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ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら

僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
ああ 今日は
なんて美しい音色だ
風はすこしばかり強すぎるけれど
これは春なのだから仕方ない
それよりそこかしこで
草も木もみんな楽器みたいに
お互いをこすりあわせている

風が吹 ....
半分の月を見ていた

半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった

半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた

半分の月を ....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった

木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった

海は穏やかに荒々しく
 ....
森の寝息が聞こえる夜

小さな生きものの見る夢は
無塵の砂丘にしみこむ雨の
蒼く芽ぶいた花の種


明日を知ることが堅く閉ざされている
明日を知ることの恐れを知っている


 ....
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした

「うちは見せるだけじゃないからさ」って

一番前に座って待った
クリスタルライト ....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた

まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....

プラットホームの端っこで
小さく手を振る人がいる


動き出す列車の背中には
きっと誰かの

そう
見送る視線のその先には
きっとそんな

夏の終わりが ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました

(淋しさというものは
 そんなささいなところに隠れていて)

窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
それぞれの空があり
それぞれの海があるように

それぞれが少しずつ違うからこそ
世界と呼ばれるものがある
ぼくらは

お互いを知るために
生まれてきたわけではないけれど
傷つ ....
みずいろの風に吹かれて

すこしだけ早まった鼓動が
うなずくように合図をしたら
それが夏のはじまりでした

手のひらでつくった影に
割り込むように差し込んでくる
陽の眩しさを避けて木陰 ....
探さないでください

そんな手紙を残して
君がいなくなってしまったから

僕はちまなこになって探したんだ

押入れ、風呂場、トイレ
良く行くレストラン、レンタルビデオ屋

何処にも ....
あの日
僕はふらっと出かけたそうだ

何処にも行けない身体で
何処に行けるはずもないのに
何処かへ出かけてしまったそうだ

(言葉を忘れるということは
 そんな遠い旅に出ることに似てい ....
目の前を何回か通り過ぎたと思ったら
いつのまにか腕の中にいた

陽だまりのなか
生まれた熱をくるむようにして

うっとりと瞳を閉じたのは僕の方だった

     
四人家族の
四角いテーブルには
それぞれの席がきめられていたけれど
うまることはほとんどなかった

今はもう
四角いテーブルもなくて
かわりに置かれた
まるいテーブルの端っこで
食べ ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....
まるで森の中にいるみたいにいい匂い

なんて君が言ってくれるから
僕は手を木のようにひろげて
君を抱きしめてみたのだけれど

そうやって抱きしめるほど包まれる
くらくらとする君の匂いのほ ....
雨上がり湿った空気

屈折した気持ちで見上げる空に
描かれた虹の橋

一つ悲しみを乗り越えるとき
失くしてしまうものがあるとしたら
それはある種の光なのかもしれません

吸収して拡散 ....
ぽつりぽつりぽつり

ひとり部屋にたたずみ
明かりかすかに瞳に浮かび
いくつもの雨音に呼び起こされる色々

色鉛筆で
一番最初にへってしまうのは青色でした
空の色なんてわから ....
天気のいい日はたまらない

家からは出ない
窓も開けない

 (つらいのだ)

去年の夏は猛暑で
「来年の花粉はひどいでしょうね」と
誰かが言っていた


   *


 ....
開放されない夜

こんなにも悲しみは
不快な落下を求めて
その瞬間を嘆くことさえ許さない

形を維持できない感情は
なめらかに体をすり抜ける

闇を潜めて光彩に垂れた
 ....
今日は「先入観」について少々・・・

選択というものは 本来 あれこれ考えてするものなのでしょうが 実はそれよりもはるかに多い選択を私たちは無意識のうちに行っているわけです。それを大きく左右する要 ....
僕 鬼はやらないよ
僕 隠れている方がいい

僕 呼ばれても返事しないし
僕 うまく隠れるもん

「君!お尻が見えてるよ!」

「えっ!ほんと!?」

「みーつけた・・・」

 ....
盲目であることを知った

ふと
砂嵐の画面に吸い込まれた

夜通し泣いたら疲れて眠ろう

朝には
全部忘れているだろうが

当たり前に 夜は来る

僕はただ
真夜中の中間点が ....
ふるるさんのベンジャミンさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
セミ- ベンジャ ...自由詩9*10-7-31
「億万人の心の音」- ベンジャ ...自由詩20*08-3-22
たとえば歌をうたうように- ベンジャ ...自由詩12*07-3-14
半分の月を見ていた- ベンジャ ...自由詩13*06-11-15
「もっと広く感じるんだ」- ベンジャ ...自由詩8*06-6-30
今宵小さな星が降る- ベンジャ ...自由詩9*06-4-18
ストリッパー- ベンジャ ...自由詩8*06-3-5
アライグマと石鹸- ベンジャ ...自由詩11*06-1-14
流星群の夜- ベンジャ ...自由詩11*06-1-2
「夏の終わり」(コラボレート作品)- ベンジャ ...自由詩1105-9-20
夜の地下鉄は海の匂いがする- ベンジャ ...自由詩53*05-8-31
ひとつ足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-8-24
雨が止むのを待ってます- ベンジャ ...自由詩14*05-7-26
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
60億分の1- ベンジャ ...未詩・独白6*05-7-10
夏のはじまりはいつも- ベンジャ ...自由詩9*05-7-2
グラタンをあたためながら- ベンジャ ...自由詩13*05-6-15
ただいま- ベンジャ ...自由詩9*05-6-13
抱き猫- ベンジャ ...自由詩11*05-6-7
皿だけのサラダ- ベンジャ ...自由詩5*05-6-4
めくるめくなめくじ- ベンジャ ...自由詩37*05-6-2
そんな匂いに包まれて- ベンジャ ...自由詩4*05-5-30
虹の色が足りない- ベンジャ ...自由詩6*05-5-10
ふるえるように雨がふる- ベンジャ ...自由詩7*05-4-26
花粉症- ベンジャ ...自由詩8*05-3-1
流線型の悲しみに- ベンジャ ...自由詩9*05-2-8
先入観について- ベンジャ ...散文(批評 ...4*04-11-28
かくれんぼ- ベンジャ ...自由詩6*04-11-27
真夜中の中間点- ベンジャ ...自由詩4*04-11-26

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