我思う故に我あり に続いて疑問としてきたのが
西洋人の持つという「 原罪 」という意識である。
日本人の場合は、自らが生きていることに罪の意識など無い。
ただ、ある人の境遇を ....
朝の歩道沿いの桜並木、
垂れ伸びた枝の此処彼処
赤らみ膨らむ無数の芽、
じわりじんわり時を待つ
老婆が立ち止まりそれを見ている
ぶつぶつ宙に言葉放ち
じっと動かず凝視して
この六 ....
哲学の授業の始まりに、デカルトの
「 我思う故に我あり 」を
まことしやかに教わったが
まあそうなんでしょうが、どっかこうしっくりこない
以来四十余年を経て、その感じは ....
宇宙船の窓には地球が浮かんでいる
球面には雲が広がっている
雲の遥か下に屋根がある
屋根の下で誰かが炬燵でうとうとしている
余計なお世話だ
花の話をしていると
何で花の話をしてるんだろうね
という話になって
僕らが花だからじゃないかな
ということでよく見ると
お互いに花だったね
とわかって
笑って
咲いて
入学す ....
嫌なことがあっても
好きな音楽があれば
楽になること知っている
生活の助けになっているし
生活を盛り上げている
毎年好きな曲が増える
毎日のように
新しい曲が生まれている
....
○「春がまた巡ってきた」
梅の花が咲き
鴬が鳴き
桜の花が咲く
春が
また巡ってきた
春は
別れのとき
出会いのとき
悲喜こもごもの春が
また巡ってきた
僕も七十回目の春が巡 ....
すべてのものが露わになる前の世界
夜明け前の朝は、そうした匂いが感じられ
鳥は瞼を微動させて小さく羽毛を震わす
風は樹の洞に仕舞われて
リスの鼓動がすこしづつ増してゆく
時を軽 ....
○「バスの思い出」
子どもの頃バスはあこがれの存在だった
登下校中にバスに出合うのは
最高の楽しみだった
バスが見えると
砂利道の端に寄って
運転手とバスガールさんに
しきりに手を振 ....
独り、歩む途
この冷える夜に
彼岸花咲き誇る、
土手に白鷺降り立ち
用水路たどりすすむ
のっそりのそり進む
この冷える夜に
咲き誇る彼岸花群れ
白鷺、脇に息づき進み
....
○「夫婦喧嘩」
お互い口を聞かないでいたら
3月が来てしまった!
外では
梅の花が咲き鴬が鳴いている
○「夫婦喧嘩」
妻のいうとおりには
できない
そうかといって
夫のいうとおり ....
新幹線の旅はあまりのスピード故に車窓の風景を楽しむ余裕がない。
しかし、所々に印象的な風景を魅せるところもあり、気付いたところを折りに触れ紹介したいと思っている。
二月二十七日
....
○「素朴な疑問」
金持ちは幸せなんだろうか
有名人は幸せなんだろうか
僕にはわからない景色だ
○「夢みたいな話」
リハビリ中の友人に山頂からの写真を送信したら
「夢みたいな話だ」と返信 ....
さつきから何に怒るか仏法僧
数年前に施行された
ロボット機会均等法により
ぼくの職場にもとうとう
アンドロイドが一人配属されてきた
(伊藤です…)
自己紹介もそこそこに
早速仕事に取り掛かる伊藤さん
マサチューセッ ....
昼下がりG線上のアリア聴く独りの時間澄み切った心
午後三時静まり返るダイニング家族の声は朝と夜だけ
ティータイム仕事を一時停止して夕飯のこと相談される
酒を飲みあまり美味しく感じない ....
初めての徹夜は冒険だった
満点の星々とか雲隠れする月光とかではなく
眠りという必然性への挑戦だった
眠らない力があった
今や眠る力さえない
眠るのにエネルギーが要るなんて
早起きとは聞こえ ....
一筆で描く小舟や草かすむ
休日の朝食には時々ピザトーストをつくる
パンはグラハムが一番だがライ麦系ならまずはよい
下層から トマトケチャップ
玉ねぎ ベーコン ミニトマト ピーマン
そして融ける ....
まざまざと見せ付けられる
世の流れ、森羅万象
襲い来る孤独の波に
戦慄く躰、擲って
涙の夜も、遠くなり
君の瞳の奥までは
一歩ずつでも、前に進みたい
何もかも、もう終わりでも
誰も何も ....
朝の光に華やかな
紅梅の花の群れ、流れて揺れて
意識、うっとりあけてひらき
紅の点描、今や無数無限
朝の光彩を闊達に浴び
光景に溶け入るわたしが居る
○「悩み事」
逃げれば
追いかけてくる
○「死」
どんな人でも
最期は
ひとりで
死んでいかなければならない
こんなに悲しい寂しいことはない
しかし
これだけは絶対にまちがいの ....
駅から家までゆっくり歩いても20分のところを
疲れ切ってしまっていてタクシーに乗った
途端に
意識が朦朧としてしまったら
途中で何人かの人が乗ったり降りたり
乗り合いしてきたのだが
顔 ....
○「弓道」
僕は若い頃からかっこうをつけることが
大嫌いだった
かっこうつけているといわれることは
とても嫌なことだった
しかし60の手習いで弓道を始めるようになってから
弓道の先生か ....
テレビの横に置いてあった砂時計
忘れていた
どうしてここにあるのかも解らないくらいに
真夜中の静粛の中で返してみる
音も立てずに時を流して行く
流れる砂も ....
だんとんだん だんとんだん
恐い夢を見た朝は
丘にマンサクの花を訪ねてみてください
澄んだ黄色のクニャクニャした花弁
メドウサの髪 縺れる糸手毬
すこし浮き浮きし ....
漬物があれば
白いご飯を美味しく食べられる
最高の組み合わせだろう
白いご飯と合わないもの
探すのは大変だろう
朝は白いご飯と味噌汁がいい
和のものがいい
日本人の体に合っている ....
○「誰かにわかってもらいたくて」
誰かにわかってもらいたくて
手当たり次第メールしてみる
誰かにわかってもらいたくて
愛犬に話しかけてみる
誰かにわかってもらいたくて
コンビニに出かけ ....
二月は冷たい熱をまとった光
包まれた小枝は銀色の針金
青々とした空に刺さっている
そして導かれて小さな蕾がこの世に顔を出すだろう
優しかった過去の手を想う
手も語ることはないけれど
私 ....
冬の日差しを背に受けると暖かでした
布のブックカバーはザックリとよい手触りです
賑わう道の際にある私の影の中で
詩集のページを開いてみました
ある詩をゆっくり二度読みま ....
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