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森はうすい木漏れ陽
誰知らず湧き水が澄みわたる
泉の
閉塞した世界に生まれる
山女魚は けして他の暮らしを知らず
夢さえもみず
泉に生きる
存在は、認識の果て
山女魚には街 ....
白い本をひらく
そこは、永遠てしのない階段が続く
教えられたままに ゆっくりと登っていく
いつか空に近づくころ 段差は代わりに五線譜になった
そこからは、音符の上をのぼりはじめ ....
うす紅のキンギョソウ一輪 その
散る音に目を覚まし、沈黙は山の見つめるとき
神宿る七月の森は、こな雪
里の稲穂は葉の鋭さを増し、生きる 道しるべ
石の鳥居をくぐれば 我をわ ....
アカゲラについばまれた
桑の木 ハチワレの
地球のような球体の眼は 風の色をうつし、
木陰はさらさらと葉を揺らす
不安や恐怖が 世界を委縮させていく
怒りは人を疲弊させ
....
綿毛のしっぽ
小鹿は 天の一点を見つめ
遠雷は、雨か
我知らぬ予兆の
布告
与えられた
つばめの空を行く航跡の曲線文字を
なぞっては、
その意味を解いていく
ー路をうしな ....
葵 奏楽の舌
かぎりない飴がふる
子どもたちは、慶びにそらのむこうの店(てん)をあおぐ
大人たちは、亜麻色それを 輝石とよんだ
化体それをひとつほおばり
まちがい ....
祝いの誕生日
庭に切り殺した 美しい植物をあげる
3歳児の顔で 姉は
うさぎの顔のついたスリッパの方がよいと 駄々をこねる
それは、植物よりも利便性が高いから
それは ....