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古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く

6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずん　.... 嘔吐、のようになまぬるい夜を落ちていくそれに、名前をつける気などあるものか、おれはとうの昔におれ自身ではなくなってしまった、いや、忘れてしまっただけかもしれない、けれど、それはいま語るのに必要な言　.... 誰かを愛するために牛乳を買った
あなたを愛するために卵を買った
砂糖が一匙分も無かった
もう買い足す元気が無かった

ソファに寝そべって映画を観ていた
開始10分で涙が出てきた
牛乳をマ　.... 緑の｛ルビ扉口＝とぐち｝で世界がはじまる
アナザーバード
ありふれた季節に
誰でもない名前を探していた
初めて逢うひとのような
遠い
横顔を


朝露に濡れた
葉裏がひるがえる
　.... 　
「何処の誰だかわからないのでいらいらしてしまう。
何処の誰だよ、とわかればもっといらいらするかも知れないね

見慣れた表情で、毎度違う話を持ってくるのは狸たち
、狭い世界だな。とかいう伝　.... 「春の紅」

…ト、トトトトト…

春の花らが
ひさしぶりの雨に打たれ
お化粧されて
艶めいてるよ

指にとり
頬紅や口紅にできたらな

そしたら
歩くたんびに
春の香りを　.... あのひとはやみに閉ざされていたころの
北極星
もう去った
気配だけが

ことばにつながる　みち　が幾らでもあったことを

まだわたしはひとではない
ひとであったことはいちどもない
こ　.... あそこで泣いているのはちいさな風の音
あそこで笑っているのもちいさな風の音
草の根分けて風の根わけてくる　風の音

風の子らが草の根わけていく
茂みや屋根を踏み鳴らしていく

坊やの手に　.... 　
　きみは何かをみつめていた　　僕の中で
　　　　　　それを打ち消そうとひと息の風が揺さぶって

砂浜を歩く男と女を眺めたらそれはまるで映画のワンシーンのようだね
夢の中で喩えるならばそれ　.... 北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった

若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった

鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く

　.... お言葉ですが、と言った男
確かに言葉に違いない
うまく喋る
来年の言葉も昨年のように喋る
言葉は耳で聞くものではなく目で見るもの
肉体だからね、目で見る
　山下君、山下君だったね
　はい　.... 風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地を
蛙が春へと飛んでしまったから

ひとりきりで立ってます

スイカズラの甘い蜜を分けあっ　.... 五輪の開催が危ぶまれている。
しかも延期開催までも、が 。
選ばれる選手たちのモチベーションからいっても1年以内に開催されるのが妥当だろうと思われる。
行きたくても行けない。買いたくても手に入ら　.... ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を

知っていて

遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている

眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば　.... 駅に落ちていく
そう言って笑った父方の叔父
さっきから肩があたっている
どうしたら落ちていくのだろう
父方の叔父、ねえ、叔父さん
夏の早朝の駅舎
点検する若い駅員
駅に落ちていく　.... 緩やかに
空気が流れる
初春の宵、
懐かしい匂い
鼻腔を巡り
大気圏から降って来る
息吹く命の源を
ゆっくり静かに散種する

)ああ、魂はうっとりと
)息吹く命の香に包まれ
)何　.... 裸木の梢が揺れている
春の匂いが漂う大気に
カラスの子らが群れをなし
春の肉感をついばんで
新たな季節の到来を
心底喜び身を震わせる

春を孕んだ大気のうねり、
若芽はもう膨らんで
　.... 夜には
僕の肉体は
さらさらさらと、
カーペットの上へ落ちていきます


はだのいろがあおく
こころのいろもあおく
人と一緒にいることに
適さない生物になっているのです
僕は
　.... 遊べや遊べ わらしべ一本
わらしべ一本 遊べや遊べ
遊びをせむとや生まれけむ

誰もが一本のわらしべ握り
明日は長者か乞食ぼうずか

種もみの実りを待たずさり
中洲で噛みあう　.... 波を押し返そうとするみたいに冷たい風がひっきりなしに吹き付ける二月の海岸には僕ら以外人っ子ひとり居なくて、そのせいで僕たちは足跡ひとつついていない砂の上を多少の引け目を感じながらずっと、アイロニカ　.... 平面を二つに折りこめば空間が立ち上がり
　　さらに折り重ねれば世界は分断され
　　　照らされた片方の裏側
　深呼吸　　　　　　　
　　　　　　　蒸発に
　　いくつもの言葉たちが生まれ　.... しかくい箱に居て
あなたに会いたかった
溶けゆく季節に触れ
あなたに会いたかった
傾いて　倒れかけて
あなたに会いたかった
切りすぎた爪が膿
あなたに会いたかった

ナッツ・ケー　.... ｛引用＝朝｝
朝を見た
眼球は冷え切り網膜は焼かれ
白銀が太陽光を押し広げている
湛え切れず溢れ返り飛沫を上げている
微かな凹凸にも蒼い陰影が添えられて
美しいという言葉は不釣り合い
目　.... 　
描くのは額縁があるからではないのだ
　　に切り取るもの

詩をなめる
　　　　　　　　　同じく　　　　　　　　　虫眼鏡
　　色の点点　　　　　あ、あ
　あたまの中では白い　　　　　　　.... おれの首筋に手を伸ばしてくるやつら
おれの息の根を止めようとしてんのさ
「そら、こちらの指はここにある、少し力を込めるだけでいい」
そんなふうに撫でてみせるんだ
おれは気付かないふりで、そ　.... 　　

大塚駅前で砂鉄を集め終えると
人がプールになる
僕がプールになる
水に、むしろ
水が、の話として
全体的に集まればプールだよ
小型犬もゆっくり通り過ぎて
日差しを浴びる
僕　.... ひらかれたまま
あつめていく
私に似たものを
私に似ていないものを
あつめて
もやして
ふたたび解き放つ
それらはすべて
私ではないもの
それでいて
私をかたちづくるもの
すでに　.... 引き出しの中にも眠る
掬われないまりうすの舵
印影の消えた朱肉をいつまでもはなさない
無駄に広がる玄関の扉開けば山河原の礎石が
角松と放置されたここには誰も居ないという証なのだ
盥いっぱ　.... 知っている
アンバランスな風の生き様が
わたしの場合、震えを呼ぶ
ナイトメアみたいに

寝息の可愛い君の
強い正義を守る目が好き

ウソみたい
古い港町の風の歌声が
わたしの場　.... とてもちっちゃなテーブル
だけどぼくのテーブル
幼い日は僕のテーブルなんてなかったんだ

いまは大切なものをそのテーブルに展げたりして

東京下町大衆酒場ノ味
と銘打ったトーキョーハイボ　....

石村さんのおすすめリスト（1125）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
6月の日記	- 印あかり	自由詩	9*	20-7-1
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ミルクセーキ	- 印あかり	自由詩	6	20-5-17
アナザーバード	- 石瀬琳々	自由詩	9*	20-5-15
幽霊たちとの対話週間	- アラガイ ...	自由詩	10*	20-5-13
はしりがきの春	- 田中修子	自由詩	5*	20-5-13
小さな庭	- 田中修子	自由詩	8*	20-5-10
眼を閉じてきけ	- 帆場蔵人	自由詩	3	20-4-24
「静止画」から	- アラガイ ...	自由詩	1*	20-4-22
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春景に立ち	- 帆場蔵人	自由詩	6*	20-3-28
この際アメリカは五輪の放映権を日本に譲るべきである。	- アラガイ ...	散文(批評 ...	6*	20-3-20
ひとりきり	- 帆場蔵人	自由詩	17*	20-3-7
駅に落ちていく	- たもつ	自由詩	4	20-3-3
初春２	- ひだかた ...	自由詩	2	20-2-15
初春１	- ひだかた ...	自由詩	2	20-2-15
のぞみ	- 秋葉竹	自由詩	2	20-2-15
わらしべのかげ	- 帆場蔵人	自由詩	4*	20-2-14
あの娘は灰色の中に消えた	- ホロウ・ ...	自由詩	3*	20-2-13
折り紙	- アラガイ ...	自由詩	4*	20-2-13
しかくいはこ	- はるな	自由詩	1	20-2-12
点の誘い・線の思惑＿五	- ただのみ ...	自由詩	4*	20-2-11
エロスと空間	- アラガイ ...	自由詩	8*	20-2-11
プラットホームなんかたいした問題じゃない（どちらかの手に切符 ...	- ホロウ・ ...	自由詩	2*	20-2-9
入水	- たもつ	自由詩	3	20-2-9
詞華集	- 岡部淳太 ...	自由詩	8*	20-2-9
葉牡丹の枯れる	- アラガイ ...	自由詩	7*	20-2-9
生きてるだけでいいのです	- 立見春香	自由詩	5	20-2-8
テーブル	- 梅昆布茶	自由詩	11	20-2-6

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