耳の不自由な彼は
音が見えた
と 言った

わたしには聞こえただけだった

目の不自由な彼女は
色が薫った
と 言った

わたしには見えただけだった

後ろめたくなかった
 ....
もう二度と会えない
さよならも言えなかった
願いは夢で会うこと

思い出を繰り返し語り
笑ったり泣いたり
居場所を灯す

好物だったそうめん茹でる

そうめんの川にオクラの星
麺 ....
銀河の岸で
七夕の日
小鬼の私は
手紙を書いた
ムーミンの切手を貼った
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が 
たなびく空に滲む

満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える

砂浜 ....
白い紙の上にこぼれてにじんだ
わたしのかなしみ、
あなたのりんかく

揺れながら
つめたく細い流木のような腕を
にぎりしめたときを
かみしめる
揺れながら
幼子が ヒーローの名前 ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、


なみだ、
かけがえのない、
 ....
冷えきった部屋から外へ出れば
陽の光がジリジリと体にしみる
角をいくつか曲がって坂道をくだり
今日食べるためのパンを買う

空は雲一つない青
心の中は積乱雲
乾いた風に吹かれ
別世界を ....
近所の子らの手をひいて
人いきれのする方へ お提灯かき分け
夏の夜がひろがる空で
花を散らせる 長い指さき 見ていた
二十七歳の私

ルリカケスの羽根 織り敷いた
天の川から眺めるこの町 ....
渓に静と動あり

静は岩

動は水

森はそよぎ

小鳥がさえずる
貝のように閉じた小部屋
布団にくるまり明日に怯える

昨日と変わらぬ今日はまるで
見飽きたドラマの再放送

誰にも呼ばれない
安心と寂しさと

不安を煽る不穏な夢
眠ることを諦める ....
愛情の渡し方には方程式があるみたいだ
式を間違えると渡すことができない
そんな顔しないでほしかったけど
たぶん間違えたのは私の方だ

こんなに不自由なら
渡さずにしまっておくほうが良かった ....
文字通り{ルビ酒盗=しゅとう}というものは酒を盗む
土佐の山之内容堂公が名付けたといわれる
カツオのハラワタを塩辛にしたものだ
ちっとも生臭くなくて香ばしい
メーカーによってはとても塩辛くて食 ....
歩んできた日々を
振り返る

一週間前に通り過ぎたばかりの
森の出口で道は消え失せている

歩んできた日々を
振り返る

あなたが遺した道が途切れてから
見知らぬ景色の中を彷徨 ....
生温い風に吹かれている


魂はこの世に残らないのか
跡形もなく消えたあの人


生きる力を失いそうな時
思い出の欠片を
かき混ぜてみるけど
記憶をすり抜けて
静けさだけが残る
 ....
寄せては返し合う
はてがないことのふしぎ
ここから命がうまれたというふしぎ
だとしたら
この水はなにからうまれてきたのだろう
半島の先でぼんやり待っている三ッ石
今はまだ歩いてはいけないけ ....
夜を歩く
雨の匂いを嗅ぎながら

時々苦しくなるこの胸の
内側と闇を重ねて

街灯や家の灯に助けられ
地に着く足が見える

暗がりのロードムービー
果てはある

明日が来るのが ....
グラスの縁を
指でこする
音は
遠いあの日とつながっている
あの日もじんわりほほ笑んでいた
死にたくないのに死んだ人が居た
その人を思い出したんだ
私が死にたくなった夜に
私を助けてくれた
死者



今 ここに
私の
いのちがある。
さまざまな
いのちに支えられて ....
ゆっくり上がって
ゆっくり下りる

破綻のない円を
描き続ける密室の中

あなたと向かい合った

あなたが指差す方向に
ひきつった笑顔を向けながら
まだ信じることが下手だったわ ....
蜩の
歌は
どこかさびしいよ
愛と命を
歌うけれどさ

 ※ 蜩=ひぐらし。別名、かなかな。
 good day

明るい雨がさらってゆく
うしろむきの心
光をこぼしあう緑の葉はさざめき
笑う
傘なんかいらないじゃん、と


 梅雨明けはまだ先

飛行機がゆく音は
雷鳴 ....
風景が霞むほどの雨のあと
水たまりには青空が映る
梅雨明けも近い

空を見れば
もう次の雨雲が控えていて
ころころと変わる空模様

そんな空の下を
こどもたちが
笑いながら走ってい ....
あー、なにも変わらない、ボロの部屋
ゴミ袋の中の昨日と分別中の今日 
そして明日も良い天気かな 少し不安
とりあえず、納豆&卵かけゴハンを食べる

おそるおそる粘つく息をして 咳き込む
叫 ....
{引用=


   日々のいたみを忘れるように
   ときおり視野の淵をはしる線
   四季の陰影をかなでる奏者
   モノクロームで、ことたりる
   もう
   彼方からの
   ....
{ルビ渓=たに}と渓が合流する遠い澱みには
銀鱗の女王が潜んでいると釣人たちはいう
普通のロッドと仕掛けでは逃してしまう
いよいよ本流竿の出番がやってきた
7mで250gの本流ロッドは軽くしな ....
悲しんだり
喜んだりなどを
繰り返すことで
いのちと共に
深くしていきたい人生
図書館へ続く石の階段
日陰には
きのうの命がただよっている
雨ののち
ひごとに深くする手鞠花の青
カタツムリは絶滅したんだろうか
遠い子守唄
世界に向けて閉じられた手提げの中はやすらかに ....
スーパーが出来る話は立ち消えに空地のままで寂しさ残る

町内に小さなスーパー一軒だけ百円バスで隣町行く

一軒もホテルなどない過疎の町観光もなく衰退の一途

魚屋の小父さん声がよく通るつい ....
雨上がりの
澄んだ空気と
緑鮮やかな
葉の群れに
うるおうこころ



銀河の岸で
魂釣りをする
小鬼の私
釣った魂は
おいしく頂く



草団子を
おみやげで
 ....
水の輪郭 固くうねらせる曲線
脈動も静かに 寛やかになでられ
水の流速 軽くとばされる集中線
はしゃぐ裸足 滴の臨場 踊る

一斉に鳴り出す風鈴
一斉に飛び出す飛行場

必要なのは傘と ....
リリーさんのおすすめリスト(1385)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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七月七日- 自由詩924-7-7
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海の風- atsuchan69自由詩12*24-7-7
空白- 唐草フウ自由詩9*24-7-7
なみだ- 本田憲嵩自由詩1024-7-6
小さな旅- 自由詩524-7-6
二十七- soft_machine自由詩724-7-6
五行歌_【渓流】_- レタス自由詩7*24-7-5
小部屋- 自由詩624-7-5
すなわち- 四十万  ...自由詩424-7-4
酔いどれの戯言- レタス自由詩5*24-7-4
- 夏井椋也自由詩9*24-7-4
哀悼- 自由詩5*24-7-3
なぎさ- そらの珊 ...自由詩11*24-7-2
夜を歩く- 自由詩624-7-1
※五行歌「あの日もじんわりほほ笑んでいた」- こしごえ自由詩7*24-7-1
※五行歌_五首「死にたくないのに死んだ人が居た」- こしごえ自由詩5*24-7-1
観覧車- 夏井椋也自由詩11*24-6-30
※五行歌「愛と命を_歌うけれどさ」- こしごえ自由詩6*24-6-30
氷菓- そらの珊 ...自由詩15*24-6-30
雨に濡れても- ヒロセマ ...自由詩12*24-6-29
たぶん、きっと- atsuchan69自由詩11*24-6-29
短詩- ryinx自由詩1124-6-29
【渓流】銀鱗女王- レタス自由詩5*24-6-25
※五行歌「深くしていきたい人生」- こしごえ自由詩4*24-6-25
素足にサンダルをはいて- そらの珊 ...自由詩16*24-6-25
スーパー- 夏川ゆう短歌524-6-24
※五行歌_五首「銀河の岸で_魂釣りをする」- こしごえ自由詩5*24-6-24
爽夏- 唐草フウ自由詩10*24-6-23

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