夏をひとつぶ紙袋
開いた黒目も傷つけず
眠りの汀を照らすように
灰にならない書置きの
名前も知らない泥の中
前世と呼び馴らせば遠くて近い
五色の風の靡く音に
言葉転げて追っては失くし
 ....


いちばん繊細な季節が
君の心をうす青くゆらめかす
君は君自身の内部へ
幾重にも囁く ひそやかに震える叙情詩を
季節の弦と鍵盤とが
君の想いを奏でるままに
銀のきらめきを 彼方へと ....
青空。

あれは欠けてしまった心だ、
心の欠けらなのだ、
重力のようにわたしを惹き、
赤子の瞳のように影を呑むのだ、

どこにも行けないという幻肢痛。
慰めがたい痛みを慰めよう ....
雨の日に哀しげな表情を見ていると何故かそそられる。
その豊かな胸と腰。泣き顔とは裏腹にボリューム感のある容姿も愛おしい。
彼女を公司様から引き離してやろう。
そのまま奪い連れ去って監禁したな ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。 

その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。

膨ら ....
どこへ いこう
故郷も 青も
霧に 埋めた
迷える この身で

暗い 一節を
夜陰に こぼす
指を 捨てる
子どもの 様に

母の 声で
夢魔が 読んだ
デカダンスの 絵本に
 ....
月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく

きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて ....
はるかぜの
はるか野山に吹くときの
おなじチカラでビル風は吹く

笑う声
じっとして聴く月を見て
ウサギの声ってブタ猫のよう?

ゆうれいの
フリをしている月を見る
指さし、し ....
磨り硝子の向こうをよぎったのは
夜を飛ぶ鳥なのだろうか

それとも

地に落ちていく誰かの魂だろうか
生れ落ちていく無垢な魂だろうか

ぼくの見えぬところで
はじけたり、とんだり、は ....
催眠術にかかっている間に
彼らが買おうと思っていた家は燃えた
右も左も分からない子供のような街
サイダー売りの声はとてもよく響く
私の住所は内緒にしておかないと怖い
何が起こるかわかったもの ....
また一晩が明け
光溢れる一日が来たよ
風はそっと穏やかだし
空はぼうと水色だし
街は花の香に包まれて
実に飄々と軽やかに
ステップ踏んで春は行く
おれはのそっと鬱だけれど
五十九回 ....
完備 第一詩集『abstract』


…………………………

index

you
・footprints
・memo
・units
・difference


i
・ ....
その手は冷え切っているから
あなたが春なのか冬なのか
わからなくなってしまいます

つくしにふきのとは
いつもの場所にいません

あなたの背中をさがして
遠まわりして歩いていたら
風 ....
一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする

君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ


私の肺の穴あなから
ミツバ ....

リビングのソファーで母が咳をしてる

姉がトイレのフリをして
白湯を入れに行く

「電気消すよ。もう寝な」
私は父の手紙をしまう
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」

 ....
箱がたくさんある。
現実にも想像上にも、自分のものも、むすめのものも夫のものも。怠惰な感じのする春の日差しの真中にわたしのそれを置いて、みる。日差しは多くの物事を明らかにする(もし私達がそれを望 ....
 
井戸から罌粟風呂

人文男子の捩った柔毛

鮭食べ 

下ネタ大サロン



良い腕だ 

だから何だ 

頭 電位懼れ 

稽古だ 意図よ モダンかもしれない  ....
部屋に魚がいる
いつの頃からか住み着いたのだ
水槽に水を入れ勧めてみたが
お気遣いなく、と辞退する
空気の中を平気で泳ぎ
窓から外を眺めたり
ソファーにちょこんと座ったり
いつしか気心が ....
いつのまにかコーヒーを飲む人になった。
えんぴつから青空が生まれていく。
褒め言葉が君を悲しい気持ちにさせるなら、
耳をふさいだって構わないんだ。
神様から君への祝福を、見て見ぬふりしたってい ....
点と線で描く
風船の中

詰まった言葉を
透かしながら追う
軌道の先で

詩人は待ってる
釘をさすような
最後のひと声

丸い形を
変えたくて割った

地球の中心
少しズ ....
前へ進むと
広々とした空間の開け
(紅梅はもう散り果て)
涼やかな風吹き
光、光
駆けゆく春のこの午後に
私はやや傾いて
尚、前へ進む
もう何一つ考えることなく
表に出る

冷たい風を受けて
少し歩を進め
暖かさを覚える

手袋を外し
マフラーをほどき
コートの前を開く

玉響に春の訪れを
この身に受けてみる

気分が晴れはしないけれ ....
騒乱騒乱、
光の洪水だ
爆発的な消尽、
圧倒的な光の洪水だ

浴びる、浴びる、浴びる
(白い巨鳥が空を行く)

ひたすらに進み
ひたすらに跪き
今、生きる
この渦巻く真昼の界
 ....
いとしくていとしくて
星空を仰いだその
裸の心
ではなく
裸の体

そこにみつけたい

ずっと伝えたかった

生まれ育った田舎の田んぼのあぜ道
泥まみれになって駆け抜けてたあの ....
家族が崩壊しかねない危機的な状況におちいっても
あらためて会議なんてしなかった

そんな日がそんな時が
来たんだよな
前触れもなく突然に

上の娘が下の娘も連れて家を出て
アパートで暮 ....
しぶとく生きようぜ
たとえその生きざまがどんなにぶざまで惨めったらしくても
怯む事などない
しぶとく生きようぜ

しぶとく生きようぜ
たとえペンが剣より強くても
インクが切れたら役にたた ....
さあ悟れずに生きていく

線路に財布を落とすようなとき

駅員がひとりもいないようなとき

ホームから降りて財布をとるようなとき

だれかが非常停止ボタン押して大騒ぎ

平成は昭和 ....
来たので、
わたしは
行きます

黒ずんだ窓の向こう側
鳥たちが飛ぶその上を
沸きあがるようにして
来たので

窮屈な靴ばかり履いていた
厚ぼったい肌をしてがたがたふるえて ....
 
 
めざめ また往ぬ 

途上の椅子 ひとり 


とほきこころ とほきねむり 


ふと おぼえたる 

すわるしぐさ 


だれとふけはいなき 

思ひ出の  ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた

 ....
石村さんのおすすめリスト(1133)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
壁画- ただのみ ...自由詩5*19-3-17
君の在る情景- 塔野夏子自由詩3*19-3-17
青空- 新染因循自由詩919-3-17
レッスン1- ツノル自由詩3*19-3-17
園庭にて- ひだかた ...自由詩10*19-3-16
- ルラ自由詩4*19-3-16
宇宙船と稲光- カマキリ自由詩619-3-16
しんげつ、しんげつ、- 秋葉竹短歌319-3-16
夜を飛ぶ鳥- 帆場蔵人自由詩319-3-16
Sestina2- ふるる自由詩219-3-15
walk・on10- ひだかた ...自由詩419-3-15
完備_第一詩集『abstract』- 完備ver.3自由詩9*19-3-15
どこへゆくのでしょうか- 帆場蔵人自由詩5*19-3-15
髪を切りにいこう- Sisi自由詩719-3-14
star_rosemary_night- mizunomadoka自由詩519-3-14
箱のこと- はるな散文(批評 ...519-3-14
雨の領土- 墨晶自由詩219-3-14
あなたはさかな- やまうち ...自由詩8*19-3-14
ふりかけよう- 水宮うみ自由詩2*19-3-14
魔法- ミナト ...自由詩319-3-14
walk・on_9_- ひだかた ...自由詩219-3-14
春だのに- 坂本瞳子自由詩2*19-3-13
walk・on_8_今、生きる- ひだかた ...自由詩519-3-13
はだか- 犬絵自由詩519-3-13
家族会議はしないけれど- こたきひ ...自由詩419-3-13
しぶとく生きようぜ- こたきひ ...自由詩419-3-13
孫悟空の八つ当たり- ペペロ自由詩819-3-12
来たので- はるな自由詩619-3-12
(_椅子_)- 墨晶自由詩319-3-12
虐待- 印あかり自由詩11*19-3-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38