少女がいま黒い部屋でしずかに笑っているのは
そこに活けられた中原中也が枯れているからです

中原中也は季節に追われ
小さな窓から見える春の風に憧れたのですが

羨ましいとは言いませんでした ....
そのとき
私はゆうに百歳を越えていました
しかし
若い頃に思ってもいなかった長寿は
私に多くの不幸をもたらしました

私の周りは皆死んでしまい
私は見事に一人ぼっちになってしまいました
 ....
夜中に目を覚ましてしまい
それから朝まで眠れなかった

夜が明けた頃
カラスが鳴き出した

そのぶきみな鳴き声に
何だか不吉なものを感じた

以前
道に放置された猫の轢死体の内蔵を ....
1. ドアを開ける
2. ドアを通過する
3. ドアを閉める
4. ドアを開ける
5. ドアを通過する

ドアを閉めなければ次のドアを見ることができません
次のドアの前には空間が ....
夏の空、玄関口
立ち尽くす己
庭木の揺れ、うねる大気、光の庭

ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷が

五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは ....
ジャケットを着ると
黒いフレームに
収めた笑顔が
飛び散らぬように
抱き締めたくて
背筋が伸びる

真っ直ぐにただ
空を目指すのは
鳥だけで良いと
僕は思うんだ

胸のスクリー ....
わからないんだ
青空がなぜあんなに悲しいのか
夕べ見た夢を思い出せない訳も
わからないんだ
故郷においてきた記憶の破片が
なぜ懐かしくないのかも
わからないんだ
テーブルに爽健美茶のボト ....
長閑な昼下がりに私は私を感じている
私という心 いや、魂のからくり
そして色 何層にも重なった記憶
またDNAにより受け継がれた連鎖のストーリー
それらを断ち切ることのできない無力さ
なるべ ....
夢みつつ、ひとつふたつ
昼間から夢ばかり数えて
そんなあなたには猫だって
退屈を噛み殺しているわ

そんな皮肉にもぼくというやつは
こたえもせずに退屈ってのは
どんな味がするんだい、と
 ....
ながりゆるみじぬあてぃん    流りゆる水ぬ在てぃん
がれちぬあとぅんかい      瓦礫ぬ跡んかい
りんどうぬはなぬさちゅる    竜胆ぬ花ぬ咲ちゅる
ゆちゅぬさちや         行ちゅぬ ....
狂った夏の中に君はいた
汗はとめどなく流れて
叫びは果てしなく溢れた
太陽は執拗なほどの
光と熱を地上に浴びせ続けて
あるものは犯罪者になり
あるものは自殺者になった
 ....
枇杷の実、たわわ、たわわ、と
ふくれた腹をかかえて転がりそうな
夕陽に照らされ景色をゆすって風を
くすぐり、たわわ、たわわ、と

悲しげな
その実に
歯を立て

しごきとる、なぜにこ ....
縮れた葉っぱに青虫が転げて
砂利の中に風格ある化石もどき

静かな空におじいさんのくしゃみ
ドクダミの鼻にキッス

川の流れのようなワンピースを着て
牛糞香る路地をのんびり散歩

無 ....
おれが居たんは楽園とかいう果樹園やが
アホウな鳥が啄んだあげく
雲ん上で糞ひり出したもんだから
おれは泥ん中に落ちちまってよ
隣で生ってたあいつらあ
灼然な御神木だとか
世界一臭え花だとか ....
比喩じゃないんだ
信じてくれ
真っ青な草が生えた丘を見た
八月の初め頃の話だ
僕は何もかもが嫌になっていた
(よくある話だ)
家のドアを蹴飛ばすように開けて
外に飛び出した

す ....
まだ、崩れていない膝がふるえている
わずかにたわみ、重みにたえているのか
生きてきた時間といま生きている時間に
ふるえながらも踏みだし、よろめき
それでも倒れない、屈するたびに
なんどまた伸 ....
即興で詩を楽しむサイト 即興ゴルコンダに 題をwillさんが だされたものです。時間ぎりぎりまで ねばったのですが、時間内に書けたものは私としては不完全燃焼だったのです。すこしは自分に満足したくて、結 .... てのひらに
零れてしまったら

死産でしょうね、きっと

背骨が裂ける瞬間より
翅を広げず、駆け出した


(荒野の果てで
空を背負って暮らします)


わたしは粗野で
 ....
先生の一言にさめざめと泣き崩れ
大好きな先生を嫌いたい夜を走りますよ

愛情嫉妬の量を間違えてメラメラ音を立てて
燃える純情ごころも大嫌いっていいますよ

各個の自我が邪魔になるって心の壁 ....
 
医師と口論したので病室にいるのが嫌になった

リネン室に忍び込む

誰かが寝起きしている形跡があった

やむなく 病院を出ることにした

二階の小田急線直通の改札口からホームに降 ....
   


ながりゆるみじぬあてぃん    流りゆる水ぬ在てぃん
がれちぬあとぅんかい      瓦礫ぬ跡んかい
りんどうぬはなぬさちゅる    竜胆ぬ花ぬ咲ちゅる
ゆちゅぬさちや     ....
絵本の中で星を探した

月のみえない夜のかみさま

あの子がすこし泣いた日の夜
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている

私は寝床を整える
不眠の昨夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らさ ....
ハーレー・ダビッドソンに跨った売女が陽の当たる大通りで存分にハンドルを振り回しているころ、西のほうの古いアーケードじゃ昨日そこでショットガンを撃ちまくって逃げている少年のニュースでもちきりだった、 .... 遠い火をみつめている
どこにいても遥か彼方で
ゆらぐこともなく燃えている

あそこを目指していたはずなのだ
臍の下あたりで、眼球のうしろで
わたしのいつ果てるかわからない
火が求めている ....
天国へは針の穴を抜けていくらしい
むかし誰かに教わって
なるほどな
と思った

勿論
遺体が
針の穴を抜けられる訳がない
でも
霊とか魂ならば抜けられるだろう

私もいつか死なな ....
風が担う祝祭の神輿

白蝶ひとひら
    またひとひら

もつれ ほどけて
    また結ばれて

あどけない水の声
    まろぶ 光の鈴

うたたねの距離
 雲雀につられ ....
母は美しい
だから母の死体はきっと美しい

閉ざされた瞼にわたしは
小さなダイアモンドを飾りたい
「石なのに、この世で一番綺麗」
耳にツンとくる冷たい声が蘇る……

母の死因はきっと病 ....
ぽかんと ひとり
  立っている
新緑繁茂する森のなか
ひとり ぽかんと
  立っている

群れなす緑は
遥か空の青みすら
呑み込むように絡まり合い
旺盛なその生命力を
風に吹かれ ....
青色が麦わら帽子に恋をした

降り積もるあなたの愛でねむる姫

サンダルと月夜が似合うお父さん
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