なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う

 わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
 ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
 
 
水を降りていく
やましいことなど
何ひとつない

深夜、もういない父の
容態が急変した気がして
親戚を探しに出かける

栞のように
水槽が鳴ってる
 
 
夏風邪をひいた駅員が
プールの縁に立って
はしごを眺めている

咳きこむと
口の中で
戸籍は勝手に
書き直されてしまう

向こう側とあちら側が
波のように打ち寄せる
こち ....
{画像=080731005030.jpg}


夕日に浜辺で遊ぶ子供の心は
寄せては返す波の想い
波間に揺れる種子の想い


流れ

流れ

遠い国へ

流れ


辿 ....
あらゆるまがりかどの公園の
無人のブランコ
ばかみたいにゴミ箱の中身はちらかったまま
カラスが群れる

夜道切り分けて曇り空は進む
ガラス窓が割れて
流線型で情報が流れ込んでくる
ひき ....
喉の奥に良からぬ話題が引っ掛かっている
だから、一昨日くらいから喉が痛い
唾を飲み込もうとしてもうまくいかない
段々と不満が頭の中で熱を持ち始めている
もうすぐ風邪でもひくのだろうか
今、と ....
12階のベランダから地上を見る
得体の知れないものが
あたしたちの体の中にある
欲望
空気の中にみえない
何かが飛び交っている

悪意
諦め
執着
春を
夏を
秋を
冬を
 ....
 
初夏の光
ひとつ前の駅で降ります
虫かごもないのに


+


栞はかつて
誰かの魚でした
本の中で溺れるまでは


+


夕日のあたたかいところに
古いネ ....
あじさいは雨に
色をもらう
少しずつ少しずつ
となりの子とは違うように
淡く。パープル

ぬれてるからって
傘は差しださないで
雨がすきなのわたしたち
雨でわたしたちは
きせつを彩 ....
{画像=080522023223.jpg}
口に出した言葉が
石英のように凝って、
カチリと落ちたら
いいだろう!?


ぼくはお喋りに夢中になって、
なにがなんだかわからなくなって、 ....
母が心を病んでいると医師に言われてからはや5年が過ぎようとしています。
その1年ほど前から軽うつと診断されて、薬を飲んでいたのですが、どうもこれは「アダルトチルドレン」とか「中年危機」の症状が強いと ....
 
朝も夜もわたしたちは
わたしたちの身体を
繰り返していく
細く覚束ない手つきで
少しの過ちを訂正しながら
そのような過程を
日々の営み、と
呼んだりもするが
本当は命ひとつの重さ ....
きょうもまた
むごたらしくも
花が咲き
そして散り
音もなく
忘却はととのえられ
かるくなって
飛んでいき
あしもとのごみは
せわしなく
掃き集められ
きよめられて
そうしてく ....
 
僕の頭の上に
女王様が巣をつくった
重みに耐えていると
紅茶の良い香りがする
きっと紅茶を飲んでるんだろう
「まあ、きれい」
きれいなものは誰が見てもきれいだ
僕はずっと
死んだ ....
 詩誌「あんど」8号に掲載された井川博年氏の「期待しない ――若い詩人への手紙のようなもの」と題する文章は、これほどまでにひどい文章を読んだのはいつ以来であるか思い出せないというくらいにひどい、長年に .... 主任のおばちゃんが 
残業時間につくる勤務表と 
にらめっこしながら 
(あの人の性格はああだから・・・) 
(この人の性格はああだから・・・) 
と頭を抱えていた 

なにができるでも ....
タイトルに「あなた」なんて使って気恥ずかしいのですが、
なんかそういう気分なので(笑)。

さて。
蘭の会(http://www.orchidclub.net/)の「ふみばこ」というコーナーに ....
{画像=080316102643.jpg}
倒れ込む。        そのままに
ねぐらに眠り込む。    裸になり
頭から倒れ込み、突っ込む。壁に、住処に
ぶつけて星を飛ばす。   ぐしゃり ....
 
父は毎日仕事で帰りが遅く
平日は構ってもらえなかった
父は日曜日になるとキャッチボールをしたがり
僕はよく公園に連れて行かれた
普段からあまり活発な方ではなかったので
あまり楽しくはな ....
ある人は
上手にすくったものを
目を細めて ごくごく

ある人は
上手にすくったものを
パンにつけて ぱくぱく

ある人は
上手にすくったものを
塗りたくって べたべた

未だ ....
 子どもの頃「怖かったもの」がたくさんある、チャルメラのラッパ、ギャル、雷に、「かちかち山」の絵本・・・。そんな中で、私が何よもり恐れていたものが天狗のお面であった。
 そのお面は私が六歳のときに暮 ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう

そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない

雨上がりの
濡れた ....
親指でしか語れなくなった


指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを


まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
とうりゃんせ と唄われた
神社の裏手
一本の老樹が
わずかに肩をいからせながら
両手を広げ
しどけなく枝先を垂らす


関所と謂われたこの地で
何のためらいもなく
敷きつめられた白 ....
長い間 
部屋の隅に折り畳まれ 
埃を被った 
老人ホームの誕生表 

空色の模造紙を開き 
両端に咲く 
太陽の花 

まっすぐのびる 
2本の茎の間に 
お年寄りの名前と誕生 ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
 自分の友人のことについて語るのは難しい。そこにはどうしても遠慮や照れくささといったものが介在しがちであるし、ましてや彼は僕がやっている「反射熱」という詩誌の同人でもあるので、下手すると仲間褒めといっ .... 妻が平日に東京へ行くことになった。
友だちが故郷の鹿児島から仕事の都合でこちらに来るので会いに行くということだった。
ほぼ十年ぶりの再会だそうだ。
鹿児島から東京に出てきて、僕と結婚し、千葉に引 ....
2007年10月10日ごろ、日本で一番古い詩の出版社、詩学社という小さな会社が廃業しました。1947年8月「詩学」創刊ということで、経営が思わしくない時は休刊などでつなぎながら、60年に渡り「詩学」と ....
木葉 揺さんのおすすめリスト(1400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
なつの朝- 唐草フウ自由詩16*08-8-11
プロミネンス- 千波 一 ...自由詩24*08-8-11
水のための夜- たもつ自由詩15*08-8-5
ビヨンド- たもつ自由詩5*08-8-1
夕日の浜辺から廻る想い- beebee自由詩908-7-30
ゆれる- モリマサ ...自由詩31*08-7-15
大人の風邪- 小原あき自由詩19*08-7-15
モンスター- モリマサ ...自由詩16*08-7-3
海の伝言- たもつ自由詩2508-6-21
あじさい- 唐草フウ自由詩8*08-6-18
言葉が石英だったら- beebee自由詩14*08-5-28
わからないことだらけ.- ふるる散文(批評 ...26*08-5-23
営み- たもつ自由詩10*08-4-26
飛散- 岡部淳太 ...自由詩808-3-26
景色- たもつ自由詩1408-3-26
記名の呪縛- 岡部淳太 ...散文(批評 ...9+08-3-22
雨夜の信号_- 服部 剛自由詩4*08-3-20
詩という“表現”を選んだあなたへ- いとう散文(批評 ...59+*08-3-17
倒れ込む。獣のままで- beebee自由詩6*08-3-16
卒業式- たもつ自由詩26*08-3-15
黒糖とプリン- FUBAR自由詩9*08-1-29
批評祭参加作品■鏡の詩「フィチカ」- Rin K散文(批評 ...19*08-1-25
希望- 大覚アキ ...自由詩2608-1-16
メール症候群- 渡 ひろ ...自由詩29*08-1-7
花冷え- 渡 ひろ ...自由詩19*07-12-3
誕生表_〜太陽の花〜_- 服部 剛自由詩4*07-12-2
フィチカ- ルナク自由詩44*07-12-2
服部剛_その詩と人- 岡部淳太 ...散文(批評 ...907-12-1
今週、妻が東京に行きました- たもつ散文(批評 ...21*07-11-29
「マイナスの場所から/寺西幹仁」『泣きじゃくり部屋』より- とうどう ...おすすめリ ...12*07-11-27

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