晴れた日に雨靴を
履きたい気持ちを
雨の日に思いきり
傘ささずぬれたり


開いてしまったら
また閉めればいいじゃない
ひとつしかないのファスナー
そう思い込む
のだった
 ....
最後の花びらが
ついさっき
昨日にとけて
待っていたはずの人も
終に

花びらになって散ったか
なんて
立ち上がるともう
ちゅうりっぷも
花菖蒲も
夏へ向かって
伸びをしている ....
たくちゃんやアーくんはとても
綺麗なフォームでクロールするんだ

彼らのように泳ぎたいわけじゃない
水と愛撫し合う幸せを知りたいだけ

包帯が水を吸って絡みつく
誰もお前は認めない、とい ....
虎がいます
胸の中に虎がいます
人喰い虎か、人良い虎か、人良い虎は寅さんかい

ほら、見なよ、あんな虎になりてぇんだ

けれどこいつは張り子の虎です
淋しがりやで強がりで
涙を飲み込み ....
ええ 夢です
わたしなど夢です

あなたの目にも耳にも鼻にも残らない
夢です



いちばん隅の机の上で
ちぎり絵をふたりでしました
桃のようなほっぺを寄せあっていました

ぼ ....
普段から優柔不断の私は一見優しく思われるかもしれない
だけど私と言う人間を支えているこころの仕組みは
いたって冷淡である

たとえ熱を加えられてもその構造は伝わりにくいので
温度が上がらない ....
灯台の灯りで煙草に火をつける
まるで灯台がチリチリと燃えるよう

灯台を吸い尽くしたら
波濤を彷徨う船たちも
みな底に攫われた悲しみも
どうやって帰ってくるのか
煙草の火をグルグルとまわ ....
海岸の町をぬけていく
錆びた看板に風があたって
クジラの声がする

思いを刻んだカーテンを
めくっては繋ぎ直して
あとに残したギザギザする感情に
また風があたってようやく
琥珀ができて ....
流れる星を見つつ
カニの足の節目に
時代の節目を重ね
フィットしたのに

なにしとんねんと
何もしとらん奴に
むき出しの知性で
言われとんねんと
カニが言うのです

横歩きとの呼 ....
神さまは
叶わない愛なんて知らないって言ってた

幻の夜、
カフスボタンの別れて落ちた砂浜に
砂の城がまだ崩れ切ってはいなかった

知ってる

紫の夜空に浮かぶ
白い雲が
地上に ....
一輪挿しの花を
わたし達はただ愛で
やがて枯れたならば
裏の畑に埋めて

忘れてしまうでしょう
なぜ、忘れてしまうのでしょう

そうして人々はまたこともなく
明日の朝を、明後日の夕 ....
抗えぬ露の一粒
誰にも
触れられることのない花々

寄り添い
静けさのなかに
呼吸していた

夜明けに
来客があるのだという
貴方は
刃を握らせ
傍らに眠る友の
肉を裁ち
 ....
うまれてから
なんにちたったのだろう きょう
うまれた日は だれにもいちどしかないのに
たんじょうびは なぜ
なんどもおとずれるのだろう

あつめるほどに 足りなくなってゆく
ことばのた ....
墓場に集まった猫達が
ズージャ語で聞かせてくれる
フォークロア

酒場に集まった犬達は
薄いビールを呑み込んで
叙情的なぬるい息を
メランコリックに吐き散らす

魂をなくした千鳥足ど ....
時雨の後退り
窓が泣くような音がする

時雨の後退り
窓が泣くような音がする

時雨

後退り


泣く
ような


する

時雨の後退り窓が泣くような音が ....
永遠はダイヤモンド
じゃないよ

ポケットの中の
白いハンカチが
背筋を伸ばして
指先に当たる

アイロンをかけて
くれたあなたに
出会えたような
手触りを感じ

地図がある ....
九十歳になった
築五十年の家にしがみついて
まだ生きている
妻はもういない 
子もいないからもちろん独居老人だ 
介護施設には入らない 煙草が吸えないから
死ぬまでこの家にいる
死に方は ....
流れていく
灰色の雲
ゆらゆら揺れる電線の向こう、
流れていく
ゆっくりたしかに
流れていく

そうして着実に時は過ぎ
百万年が過ぎていき
私も君も彼も彼女も
居なくなる

只 ....
遠い故郷の潮騒の音は望郷のかなた。
神無月の夜の寝苦しさと汗のにおいは、真夏のあこがれの産みの苦しみ。
カモメは港に群れていたが、今では残像さえない。
ギィ 流されるままに間違った舟
白い半紙を行く
長い髪に 長い髪が絡まる
黒い魚がぷかぷか浮かぶ

白色の部屋 隅に果物とか花 窓の外に桜
なまっ白いカーテンの隙間から
はみ出すどす黒い ....
正しい箸の持ち方を知らないままに育ってしまった
正しい箸の持ち方なんてあることさえ知らなかった
その認識皆無だった

正しい箸の持ち方を知らないままに人の親になってしまった
正しい箸の持ち方 ....
 
 午後がすきです

 土曜日の午後が好きです

 明日は日曜日と思うと余裕ができるから

 季節が変わっていくように

 土曜の午後は自分次第です

 時間の流れを思うままに ....
狂気こそが真実を知る、あらゆるものが散乱したテーブルの上には、デフラグされた混沌の形跡がある、指先が本当に触れたいのはキーボードではない、その先にある脳味噌の最深部だ、聞け、正常にこだわるのは愚か .... 一条の光、
緑の木立に射し込む
それは静かな正午過ぎ
私は独り、イートインで
アイスコーヒーを啜っている

)ゆっくりゆっくり流れる時間が
)いつしかゆるゆる止まり始め
)魂はまたうっ ....
あなたの蛇の皮もどきの諦めを
満月の海に見た

あたしの心は
そのとき蒼く静かに燃え盛り
そして今は静かに冷え切っている

透明な風が 冷やしていくのだ

死の匂いのするス ....
あの子に慰めてもらえて

好きになりました

そんな感じ


久しぶり


肉体は疲労して

生きることに懸命ですが

好きになって良かったです


なによりも

 ....
耳の奥に蝉が棲んでいる
みんみん蝉だ
うるさくてかなわない

一本木が立っている
一本どころじゃない
何本も立っていた
何本の騒ぎじゃない
数えるのもいやになった

林から森になり ....
忘れられない事を
確かめるためだけに
息継ぎを繰り返すのだろう

(葉桜は永遠に葉桜やったわ)

灰に塗れ肺は汚れて骨肉はさらされ血の流れは遠く故郷のくすんだ川面のような在り方しか出来ない ....
【公園】
躁鬱な白熱灯が
葉桜のささやきになだめられて
たわわに実った涙を
鳥が、祈るように啄んで
焦げ落ちた空へと死んでいった


【狭い路地】
ヨモギ色のトタンの一軒家
も ....
          n'est plus l'impromptu, déjà


 一階の角部屋を覗きに行く

 カーテンのない窓から室内がよく見える

 六畳の板の間の隅に

 サ ....
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