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アイソニアの騎士の憤りも、もっともだった。
彼は、アースランテの千人隊長なのである。それが今では、
ヨランという盗賊風情と契約した身である。いかに、
エインスベルを救うための旅とは言え、彼は支配 ....
再びの危機は去った。シーゲンサの群れはことごとく屠られた。
アイソニアの騎士、エイミノア、盗賊ヨラン。その思いは一つでも、
その思惑は、彼らそれぞれで異なっていた。あるいは、アイソニアの騎士は、
 ....
(予感は的中した)と、ヨランは思う。(もしや、エランドルは、
 このヨースマルテで誰もが魔法を使える世界を目指しているのでは?)
いやいや──そうではないかもしれない。ヨランは逡巡する。
(しか ....
砂の下から現れたシーゲンサが、一行を円で取り囲む。
先ほどのエビ・グレイムほど、シーゲンサは強力な敵ではない。
しかし、屠っても屠っても、シーゲンサは砂の中から現れた。
「きりがないな。こんな時 ....
そして地面は、ざわざわと揺らいだ。
オーマルが言ったように、一行を次の魔物たちが狙ってきたのである。
「シーゲンサ!」オーマルが叫んだ。
「何! シーゲンサとは何だ?」

砂の中から、無数の ....
「ヨラン殿の言うとおりでございます」その時、オーマルが口を開いた。
それまで、彼女は一言も発さずに沈黙していたのである。
「その根拠とは?」アイソニアの騎士は、オーマルのほうを振り返った。
「そ ....
ヨランたち一行は、三日の間砂漠を旅していた。
オーマルに取りついたエランドルと話して以降である。
皆の喉が渇く、しかし、不思議に食欲は感じられなかった。
そして、三日という時間も彼らの体感時間で ....
二〇二一年十三月一日 「断章」


 ジョンは五千人程の男女の中に見えなくなった──。誰も彼もが灰色のヴェールを被っている──、凍って粉々になった残骸は〝意識〟と呼ばれ、人々の中に動かしがたい様 ....
「さっきの化け物を葬った魔法か? あれは、お前の手柄だった!」
アイソニアの騎士は呵呵と笑ったが、ヨランはすっかり怖気づいていた。
「笑いごとではございません。誰もが、あのような魔法を使えるように ....
「話せば長くなります。ですが、ヒントはエランドル様の言葉にあります」
「エランドル? さっきこの女に取りついた亡霊のことか?」
「俺は知っている。世界を滅ぼした男だな」と、エイミノア。
「それは ....
「しかし、クーラスはすでに虹の魔法石を持っているのであろう?」
「そうでございます。ですが、多分彼は使い方を知らないのです」
「虹の魔法石の……か? それはあり得ぬ。あの狡猾な男のことだ。
 き ....
あらそいばかり視えるので
瞳を閉じたこともある

平和の使者を待ちわびて
すこし寒くて震えてる

夜風が鳴いてるこの庭で
みあげているのは星月夜

横浜港のみえる丘
 ....
真っ暗なのは
見えないのではない
闇を見ている

無音なのは
聞こえないのではない
沈黙を聞いている

不毛なのは
生きてないのではない
死を生きている

広い視野と
 ....
ことばを
トントントントン
階段を上がる
内面世界不思議
を塗り固めて
とっておき
ダッシュ走る
意味を同じくしないで
ことばを
並べて選ばず
ほら掴んだ
西へ日暮れへ
終わり ....
「そうでございます、騎士様。先ほどの魔物は、エビ・グレイムと言います」
ヨランは、アイソニアの騎士から言葉を引き継いで言った。
そして、説明をする。「この本、オスファハンの手書きのメモによれば、
 ....
「なぜ止める、ヨラン? そのエランドルという男がまことに
 このハーレスケイドの支配者であるならば、この男を倒さねば、
 虹の魔法石は手に入らないのではないのか?」アイソニアの騎士は訊いた。
「 ....
「あなたは本当にオーマル様なのですか?」ヨランは尋ねた。
「わたしたちの『導き手』の……」と、続ける。オーマルは、
「わたしはいかにもオーマルと申す者。始めにその名を告げたはずだが……」
「承っ ....
まだ、地域猫と言う概念のなかった遠い昔、
ぼくの住む小さな漁村にキジトラの、年老いた猫がいた、猫、と呼ぶにはあまりにも堂々とした体躯、しなやかさ、とはかけ離れたふてぶてしいcat walk、ぼくはそ ....
「やはり、これは罠だな?」アイソニアの騎士は、オーマルを睨(=ね)め付けるように言った。
「大方、俺たちのような厄介者を、ドラゴンに食わせようというのであろう?
 その手は食わぬ。そもそも虹の魔法 ....
「それは、エインスベル様の命でございます」と、ヨランは言った。
「当たり前だ! 俺たちは、虹の魔法石を求めて、ここへ来たのだ!
 それがエインスベルを救うと、この盗賊が言うからな!」と、アイソニア ....
「単純な話だ。生きとし生ける者には、霊魂が存在する。
 そして、世界は一つの心を持っている……。
 わたしは、このことを数十年の年月の末に確かめたのだ。
 わたしを導いたのは、魔術という一種の道 ....
「そんなものが、この地に満ちているのですか?」ヨランが愕然とした。
目に見えぬ生命があるなどと、ヨランは理解できなかった。
しかし、科学が崩壊する以前の文明であれば、それは当然の話だった。
「こ ....
「あなたはなぜ、『言語崩壊』を引き起こしたのですか?
 エランドル様。それによって、人間社会が滅びることなど、
 分かっていたでしょうに?」──この時のヨランは、探求心を満たすというよりは、
世 ....
「そうだ。わたしは世界だ」──オーマルに憑依したエランドルの声が言った。
「エランドル様。あなたはいったい何をお求めですか……?」
ヨランは、その一言一言が、何を招くのか、といった恐れに苛まされな ....
埃臭い上着を着込んでは
空の力におちていく
少しずつ
少しずつここへ
どうしてもぼくは

火が両拳をつつみこむ

確かなものだけが
確かに応えようとする


くるくるま ....
二〇二一年十二月一日 「夜の大海の中で」


 ヤフオクで落札した、グレゴリイ・ベンフォードの『夜の大海の中で』が到着した。画像で見た表紙の傷は仕方ないけれど、本文はきれいだった。本体190円+ ....
「お待ちください、アイソニアの騎士様。そして……、
 エランドル・エゴリス様」盗賊ヨランは、その時うやうやしく首を垂れた。
そのヨランの振る舞いに、アイソニアの騎士たちも疑念を抱く。
「おい、こ ....
「ふん。世界だとか何だとか、そんなことが世迷言であるのは、
 俺の経験が教えている。お前は、女だ。男の声を発している女だ。
 俺は、その影に隠れた事実があるなどと、信じはしない。
 化けの皮をは ....
「わたしには、かつて愛している者があった」──その声の主は言った。
今、オーマルは単なる傀儡に過ぎなかったのだ。
その声は、世界の秘密を明かそうとしている。
「今、汝らの時と、我の時とは合一する ....
その時であった。一行の伴である、オーマルが言った。
「我に従え。戦士よ、騎士よ、魔導士よ。今から、お前たちはわたしの僕(=しもべ)となる……」
その声音は、女性のものではなく、男のものだった。
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
砂漠の行軍(七)- おぼろん自由詩1*22-10-6
砂漠の行軍(六)- おぼろん自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(五)- おぼろん自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(四)- おぼろん自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(三)- おぼろん自由詩1*22-10-4
砂漠の行軍(二)- おぼろん自由詩1*22-10-4
砂漠の行軍(一)- おぼろん自由詩1*22-10-4
詩の日めくり_二〇二一年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-10-3
世界の真実(十八)- おぼろん自由詩2*22-9-30
世界の真実(十七)- おぼろん自由詩2*22-9-30
世界の真実(十六)- おぼろん自由詩1*22-9-30
星の流れた夜の庭- 秋葉竹自由詩122-9-30
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コラージュにあそぶ- かんな自由詩222-9-29
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世界の真実(十四)- おぼろん自由詩2*22-9-29
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宮村さん- ちぇりこ ...自由詩522-9-29
世界の真実(十二)- おぼろん自由詩1*22-9-27
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世界の真実(六)- おぼろん自由詩1*22-9-25
世界の真実(五)- おぼろん自由詩1*22-9-25
世界の真実(四)- おぼろん自由詩1*22-9-25
世界の真実(三)- おぼろん自由詩1*22-9-24

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