苦しいのわかっていても追いかけるストーカーまで一歩手前に
なんでだろ僕が僕ではないみたいこんな入れ込み這い出せないよ
あの頃の夢は無残に塵となり待っていたのは借金地獄
幻と思いた ....
さみしくて孤独の先の孤独へと橋をかけては渡っているよ
いつになく憂鬱な日に雨が降りさらにブルーに拍車がかかる
繰り返す日々に少しの曇りさえ見えないなんてそんなわけない
ずっとこう ....
慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
あるいは取り残された者たちの最 ....
もうひとつの夜の街が動き出す
灯火はみな偽蛍
背筋を伸ばした猫は
糸を池に垂らしてザリガニを釣り
夢遊病者たちは公園に集い
おとがいを比べ合う
看板描きの落としていった
無邪気な絵筆は
....
中華そばが食べたい
鶏ガラスープにしょうゆ味
チャーシューは薄くてかためで一枚あれば上等
メンマはくたくたで噛むとじゅわっと濃い出汁
しゃきしゃきのネギが散らばっている
脂が透明 ....
ずっと夜に引っかかっていたい
蜘蛛の巣の落ち葉みたいに
まさぐる闇に身をまかせ
ふるえながら黙ったまま
水中に咲く花のよう
静かに息を
ひらいてとじて
やがて夜光虫が模様を描き出し
嘯 ....
実は、わたし、芸能人なんか好きにならんと言っといて、
こっそり、田中みな実さんの写真集持ってますぅ~~
いやはやお恥ずかし。
ブックオフで見つけて、かわりに旦那様に買ってきてもらいま ....
泣いてばっかじゃ
そのうち旦那にあきられるよ~
なんて
友達に言われて
強い女目指すべきかな?
頼れる女風 醸し出すべきかなと
思うのですが
わたしは
泣き虫で 甘えん坊だ ....
おおきな
朝日を 笑いながら
数えきれない鳩が輪になって
時の繋がりが聴こえてくるような
羽根を打つほどうつくしい游び
壁にぶつかるんじゃないか
そしてそのまま吸いこまれ ....
水槽のところで約束をした
真昼のすん、とした感じ
色違いの飲み物を二人で飲み
明日も天気はあるのだと
なんとなく思えた
歩く速度で歩くように
わたしたちは笑う速度で笑う
許したこ ....
田園のなかでブリッジミュートを鳴らしつづけていた男がうごきをとめ、
河べに立ちながら永遠ともおもえる時のなかで鳥を眺めている
かれが悲しみの澱みたいにおれには見える
それはこの十年ものあ ....
力なく銃を取り落とした右手
ひとつしか置けない椅子
空にも海にも嫌われたぼくらの青い瞳
その頬に伸ばして撃ち落とされた左手
羽ばたく魚 溺れる鳥
黄色い旗 黒い丘
愛そのものだった内臓 ....
もう見ることは無いと思っていた、
はっきりと思い出せなくなっていたあなたの横顔、
今こうして隣で金色の風を浴びて、
火のようにはためく髪と、
水底のような瞳が細められるのを見て、
どうしてこ ....
愛した人よ。僕は光さんざめく山道を歩いている。
霜が溶けて濡れた土の匂いが、僕らの約束を祝福している。
赤い車は麓に捨ててきた。君をいつも助手席に乗せていた。
僕らは片時も離れ難かった。君の ....
不器量な手だから
なぞれない象徴があった
見届けられない背中だから
言葉に出来ない痣があった
哀しみは木偶人形の口笛
哀しくて哀しくて歌が漏れる
そうやって辿り着いた音階は
成層圏で ....
不自由な直線で描かれた雨に
うたれている
肉体
つまりきみは
一歩も動かないまま
ふるえてある
姿という姿はめくられ
白紙というには色褪せたページが
きみの瞳のなか ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから
泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
....
せまい壁と壁のあいだを行き来するボール、失速しながら遠のいていく。
そのようにして日々が行く、茂った葉も黄色く力尽きる。
もう二度と会わないと決めた人には簡単に遭遇してしまうのに、続けようとも ....
"華麗に終わるはずもない、そんな末路もしかたない人間だもの"
靴を揃えて、
(やさしい歌よりも悲鳴が好まれるなら
かなしみになけ、朝告げ鳥を抱きしめ
盲いた ....
抉り取られた枝、から
予告もなく傾いていく
網が からめとる とられない
誰かの手紙が捨てられて
落書きばかりにうんざり
ひさかたの果実にうつつをぬかす
転がる、ひかり、分散、なつのひ ....
水の声を聴くがいい
水面のゆらめきに影をとられ
なお掴みがたきひとよ
あなたもまた歴史の谷を
流れる水の影なのだ
水は石理を濡らし
戦禍をまたぎ
あなたの口を潤した
だがこの水 ....
夜風
白銀色の月光り
かじかむ指先の、爪に落ちて、ちいさく照らし返す
甘い潮の香
はなうら 花占 花占ら
月明りの浜辺に咲き
揺れている花々を
一本一本摘んでは花びら千切り
時 ....
穂のゆれる
夕方まえ
ゆれてるね といい、
すわったまま
夜をむかえる
つめたい月をちぎっては
たべ、
いくつかの
物語で暖をとり
ちらばった行間をたばねて
舟を編んだ ....
わたしだけの秘密がまた増えてしまい
これをどうすればいいかと思案する
王様の耳はロバの耳
宝石箱に小さく囁き
誕生日が同じだと顔付きが似る
クローゼットでひと歩きし
異口同音の人に好かれて ....
金木犀が、香ってかなしい
手折って、帰ってきて、グラスに飾って、香ってかなしい
ゴミ箱の中から、香ってかなしい
ゴミ出しをしていたら、金木犀が、香ってかなしい
手折って、帰ってきて、グラスに飾 ....
窓を叩いていますのはだれでしょう
だれでもありません、星明かりです
星明かりではありません、月明かり
月明かりでもありません、家守です
家守の足跡追いかけてだれが歩いて
いくのでしょう、 ....
トイレに 貼られた関門海峡の写真
そのくせ 見る事のできない生まれ故郷
「もし そこにいるのなら返事して」母は言う
補聴器をしなければ何も きこえず
わずかに光だけを感知する あなたの ....
許されるならば
喜怒哀楽の頁にはさみこんだ
しおりをほどき
薔薇のトゲのように
愛は血まみれの行為であったと
旅立つひとに告げたい
愛は規範をもたない
むくんだ背すじに頬をあてて ....
これから病院です
おかしいところを治す病院です
暗いスマホの画面に映ったわたしの顔その後ろの車窓その向こうの電線と青空が、とても綺麗で
6.4インチ、好きな分だけ好きな景色を切り分けたような ....
みさめがふりつづけばつちはながされて
わたしがうまれた
由来から植物は埋もれ酵素も分解されて
腐食の生きものたちがはみ出してくる ....
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