えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ
えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく
えくぼ
笑 ....
我が家では
いただきますの後
ニャー と号く
あの日から
そうしてる
魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に ....
カメラを構え
しんと静まる
あの感じ
シャッターが切れる直前の
無限に近い感じ
出来上がる
誰にも見せられない
風景にしてしまった
取り返しのつかない
圧 ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
朝の歌を、小鳥の声にまぎれて。わたしはコーヒーを飲む。ねむれない。
カルフォルニア・ミソサザイが鳴いている。わたしの全て否定しているのだ。
カラスがゴミ集積所を漁っている。猫も。敵同士なの ....
中学時代からの心友だったK君が
急に亡くなった
食道がん肺がん咽頭がんなどの
大病を乗り越えて
俺はがんでは死なない
と酔うと言っていた友が
肺炎で急に亡くなった
103歳のお母さんを一 ....
色褪たページは
枕辺のまぼろし
テーブルに伏せた夜のとばりを
そっと捲るように
形を感じさせぬ影は
ただそこにあり
幾重にも揺れるカーテンの奥で
かすかに濁すマドラス ....
川の側テントを建てて三日間現代的な生活はせず
カルピスの濃い味が好き友は言う口に残った白い塊
雨の後曇ったままが続く今日営業先で愚痴を聞かされ
雪なのか雨なのかよく分からない今日は寒 ....
都会の片隅に、にっこり
置いとかれたお地蔵さん
短い夢にからかわれ
ビルからまたビル渡り
錆びた引戸の奥で
さよならぽつり
きみはやわらかに抱きしめ
つつみながら
....
みてみて あの二の腕、ボンレスハムみたい
黒レースのアームカバーの上に お肉が乗ってるわ
しかもあの表情はなに? 彼氏のイケ・メンタロウ君に向かって、仏頂面
きぃぃ なんなのよ なん ....
いまとなれば
遠いおはなし
うすい膜のなか
半透明の階段をのぼる
(あしおともきこえない)
くうきの浸透圧で
うかぶ猫の蒼い眼が揺れる
水の音が、間隔をおいて、したた ....
あなたと目が合えば
照れてしまいすぐ赤らむ
見つめれば
何かが見えてくる
あなたの優しさが見える
何をしていても
心の何処かでは
あなたを感じている
毎日は逢えないければ
....
○「心友K君の思い出1」
何でも気軽に相談できる中学時代からの
心友K君が急に亡くなった
結核食道ガン肺ガン咽頭ガンなど数々の大病を乗り越えてきて
「俺はガンでは死なないよ」
と酔うと言 ....
夜
月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている
朝
目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した
....
波がそよいで
靴底に、沁みる
遠い水を{ルビ浚=さら}い
海が伝う。
{引用=あの日}
そっと {ルビ掬=すく}い
手の内にきえる
一瞬、少 ....
ピーマン ナス トマト
カラフルでピカピカ
夏の野菜
元気印
ピーマンとトマトは大丈夫
でも
ナスは大嫌い
それがなんと
なんと なんと
ナスをたべれるようになりました
....
扇風機から炭酸水が漏れている
甘い味はなにもないのに
蟻が数匹集まっている
手触りのする布で拭いて
以前から繰り返していた
冷蔵庫を開ける
三丁目がある
良く冷えた救急車が
大通りを走 ....
夕方 お散歩にでた
屋根をみた
すべりそうな屋根
安心の平らな屋根
凸凹な屋根
屋根から屋根へ
お散歩 お散歩
夕方の屋根は
どれもみんな
さみしさがのっかってた
....
誰にも故郷があって
それが心の拠り所と呼べるものでなくても
またその地を踏んでみれば 何か思うものがあって
私はなぜだか 駅に降りたら涙が込み上げてきた
帰ってこれたことが ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している
海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
仏壇のロウソクに火をともし、それから線香をあげて、
いつも手を合わせて、そのように月にいちどは戻ってくる、
いもうとが、父の日に花束と缶ビール1ダース分をプレゼントしている、
天気の ....
傘からしずく泣いている気がしたら明日は晴れると信じてみよう
白い卵(らん)ドアポケットに並んでる賞味期限のラベルを貼られ
小さくて青い魚は群れており短くなった夜の水底
ワッペンの裏に ....
金色に輝く
イヤリング
ささやくは
誦文であり
引きちぎられた
物質はなく
理解できない
からと
ないものねだりするより
理解している素晴らしさを
あらためて再確認している
....
歯医者さんの窓
いい天気
ぽかんと待ってる
歯に穴があいた僕は
言われるがまま
口をあけて
何か詰めてもらった
もう食べても大丈夫
治療は次回から
外に出たらギラギラお日 ....
積乱雲を想って
紫の渦あじさい
順呼気に澄む
ふくらみ過ぎた花と緑は
まるで巨大なくるみ型の舟
或いは脳みそ
私はミソスープに伸ばした腕を
食卓の
小鉢に触れたいと ....
暗い出来事があったとしても
明日は明るいだろう
そんなふうに感じると楽
今日一日を満喫する
明日のことは最後に考える
何があっても
楽しむこと忘れない
自然体を忘れない
今 ....
○「年齢確認」
コンビニで酒を買う時に
いまだに「20歳以上」を押すように
言われる
これにはいつも違和感を感じる
せめて「60歳以上」にしてほしい
○「平和ボケ」
戦争になると
....
先生は
ただ先に生まれたから
先生なのではない
先を生きているから先生なのだ
上にたつのではない
先を歩く
一番前を歩く
一番雨風を受け 一番苦しい道を歩く
そうして道を開いて ....
あーーーーーー
まじでねーわ
女を書くな
おまえが女を書くな
おまえごときが女を書くな
女を書くな
女を語るな
女の胸とか髪とかスカートとか肌とか
そんなんやめろ
詩が嫌 ....
青りんごは自ら枝を手放して
地に落下した
それは手のひらにすっぽり包まれるほど小さく
人が食べ頃だと思うには到底未成熟だった
わたしにもっといい耳があれば
落ちた理由が聴こえたかもしれな ....
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