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怠惰な午睡のすえ
ふと目醒めると もう夜だった
開け放していたカーテンから
道の向こうにある家々の灯りが
ほわりと点っているのが見える
この選ばれたわけでもない 退屈のなかに
浜辺に打ち上 ....
あの日
まだ遊園地があった頃
待ち合わせて出掛ける夕まずめ
武庫川に架かる橋には溢れる人
背の高いその人が
欄干横の塀に私を乗っけてくれた
スカートが風にめくれ ....
わたしはやっぱり
PARCOが好きだったんだなあと思う
むかしのPARCOが
好きだったなあと思う
津田沼PARCOには
何度も、何度も行った
アルバイトで貯めたお金で
ヒス ....
空から落ちてきた
一粒の火の粉が発芽して
庭に硝子の意志が蔓延った
温い月光を受け止めた
水盤には真鍮の孤独が湧き
何匹かのメダカが犠牲になった
溶けたアイスキャンデーの
「 ....
知らないところでさり気なく
「うちの妻が」と言ってもらいたい
時代に逆行しても
「思い出に残る熱い先生でした」と卒業式の寄せ書き
オルガンをうまく弾けなくても
「あの子守歌、背中がこ ....
出かける準備に
君は右往左往している
もう出ないといけない
ジリジリとする内心
何か手伝おうか
さあもう出かけよう
服はそれでいいだろう
せっかくの
楽しみを
最大限に味わい ....
あの日 僕等は
雨宿りをしていたね
突然降って来た雨から逃れて
適当な軒下に落ち着いて
肩を並べて 雨宿りをしていたね
周りでは 同じように雨宿りをしている人たちが溜息をついて
濡れた ....
白い本をひらく
そこは、永遠てしのない階段が続く
教えられたままに ゆっくりと登っていく
いつか空に近づくころ 段差は代わりに五線譜になった
そこからは、音符の上をのぼりはじめ ....
{引用=こんなにも遠くの土地の
バスの停留所で
傘をさしていた
ゆめのなか
ノイズのなかの風景の
砕けたアスファルトから
視える空は
雨粒に浸透 ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す
手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
うす紅のキンギョソウ一輪 その
散る音に目を覚まし、沈黙は山の見つめるとき
神宿る七月の森は、こな雪
里の稲穂は葉の鋭さを増し、生きる 道しるべ
石の鳥居をくぐれば 我をわ ....
人知れず風はどこかの雑木林を通りすぎる
どこかの雑木林の木洩れ日がひゃらひゃらとゆれる
人知れず私はささやく
小さな星の上で
花の香りを
人の笑顔を
一つの命を
人知れず思う
私が居な ....
気がつけば一面の緑のなかで
途方にくれていた
どこから来て
どこへ行こうとしているのか
すでに熱を失って
剥製のように軽くなった
小鳥のむくろを
両の手に捧げている
はばたいて ....
トゲトゲが無くなるまで
話しかけよう
生きているから
いつか通じると信じて
サボテン
そばにいると癒される
トゲトゲだらけなのに
少しも嫌じゃない
サボテン
少しくらいサボろ ....
三角関係の中にいる
同性の職場で
嫌い合っている二人の真ん中にいる
なかなか難しい居心地である
古い医院での受付仕事
日々 様々な方たちが来られる
待合室 患者 ....
酔っ払いの群れに
ぶつかりながら
君に話しかけても
後ろの大声の会話に
かき消されて
駅までの間
少しも話せなかった
もうすぐ終電と
急ぎ足の君と
はぐれないように
ついていく ....
「氷」
口のなかの体温で氷がほどけていく
世界が終わるかのような
とどろきを上げて
北極の氷山も海にくずれおちていく
さよなら
夏の真ん中で
わたしが失ったのは
透明 ....
想い出したように
鳴る
風鈴が
躊躇うように
あなたが
幼い頃の話をする時のように
鳴る
風鈴が
逃げる風を追い駆けようとして
諦めたように
鳴る
あなた ....
意味も知らない四十九日
できれば輪に入らずに
木陰に座ってたい
そしたらタバコを吸いに
きみも出てくるでしょ?
一瞬
影のさした殺意に
光をあてて解いた
こころに謝り
手を合わせる
まわりはどうあれ
時は過ぎてゆく
全てが静止するまで
叫ぶ雲。
出来ていないからあえて言うけれど
「足 ....
いのちを
失っても
まもりたい存在があるだろうか
こころの平原を行くと
そこに一つの墓がたっている
それは私の墓だと直感する。
あつい陽にさらされていても
その墓の石の肌はどこか
....
走り続けて
転んで動けなくなった日々
未来の自分に話しかけても
返事がなかった
明日が怖くなる
夢だったらいいのに
眠らせて
眠らせて
上辺だけの真面目
崩れ落ちていく
どんな ....
アカゲラについばまれた
桑の木 ハチワレの
地球のような球体の眼は 風の色をうつし、
木陰はさらさらと葉を揺らす
不安や恐怖が 世界を委縮させていく
怒りは人を疲弊させ
....
おはよう
眠り姫
生まれたままの姿で
僕の気を惹いて
もう少し
話をしよう
ぼくの心が
あなたに開くように
起きて
起きて
起きて
朝食は何を食べるの?
好き嫌いは ....
今日は七夕
夕食後のお茶請けに
水饅頭を買ってかえる
点てたお茶を飲み
水饅頭をのせた皿を持ち上げる
「カエルの卵の大きいやつみたいだね」
食べ終えた隣の人が言 ....
二人でいたかったから
仕事をサボった
天罰をくらって
二人は会えなくなった
労働と引き換えに
年に一度の願いを叶える
カササギたちがつくる
横断歩道を渡って
天の川は大渋滞 ....
毎日一応投稿しているフリッカーを何枚かみる
こんな素敵なところに住みたいなーと思う写真もある
今日ポイントを入れた一枚はニューヨークの高層ビルを背景に家族四人が噴水の前に立っている微笑ましい写真。 ....
眠れないから針を投げる
夜がナマズみたいに口を開けてる
忘れた頃に届いた手紙
still love you.なんて
文末に軽く添えやがって
こっちは本気だったのっ!
白くなった ....
鶴のおおくいる村に、
温泉へと向かいました、
露天風呂に入ったあと、
石だらけの日本庭園のベンチに座り、
その竹垣のまわりには、
樹々が青々と生いしげっており、
その葉がそよ風にさやさやと ....
あなたは夏のよう
夏というだけで モチーフ テーマになれる
純粋培養した笑顔は季節そのもの
夏の花は熱く咲くから
明日の朝まで待てない 手を放して踊ろうよ
お腹まで響く雷鳴は 大 ....
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