その水に出逢うと
わたしはやわらかい小さな舟

その水面をゆく舟でもあり
その水中をゆく舟でもあり

その水の波を 凪をゆく
瀬をゆき {ルビ瀞=とろ}をゆく
ただその水を感触しながら ....
周りは林檎園ばかり
空気はほんのり林檎の香り

種類が多く
食べ飽きることは少ない
赤い林檎は美味しい

貰ったり
あげたり

土日祝日は人でいっぱい
林檎狩の人でいっぱい
静 ....
 なぜか得してるように見える

 しょうがない人

 なぜかいつもニコニコ和ませる

 しょうがない人

 なぜかスローモーション

 しょうがない人

 もしかして ヤキ ....
わたしたちは歩く
可笑しなことはないのに
となりできみが時々ちいさく笑う
(なにか間違っている?)
でも訊くことなんかできない

わたしたちは黙って歩く
おおむねすべてのひとたちは
 ....
今日晴れと思っていたが雨だった空が泣くほど嫌な出来事

真新しい畳みは何処か別物で部屋に馴染めば家族の一員

かき氷食べて頭が痛くなる夏に味わう痛みの一つ

よく冷えた麦茶を飲んで夏を消す ....
銀色のプラットフォームは静かだ
何かが終わってしまったような
白い虚ろな光があたりを満たしている

駅名表示もない 時刻表もない
すべての列車はもう過ぎ去ってしまったのかもしれない
他の乗 ....
朝に身一点を感じれば
一日は恐れずに足らず

繰り返す日々に
こうべを上げれば
また光の青空が広がり
僕はたゆまぬ努力する

勇気を持ち
リアルなひとりの人として

宇宙の瞳を凝 ....
その人の思い通りに
ならないからって、
私が気に病むことはない。
遠雷
今日も私を生きる



いろいろと会話したら、
他の存在のために七割位
自分のために三割位の
力などを注ご ....
ごめんよみんな
ありがとうみんな
どの道私も
そっちへ行くよ
それまで生きるよ



私は
バカを通り越して
パカになって
しまった
小鬼の私が泣いている



笑って ....
イチゴ色のゼリーにのせられるわたしの人生
微睡みの匙は脆く
ひと掬いもできないで夢が終る

せめてクリームで飾れば良かったわと
言う
母や 姉や 叔母が
女という呪いを無自覚に吐き散 ....
朝には
忘却している、
昨日にいざこざや喧嘩も
あったとは思うのだけれど
夢の
残滓と共に
ちりぢりとなって
雲として
流れゆく・・・


朝に
騙されていようと
ニコチ ....
日曜の朝、街中で声をかけられた
 
今、何時ですか
声の主は黒ずくめの小学生の男の子
私は左腕をたくし上げて腕時計を見せた
 
今日は、晴れて良かったですね
人なつっこく話しかけてくる
 ....
あなたと砂浜に来ている
夕暮れの赤々さが
顔を赤く染めて面白い

潮騒が夕暮れを表すように
少し疲れたように耳に入ってくる

あなたの話が面白い
笑いが絶えず
時間はあっという間に過 ....
・不安定なかたちをしている、夜に咳き込む

・冬の陰影が換気扇に吸い込まれてゆく、最後の煙草に火をつける

・不眠症の薄明かりだ、無理やり布団に引き込む

・おわりの星の話を聞いてやる、星 ....
晴れた日に
息子と二人で海を見にゆく
私の背などとうに追い越して
何食わぬ顔をして
乱反射する水面の光を
キラキラと浴びているやつだ
いつの間にか
通過する季節を跨いできたね
海に突き ....
職場でお寺の話になって
昔あなたと行ったお寺のことを思い出した
名前も場所も憶えていなくて
ネットで調べていたら
手が滑ってあなたの家を見てしまった
恐ろしいことに十数年の移り変わり写真 ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか

乗り物を降りると

豆腐屋が通りを ....
日がな一日
謎は謎として取り残され
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺れ動き
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
 ....
ポプラ通りの真ん中らへん
すべすべの感覚で
まぶたを閉じれば
少年を見つけられる
少年は息を止め
そっと手を伸ばし
とんぼの羽根をゆびさきでつまむ
瞬間を点でとらえたのだ
でも虫か ....
 

今夜は魚の塩焼
ちょうど良く焼き上がって
美味そうだ
食べようと箸を近づけたそのとき
そんなはずあるまい
魚と目が合った
どうかしたのと向かいの母が尋ねるので
なんでもないよと ....
数日前の冷え込みは
さらりと積もった雪とともに
あっさり流れて消えた
今日はぬるい雨が降る
冷えては弛んで
今年も確かに春は

令和は五月からだとさ
準備期間がどれだけあったって
あ ....
癌になった妻を憐れんで

離婚はしないと夫は言う

その背後に死神が立ってる

鎌の刃を彼に向けて

いつも2時にアラームが鳴る

男が頭痛で寝返りをうつ

女は何かを呟く ....
昔の番号に電話する
トゥルルルルルルトゥルル


深夜1時
折り返しの点滅
春が流れていく

みなもに降り立った
無数のひとひらたちは
いたづらに未来を占ったりしない
何にも誰にも逆らわずに
やがて
その先でひとつになる

裏もなく表もなく
命は等しく終わ ....
終着駅のホームの外れ
赤錆びた列車止めの向こうに
騒ぐ荒ぶる海が聞こえる
そして 呼んでいる

(ここには何もない)

行く人は海
来る人は海
大人は波頭で
子供は飛沫

終 ....
買い手のつかない
あの家のガレージに
クリスマスツリーが眠ってる

誰も開けない
シャッターの内側の
冷たく積まれた
スタッドレスタイヤの横で
去年の飾り付けのまま

彼女はラ ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
あなたのために
死んだ妻がベーコンを焼き
熱いコーヒーをカップに注ぐ

あなたは匂いに誘われ起き出して
何もないテーブルを見つめて
新聞を取りにいく

ベーコンを焼いてパンを切り
コ ....
柄にもなく花を買った
10ドル
病室であいつは
5歳のように寝てた
俺に気づいて目を開けた

窓の外はグレー
冬らしい雪

古タイヤを囲み
暖をとる男たちの




 ....
いつだっただろう
眉間の裏側の暗闇に
地図が置かれているのに
気づいたのは

等高線もない
記号もない
縮尺も方位も分からない
その地図は

日々の出来事に
カサコソとなびい ....
リリーさんのおすすめリスト(895)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水の歌- 塔野夏子自由詩3*22-11-15
林檎は赤い- 夏川ゆう自由詩722-10-28
しょうがない人- 佐白光自由詩7*22-9-24
羊雲- 自由詩15*22-9-11
麦茶- 夏川ゆう短歌422-8-1
銀色のプラットフォーム- 塔野夏子自由詩6*22-7-11
朝に- ひだかた ...自由詩422-7-11
※五行歌_三首「宙の月」- こしごえ自由詩3*22-7-3
※五行歌_三首「銀河の岸」- こしごえ自由詩2*22-6-27
イチゴ- はるな自由詩122-5-6
自由詩「朝の詩(うた)」_2022.03.21(月)- 田中恭平自由詩6*22-3-21
またね- 足立らど ...自由詩3*22-3-20
夕暮れの海- 夏川ゆう自由詩422-2-11
寝つきの悪い夜- ちぇりこ ...自由詩922-2-11
灯台- ちぇりこ ...自由詩822-2-4
運命の分岐- mizunomadoka自由詩721-2-6
豆腐のうた- 自由詩17*21-1-31
独白- ひだかた ...自由詩821-1-16
夏空- 自由詩9*20-8-2
命日- 自由詩13*20-5-23
春雨- 世界世紀自由詩6*19-4-5
いつも2時に- mizunomadoka自由詩319-3-22
メッセージが3件あります。- mizunomadoka自由詩918-12-9
a_piece_of_spring- そらの珊 ...自由詩15*18-4-3
- Giovanni自由詩10*18-3-30
12月の雨の下- mizunomadoka自由詩316-12-24
休園日- 自由詩37*16-3-23
- mizunomadoka自由詩415-11-12
smoke- mizunomadoka自由詩514-8-6
地図- nonya自由詩23*14-5-14

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