女 男 女 女 男
私の父親と母親の間には五人の子供がいた
一番上の姉と一番下の私とは十歳離れていた

長女が二十歳を過ぎた頃私は小学校の五年生だったと思う
実家は農家で 母親は農婦父親は農 ....
海老とか虫が宇宙人だったとしたら

もはや彼らは

地球侵略になんとなく失敗している


だいたい地球にとっての人間なんてものも

失敗作であることはあきらかだ

失敗ぐらいでは ....
よっちゃんは母子家庭の子供だった
お兄ちゃんが一人いて、中学を出てすでに働き出していた
よっちゃんは小学校の四年生で、俺は五年生だった

俺とよっちゃんの家は近かったけれど、ほとんど遊んだ事は ....
 
変わらない
梅雨明け空と海の青
鳥類魚類は気ままに生きます

風の谷
潮の香りの風が吹く
死出の旅路のやきばの煙


海の旅
竹の筒には酒入れて
勘弁してよね、酔って、乱れ ....
濃灰色に、重く雲があって
息苦しいような午前中に
雨がふりだした
傘が咲くだろう ひとはそのひとの人生のために 雨の底を歩いてゆく
歩んだ歩数のおおさ すくなさ おもさ かろさ
かろやかにた ....
ひと口 ふた口
切れ切れになったドーナツ
片付かないテーブル
固着して動かない暗い光の厚み

幼子の足どりの{ルビ覚束=おぼつか}なさ{ルビ鶺鴒=セキレイ}の尾のタクト
風と雲 木漏れ日を ....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
締め方の緩い
水道の水が光っている
一滴、二滴 光っている

僕は梅雨入りした街を行く

水滴は相変わらず光りながら
ぽたり、ぽたりと 落下し続け
僕は離れていく、無限な思い出を溢れさ ....
雨の雫に濡れた畑の瑞々しさ
自然を開き破壊して得た日々の糧
だからこれほど輝いているのか

ぬかるんだ畑に足あとがみえる
だれの足あとかは知らないが
きっとだれかの足あとで

あなたも ....
【虹色の白鳥】

遠い海に、虹色の白鳥がいるという
羽はとろけるようにやわらかく
飛ぶようにはつくられていない

青い夜を泳ぎつづけて
ああ、まるでひとりぽっち
そういう思いに羽が沈み ....
雨が降って
野菜はもう、透明になった畑
土曜日に、ぼくは死んで
日曜日に、きみはうまれ
ビニール傘をさして、
朝顔からのびた廊下を、
じゅんばんに歩いていく
うしろ姿が見える

さよ ....
毎日が同じ事の繰り返しで嫌になるね
と 職場で同僚の一人に軽く言ったら
えっ?
と驚いた表情を見せて
毎日が同じ事の繰り返しだから生きてけるんじゃないの
もし毎日が違う事の繰り返しだったら私 ....
ぼくは

ななめに線をひかれて


150年くらい前に

消されてしまったんだ


最近になって

ようやく日の目をみて


みんながぼくのことを

知ったようだけど ....
古めかしい上着はもともとはそこそこに値の張るものだったらしいが、今ではあちこち擦り切れてしまって、ジョージ・A・ロメロ映画のエキストラが衣装のままで歩いているのかといった有様で、凍死しないでいるのが精 .... あさ、
と呟いたことばを
ひと呼吸おいて窓辺に置くと
射し込むひかりに反射して
きらきらとひかる

うとうととする
あさ、のとなり
クロワッサンがやさしい匂い
ぼおばる月のかけらが
 ....
.


掌のうちに、唇の奥に、自分を殺したきみ、ぐしゃぐしゃになって、ギイギイと揺れ始めてからもずっと……、ずっと、ずっと、沸き起こる渦のなかを飛行するわたし、刻と刻を繋いでいく刺の先にだけ在る ....
暑い
暑いなあ
まるで真夏の暑さだ
地球が狂い始めて
オマエラ、人間のセイダロウ
叫んでいるかのように

路傍に屈み
タンポポの種を
ふぅと吹いて飛ばしている
子供が二人、
白く ....
昨夜は死んでいる自分の夢を見た
まだ息を引き取って間もない自分の体だった
死んで間もない自分の心は
遺体から抜け出していた

遺体から抜け出した自分の心は
直ぐには天国へは昇れなかった
 ....
そうして雲海は焼け落ちて
さよならすら許さない晴天

山を下ろう沢の流れに沿って
箱庭みたいな町に足を踏み入れて
あの角を曲がりこの角を曲がり
パン屋で焼きたてのフランスパンを
その先の ....
少し蒸し暑い風が吹いて来る
海を渡って遥々届く
初夏の風に違いない
空は淡く青く広がって
この巨大な球体の上に
私はしっかり足を付け
何を不安がることがある?
自問し次第に陶然と 
溶 ....
雷が静かな死を私に受け取れと鳴く。
あっちを向いて吐き出す息は熱いが。

涼しく風を感じたり、透き通る夜更けを見たり。
青空は四角い。雲の切れ間にはつまらない透明。

聞こえ出したエン ....
日焼け止めクリーム
塗らなかった
焦がされる夏を
自転車で転ぶ

クラクションひとつ
拾ってしまえば
ここはもう安全な
場所じゃない

夕陽の中に
扉を見つけて
また明日という ....
灰色が溜まっていく
灰色が溜まっていく
時は矢のように飛び去り
灰色が溜まっていく

憂鬱な快楽
(憂鬱は澱のように沈み)
空は高曇り
舗装されたばかりのアスファルトを
五歳の私が駆 ....
つかまえた蛍を部屋中に飛ばした
蛍がふわふわと飛びまわり
妹とおいかけた
気がついたら朝だった

かたつむりがアジサイの葉をはっていた
ずーと見ていた
いつのまにか雨は上がった

か ....
ひとしずくの
音が染み込む
わたしの一番薄いところ
宴よりも華やかに
纏う羽衣のかおり


たとえば
堕ちていく人工衛星の軽さ
軋み
燃え尽きる
事が季節へのたむけと
そうわら ....
羽の折れた兎は
黄色い風のなかを
うす青いシャボン玉にのって
泳いでいるのです

沈黙するマグネットと
剛健な雪玉をおびやかしながら

渓谷の底には
凍り付いたケチャップの
静かな ....
呼吸をするたびに
口から蛍を放つ

今年もまた
忙しくなってきた

子供のころ
蛍狩りに行って
飛んでいる奴らを
割りばしで
捕まえては食べていた
その
バチなのだろう

 ....
 君は言う

言葉を
超えたモノに
言葉で接近しようと
スルのは馬鹿げたことだと
君はやっぱり言うのか
そう言う君の声、
それこそ僕が近付きたい
遥かな響き宿す
モノなのに。

 ....
水面にキス、をした波紋の先に血液が流れる事実が愛しい、見上げる、あげる、ね。あの星々から落ちた涙と身体に雨が滴り落ちる、夏の夕ぐれ。何もない綺麗もない汚いもない、陽射しに目を細めて少しだけ君が小さくな .... くもたちが、だんだん固くなってきた。いつのまにそんなに伸びたんだろう?っていう草木や花。空腹に甘いパンを齧れば、とたんに胸がつかえて進めない。

(満員電車を乗り継いで花を切りに行く。)
泣 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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