すべてのおすすめ
痛み止めのかわりに睡眠薬を飲んで、
買い物へと出かけて行く。
主婦に休みなんてないんだよ。
あなたは主婦ですか?
いいえ、家事手伝いです。
わたしは単なる家事手伝いです。
昔は夢や ....
今日は何の花?
白い花
線香花火、みたいね
名前はなんて?
名もない花、知らない草
ナモナイバナ? シラナイソウ?
ん?
そんな名前があってもいいね
眠れない夜の慰めに、
温かなハーブティーを飲んだ。
夜はまだまだ続く。
老いた父は眠っている。
目が、覚めるようなシャワーを浴びる。
父の祈り母に添いたる秋の夜
秋を見て父を見てただ心静けき
送りまぜ今日はかくやと嘆きおり
父の背に後の月を見し夕間暮れ
十六夜の月は空にはとどまらず
薄紅葉家の庭にもあったっけな
惚けてはうつつに帰る秋の昼
母の味欠けていたのは椎茸や
そぞろ寒戸外に出るも少し震え
果てしない夜中にまんじりともせず目覚め
秋の朝見上げる ....
雁の使はるか果てまで独り言ちて
蓑虫のなつかしさかな手を伸べて
愛らしや鶏頭の声千の風
渡り鳥今はまだ季節に遠く
悲しみの扉を開けて秋静か
玩具箱固い扉に秋深く
わたりたり雁の旅路はせつなくも
涙もてただ拝顔すべし秋の田を
心を晴らす種はいずこへ秋の空
牛蒡引く手も借りたしや忙しなく
秋空に思い叶わず暮れるまま
冷たいと思わず手を ....
青き時宵闇に秋葉溶け込んで
身に染むや孤独の病時経ちて
泣きたくて秋の夜には涙の雨
秋の朝しらじらと明け身震いし
柿の実や生らずになってもう幾年
葡萄の実母の位牌にささげ ....
形見なるコートをはおる日も間近
月見酒沈黙だけが支配して
明日を思う今日これからの神無月
秋と言う幻想を越えただ歩む
秋月夜孤独と思うは一人のみか
酒を酌み己を見つめるこ ....
里芋を好む父のため遠出して
神無月流転流転とただ唱え
秋の{ルビ湖=うみ}今年もまた白鳥は来るのか
悲しみは秋の代名詞とは言えず
銀杏散り舗道は黄色{ルビ一色=ひといろ}にて
....
雨が降ってきた。
それがどんな〆の雨なのか分からず、
わたしはただ空を見つめていた。
遠い、はるかに遠い場所に、
雨雲は鎮座していて、
わたしに声を聴かせようとするのだった。
雨の ....
宵闇に吸い込まれてゆく花花火
秋雨のしのしのと耐えるばかり
にぎわいを求めて集う秋の雲
小ぬか雨痛みを閉じてひたに降る
宵闇に問いを重ねる神無月
眠れない夜 眠れない夜。
窓の外には月明かりが照らしている。
その一方で、
西の国では大風が吹いている。
雨は来るのか?
雨は来るのか?
期待と不安の狭間で、
心は風鈴のような微 ....
朝の歌を、小鳥の声にまぎれて。わたしはコーヒーを飲む。ねむれない。
カルフォルニア・ミソサザイが鳴いている。わたしの全て否定しているのだ。
カラスがゴミ集積所を漁っている。猫も。敵同士なの ....
梅雨空の果てしなく続く闇を越え、野山の果てに虹を見るかな。
今年最初のアジサイを見た。それでどうとする、我もなきにして。
日々徒然な、なんともなしに歌を歌う。哀れはいずこ、我には無くして。 ....
気もそぞろ、心もそぞろ。雪のひとひら、舞い落ちて、土に溶けるように。
オレンジの皮の厚さよ。ピールにして、紅茶にでも浮かべようか。
久しぶりに、のんびりしたいんだ。心のなかは嵐のようでも、 ....