく文字、1LDK、家賃、の .... 光、光
光響く
この未知なる道を
僕は行くよ、
もう希望もなく絶望もなく
(夢の通い路は荒れ果てて)
逃れ去る郷愁抱き
進める限り何処までも。
時計の針みたいな
たんぽぽは
指で触れてみて
巻き戻せるかな

過去の出会いや
未来の透明を
ささくれが沁みる
花びらを揺らし

長針も短針も
待たない今

僕だけの
タイ ....
全員が死んでしまった。
アパートの住人は一人残らず死んでしまった。

昨夜、アパートに火災が発生したのだ。
近隣に延焼はなかったが、一度に燃えていっぺんに黒焦げの残骸になった。
その灰の中か ....
 
九月

僕らは歩いた ときには
手をつないで ときには
手をはなして 僕らは歩いた
夜の道を 急ぎ足で

そして見たものを 見た
順番に声にしながら 夜の
運河に浮かぶ水母 海 ....
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